「花束みたいな恋をした」を見て恋愛と結婚の違いを感じた
「花束みたいな恋をした」を観て、今までの邦画恋愛映画の中で一番心に残る作品なんじゃないかなと感じた。余韻が凄い。
私はそこそこ映画を見る方だけど、こんなに共感性を揺さぶる作品は最近だと珍しいんじゃないかな。
以下ネタバレ含むので、ご注意下さい。
「花束みたいな恋をした」は菅田将暉演じる麦と有村架純演じる絹の出会って恋に落ちて別れるまでの5年間を描いたものだ。
正直このストーリー性はあるあるではあるが、出会ってから別れるまでの過程に理想と現実がぎゅっと詰め込まれており、グサグサと胸をえぐってくる。
まず二人の出会い方があまりにも理想的で、本当にお似合いの素敵なカップルと感じた。趣味思考が瓜二つで、価値観も合うから、一緒にいて苦労することもなく、心の底から楽しいと感じている様子が、まさに理想的だった。
価値観の違いとか趣味が違うって別れる理由の一つだろうから、その障壁がないだけでもこんなに幸せなんだと驚いたし、羨ましかった。
すれ違い始めた背景に、仕事と好き(趣味)のどちらを優先するか、が様々な描写で描かれる。
・夜に仕事する麦とかつて二人が好きだったゲームを一人でする絹
・二人が好きだったサブカルを軽視し始める麦
・夢のないことばかり言っていた絹の母の言葉「仕事は責任(ニュアンス)」を自然と発する麦
・現実を見ようと一度は事務仕事についたけど、やはり理想を求めてイベント会社に転職する絹
などなど…
もうその一つ一つがお互いを理解できないきっかけになる。これらが言葉に表せられないほど、胸が痛くなる。
趣味思考や価値観が全く一緒だったが故に、考えが少しずつズレることで大きな溝になるものなんだ。
社会人になって別れる理由の一つって、社会人になって仕事という現実をどう捉えるか、好きなものを仕事にするか趣味(サブ)にするかの違いなのかな。
結婚と恋愛は本当に違うんだなと初めてこんなに痛感したかもしれない。
恋愛って好きなものが合うとか一緒にいて楽しいってことだけで、もう十分なんだろうな。
結婚は本当に現実的で見たくない部分をしっかりすり合わせなきゃいけない気がする。
お金、仕事観、両親の話、一人の時間の過ごし方、価値観が変わることへの理解とか。
これが想像以上に疲れるし、泣きたくなるくらい辛い時もある。(これはもう自分の話だけど…)
理想の恋人とやっと出会えて、瞬く間に恋が始まって、現実という大きな壁を乗り越えられずに儚くも付き合いを終えてしまった5年間が描かれていたと思う。
この二人の話がこんなに素敵で尊くて胸えぐられるものなのかと自分でも驚いている。
是非観て欲しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?