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特集:米国の原産国判断(その他の製品)

2024年5月2日更新

事例1:フィンランド製の原紙を中国で印刷し、米国で小売用のギフト包装用紙に加工する場合の原産国

N339156事案(参照番号等:2024年4月24日、MAR-2-48:OT:RR:NC:N5:130)

生産工程:原紙はすべてフィンランドで製造され、印刷は中国で行われる。フィンランドにおいてパルプが加工され、シート紙が製造され、原紙が仕上げられる。その後、軽量コート紙のマスターロールが中国に輸出され、グラビア印刷機で色やデザインが印刷される。マスターロールは中国でトリミングされることもある。マスターロールの重量は約60グラム/平方メートルで、米国への輸入後、裁断され、巻き取られ、小売用包装が行われる。

実質的変更判断:連邦規則集第134.1条(b) は、「原産国」とは、米国に搬入される外国原産の物品の製造、生産又は生育国を意味すると規定している。他国を連邦規則集第134条が意味する「原産国」とするためには、当該他国において物品に加えられた更なる作業又は材料が実質的な変更をもたらさなければならない。実質的変更は、「変更が必要であり、他と区別できる名称、特性又は用途を有する新たな、かつ、異なる物品が出現しなければならない」ことを求める (Anheuser-Busch Brewing Association v. United States, 207 U.S. 556, 28 S. Ct 204 (1908))。したがって、原産国を決定するためには、どこで素材の実質的変更が行われたかを判断しなければならない。

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