新しさと
東京藝術大学美術館陳列館での展覧会「居場所はどこにある?」に行ってきた。
超アクチュアルな文脈でコンテンツを取り扱っているはずなのだが、既視感が気になって、期待したほどの新しさ、面白さは感じられなかった。
よく言うところの、作品になった瞬間、展示された瞬間にすでに古くなっているとはこのことだろうか。
松田修氏の作品は、生きることそのものを強く訴えかける普遍性と、ストーリー、テクノロジー、抽象度の高さゆえ、一番印象に残った。
普遍性をいかに抽象度の高い作品にするかで、既視感が薄れるのかもしれない。そうでなければ、誰にとっても生きること自体大変なわけで、なにもLGBTなどマイノリティーの問題を取り扱わなくても、作品で主張できるのでは?、そんなのわかってるよ、と思わせてしまうのかもしれない。
キュレーションに関しては、もう少し工夫できたのではないかと思われた。本望ではなかった部分も多々含まれているのかもしれない。