第3話 USMCA(新NAFTA)協定の2020年7月1日発効
(2020年6月16日、第43話として公開。2021年12月15日、note に再掲.。)
報道によりますと、米国通商代表部(USTR)は、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定であるUSMCA(米国・メキシコ・カナダ)協定が2020年7月1日に発効すると米国議会に通知しています(4月24日付、ロイター)。2018年11月30日に署名された協定条文は、2019年12月10日にメキシコシティーでの修正議定書により部分的に改正されていますが、原産地規則に関連する修正は、第4章(原産地規則)の附属書4‐B(品目別原産地規則)の付録(自動車用産品の品目別原産地規則に関連する規定)における、
● 第4-B. 第6条(鉄鋼及びアルミニウム)に脚注74を新設、
● 第4-B. 第8.2条(a)の脚注82の文末に文章を追加、及び
● 第4-B. 第9条1の文章の最後にピリオドを追加
の3点のみとなっており、基本的なテキストの変更はありません。
発効を半月後に控え、北米に生産拠点を有し、域外から材料を調達している企業の実務者のお役に立てればと思い、全体をコンパクトにまとめた総集編を作成しました(詳細な報道・分析記事が出されている自動車関連製品は除きます。)。また、条文構成が類似しているTPP11との比較を容易にするため、文末に「USMCA協定とTPP11の原産地関連条文(仮訳)の構成比較表」を作成しましたのでご参照ください。
本稿においては、【 】書きで解説を付すのは各章の冒頭及び必要と思われる条文に限定し、また、条文の翻訳については要旨の記載を原則とし、重要と思われる条文についてのみ全文を訳出するようにしました。また、条文数も多くなることから、メリハリをつけるために筆者の責任において特に注意すべき部分を強調するために太字で記載しています。なお、協定条文の翻訳は筆者の仮訳であり、解釈についても筆者の個人的見解であることを予めお断りしておきます。
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