21_21 DESIGN SIGHTで、ゴミとうんちを通して循環と向き合う
こんにちは。イメアカラボスタッフのHです。
最近は、一雨ごとにだんだんと秋の深まりを感じますね。そんな中、爽やかな秋空の夜に、21_21 DESIGN SIGHTにて開催中の企画展「ゴミうんち展」に行ってきましたので、展覧会レポートとして記したいと思います。
つい言葉に出して言ってみたくなる、ゴミうんち展
会社で同僚に「ゴミうんち展、見に行かない?」、「ゴミうんち展、行ってきたよ!」と話すと、だいたいのひとに「なあにそれ」という不思議な顔をされます。そんな謎めいた、インパクトのあるタイトル。いったいどんな展覧会なのでしょう?
ゴミうんち展、いったいどんな展覧会なの?
下記の21_21 DESIGN SIGHTにて、開催概要のページがあります。詳しくは、こちらの公式サイトにて、ぜひご覧ください。
ということで、ここからは、私が観てきた内容を、一部会場の写真とともにご紹介できればと思います!
さっそく、ゴミとうんちと向き合いにいこう!
会場は大きく、ギャラリー1とギャラリー2という二つの空間で展開されます。 ギャラリー1は「糞(くそ)驚異の部屋」という空間で、ゴミになるもの、リサイクル資源、うんち、発酵、トイレ・・・に関する資料等々、ゴミやうんちなどの循環にまつわる、膨大な量の展示で埋め尽くされています。
続いて、ギャラリー2に移ります。こちらでは、ゴミやうんちをテーマに制作された作品群などが広い空間に展開されていました。
いくつか個人的に気になった作品をピックアップしてご紹介していきます。
狩野佑真「Rust Harvest|錆の収穫」
まず最初に、狩野佑真による「Rust Harvest|錆の収穫」です。劣化の象徴であった「錆」。その錆を育てて、作品制作へ使用されているそうです。錆の模様がいろいろな表情を持ち、それらが並ぶとまた美しい!
山野英之「クソバッジ」
次に、会場の中ほどで展開されていた山野英之による「クソバッジ」です。
安全ピンをつければどんなものでもバッジになる、ということで、壊れたもの、拾ったもの、役に立たないものなどを新たな存在に生まれ変わらせるという作品制作をされている作家さんです。
ここでは、人にとっての価値とは、モノの機能とは、役割とは・・・と考えさせられながら、キャプションの説明にあった「あなたのゴミは、誰かにとっての宝物かもしれない」というコンセプトに、心動かされました。愛らしいアイテムも多くて、バッグや胸元につけたい・・・そして、ずっと見ていられる。
松井利夫「サイネンショー」
3つめの作品は、松井利夫のサイネンショーです。
こちらは、今はもう使われていない食器や花瓶、割れてしまった陶器などをもう一度焼き直すことで新しい価値を生み出すプロジェクトでした。改めて、焼き直すことで、形が変わったり、ひずんだり。また釉薬で色が変わったりとあらたな表情に生まれ変わるんですね。まさに、今回の企画展をあらわすような、循環をしている作品だと感じました。
この他にも、まだまだ沢山の作品が展示されています。作品や取組みと向き合うことで、多様な視点で気づきや、考え方が変わるような、そんな体験をできる展示になっていました。
イメージアーカイブ・ラボの取組みに置き換えて考えてみる
今回、わたしたちが展開するイメージアーカイブ・ラボの取組みを頭に浮かべながら展覧会を回りました。
アート、名画をもとにして個人クリエイターが行う二次創作も、ゴミうんち展と同じように、「循環」というものを提供することができているのかもしれない。クリエイターは、何かしらのテーマ(名画)を選び出し、個々のテーマと向かい合い、作者や作品、時代背景などの情報を調べ、自分なりに解釈し、発想し、新たな作品を作り出す。
その作り出した作品は、また誰かの創作の源となり、循環し、そしてまた新たなクリエイションへとつながっていく、世界にはそういう循環も・・・!と考えを巡らせながら順路を歩いていると会場内各所に設置されている、角尾舞と田上亜希乃による、うんちにまつわるうんちく、「うんち句」が。
「いつの日かきみもわたしもゴミうんち」
自分自身もいつの日か・・・と、大変考えさせられる「うんち句」を受け取り、改めて企画展全体から、自分自身に対する新しい生き方や、創造の在り方を問われながら、会場を後にするのでありました。
最後にイメージアーカイブ・ラボのコラボ企画の紹介で終わりたいと思います。
minne ART MUSEUM モネとの出会い
印象派を代表する画家「クロード・モネ」の絵画をもとにして、クリエイターにより創作されたコラボ作品の特集ページがご覧いただけます。絵画をもとにクリエイターの手により、循環して新たな命が吹き込まれた、多彩な作品の数々をお楽しみください!
本日はここらへんにて。朝晩と日中の寒暖差が大きい時期ですので、みなさま体調にはお気をつけて!それでは、また次の記事でお会いしましょう。