検証 WTO非特恵原産地規則調和作業
本稿の基となる原稿は、2016年12月から2020年4月までの約3年半、40回にわたってJASTPROウェブサイトに連載された。JASTPROの正式な調査研究報告書として執筆されたものではなかったので、JASTPROが組織として長期間保存する文書には分類されない。しかしながら、膨大な人的資源を投入にながらも幻に終わったWTO調和非特恵原産地規則の策定過程に関する詳細な記録を調和作業の事務局、交渉者として直接に関与した筆者が書き残し、公開資料として将来に残することは、筆者の義務と考える。
今般、note に筆者の著作を公開することとなった機会に、JASTPROウェブサイトに公開した原稿の意見にわたる部分を中心に加筆、修文して改訂版として掲載する。本稿に興味を示された方々は、大学で教鞭を取られている方、中央省庁で原産地規則を担当されている方、実務家でも相当深く原産地規則を研究されている方に限られていたので、読者層を考慮して「実務者向け原産地規則講座」に掲載する次第である。
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実務者向け原産地規則講座
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2025年は「トランプ2.0の世界における原産地規則」を中心に連載します。このマガジンは、日本の二国間貿易のみならず、第三国間のFTAの活…
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