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第4話:米国の品目別非特恵原産地規則《繊維・繊維製品分野(HS第50類~第63類)》

(2021年3月、JASTPRO令和2年度 調査研究報告書『非特恵原産地規則 ~ 米国、EU及び我が国における主要製品分野に適用される非特恵原産地規則の概要と比較~』第3編第1章として公開。2022年1月2日、note に再掲。)

 日・米・EUの非特恵原産地規則の中で品目別規則を有するのはEUと米国のみです。そのうち、EUの品目別規則は法的拘束力のある附属書22-01とそうでない調和規則提案とに分かれます。一方米国は、NAFTAマーキング・ルールとして北米域内の貿易にのみ適用される表示用の規則とそれ以外の地域との貿易に適用される実質的変更に係る判例法とに分かれます。例外的に極めて簡素な規則を維持している我が国では、完全生産品に加え、原則としてHS項変更を伴う加工によって原産性を付与します。。

 繊維・繊維製品は、HS分類に従って第50類から第63類までの物品とすることが一般的ですが、米国では繊維を使用したバッグ等の製品の一部又は全部に繊維を使用した物品も繊維製品に含めます。商品学の常識からすると、バッグは構成素材の如何にかかわらずバッグとなるのでしょうが、米国では繊維分野のセンシティビティを反映したルール設定となっています。

 連邦規則集第19巻第102.0条(適用範囲)はメキシコ又はカナダから輸入される物品に係るNAFTAマーキング・ルールの適用範囲を規定していますが、繊維・繊維製品については例外とされ、メキシコ又はカナダから繊維・繊維製品が輸入されたとしても同ルールが適用されないことが明記されています。また、メキシコ又はカナダ以外の国から輸入される物品に対して適用される「実質的変更」の概念規定も繊維・繊維製品分野においては適用されず、制定法が適用されます。これらの根拠法令は、以下の合衆国法典及びその執行のための連邦規則です。

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