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会社の第9期を振り返って

noteを始めてから毎月更新を目標に続けてきましたが、先月は少しお休みをいただきました。ちょうど会社の決算期で、いろいろと忙しくしていたからです。弊社今村不動産は6月から節目となる10期目がスタートしています。会社経営をしていると、年末よりも毎期の決算で1年を振り返ることが多いように思います。

おかげさまで、2024年5月期(第9期)も無事に営業目標を達成することができ、創業から9年連続増収となりました。簡単ですが、忘備録として1年を振り返ってみようと思います。

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期首の利益目標を半期で達成!

第9期の期初目標として掲げていた数値目標は

売上高35億、粗利益8.8億、営業利益4.3億、経常利益3.7億

この達成を目指して活動を続けてきました。毎月、四半期、そして1年と目標達成率とそこに向けた改善を行っていくわけですが、第9期に関しては上半期で期初の営業利益、経常利益目標をほぼ達成することができました。第2四半期を終えた時点での数値は

売上高20億、粗利益5.8億、営業利益4億、経常利益3.8億

要因は様々ありますが、第8期に積極的な投資・仕入れができたことで十分な在庫を積み上げた状態から第9期をスタートできたこと、その予定通り販売を行えたことにあります。順調な資金調達をもとに、少しずつですがひとつのプロジェクトあたりの開発規模を拡大できたことも売上高の拡大につながりました。実際に第8期は100坪程度の家族葬会館などの開発が多かったのですが、第9期は500~600坪のドラッグストアや量販店の開発が多くなりました。

さらに、営業利益率が上半期時点では29%程度になっていることもポイントです。単純な比較はできませんが、一般的に不動産ディベロッパーの営業利益率は10~15%程度が多く、あるデータでは大手総合ディベロッパー8社の平均が17.4%で、そこよりも高い結果となりました。当初期首の想定利益率は20%程度を見込んでいましたが、それを大きく上回ることができたんです。

参照)https://archi-book.com/news/detail/384#:~:text

上半期で営業利益・経常利益目標を達成できるとは正直思っていませんでしたが、嬉しい誤算でした。その結果を踏まえて、上半期を終えた時点で目標の上方修正を行うことを決めました。再設定した数値目標は

売上高50億、粗利益11億、営業利益6.5億、経常利益5.9億

これに対して第9期の決算は

売上高43億、粗利益11億、営業利益5.8億、経常利益5.3億

あたりで最終着地し、経常利益も過去最高を達成できる見込みになっています。期末時点での在庫も十分に積み上がっていて、第10期も良いスタートを切れそうです。

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楽観視できない、これからが重要な局面


結果だけ見ると、期首目標を大きく上回る形で決算を迎えられたわけですが、この先の見通しが明るいかと言えば必ずしもそうではありません。もちろん、全社方針のもと現場と連携しながら戦略的に物件を売買・開発できた1年だったとは実感していますが、不動産の市況が業績を後押ししてくれていたのも事実です。長く続くマイナス金利で投資マインドも活性化されていましたし、我々にとっても資金調達をしやすい環境がここ数年続いてきました。不動産の地価自体も右肩上がりが続いていました。

ところが、ご承知の通り2016年からずっと続きてきたマイナス金利政策が、今年3月ついに解除されることになりました。それから3ヶ月、住宅ローンはもちろん僕たちの調達金利も少しずつ高くなってきていますし、これからは適正な金利へと上がっていくでしょう。さらに、建築資材の高騰もいまだに冷める気配はありませんし、4月からの働き方改革などの制度変更や人件費の高騰、不動産業界にとっては難しい時代になっていくことは容易に想像できます。

逆に言えばそんな環境の変化こそ、企業としての価値が試される局面だとも思っています。市況変化に応じて、どう企業として経営の舵を取っていくか。第9期で経常利益を期首目標より大幅に積むことができたことは、この先の会社にとって大きなアドバンテージになったと思います。

また、不動産業界にとって避けられないのが天災などのリスクです。縁起でもありませんが、首都直下型地震や南海トラフ地震などが万が一発生すれば、当然のことながら出口の不動産価格は下がりますし、想定していた事業計画が崩れるのは目に見えています。そういった面で、考えすぎても仕方はありませんが、いかに純利益を出しながら内部留保を高めてリスクをどう分散回避していくかは10期以降の経営の大きなテーマだと考えています。

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人員規模も少しずつ拡大した第9期

スタッフの人数が増えたことも、営業数字以外の第9期のトピックスのひとつです。営業職と事務職で合計3名増えたことで、12名体制となりました。第10期がスタートして1ヶ月、7月からさらに1名増員の予定です。ただ、以前のnoteでも書いていましたが、無闇やたらと人を増やして規模拡大路線をとろうとは考えていなくて。案件規模の拡大や営業の業務量が増えたことで、サポートしてもらうための事務補佐を採用する。そんなふうに必要なポジションを埋めるために、今後も採用活動は続けていく予定です。

決算を迎え、第10期は人数が増えてきたことで組織管理を強化するためのマネジメント職の採用や、人数に応じた組織体制の見直しを図るタイミングかなと考えています。3年前に事務所移転拡張をしたところですが、もしかしたら10期でまた事務所を移転するかもしれません。笑。

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金融機関との連携強化と関東圏への進出

その他にも、東京をはじめとした関東圏での物件開発を本格的に始動できたのは大きかったですね。事業用不動産の取得開発は基本的には金融機関の融資を受けて行います。2022年9月の東京支社設立後、2件目までは既存の付き合いのある関西圏の金融機関の融資をもとに進めていましたが、今期取得した3件目の物件開発から同じく関東圏の金融機関(千葉銀行)からの融資をもとに進めることができました。

内容としても、同じく2022年(第8期)からの新しい取り組みとして事業化を進めていたOMI=オーダーメイド不動産開発事業の用地取得だったので、2年をかけて会社の経営戦略として取り組んできたものが成果としてひとつの形になったのは第10期に向けた弾みにもなりましたし、OMI事業の木造ハイツの開発も積極的に推し進めていきたいと思える出来事でした。

大手資本やメガバンクを除いて、不動産開発とそれにともなう融資は地域に根差していることが多く、関東圏で実績のない僕たちがいきなり融資を掛け合っても断られるケースがほとんどです。それを1年以上かけながら地道に決算説明に回り、やっと初めて取引いただくことができました。これは今後、関東圏の金融機関とのネットワークを構築していくうえで大きな一歩だと思っています。

振り返るといろいろあった9期

いざ1年をあらためて振り返ると、いろいろとトピックスがあった9期だったように思います。会社設立から9年が経過し、いまのところは中長期の計画通り順調に進んでいますが、第10期以降は大きな市況変化が必ず起こると思っています。

これまでの実績に慢心せず、時代の波を読みながら今期も邁進していきたいと思います。次回は第10期の目標についてまとめます!


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