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【読書感想文】村雲菜月「コレクターズ・ハイ」
ネットニュースか何かで取り上げられていて、気になり電子書籍で購入しました。読書する時間があまりとれなかったのですが、少しずつ読み進め読了することができました。
私はこれから読もうとしている人向けに感想を書くのでネタバレはできるだけ避けます。
「推し」に人生を捧げること。
その素晴らしい幸福の背後にある搾取の闇や、理性を失い暴走が加速していく衝撃的なラストに共感&恐怖が止まらない!
なにゅなにゅオタクの私、クレーンゲームオタクの森本さん、髪オタク美容師の品田。その愛は一方通行だったはずなのに、気がつけば歪んだトライアングルから抜け出せなくなっていて……。
執着の暴走に恐怖する、衝撃の群像新人文学賞受賞第1作。
私もオタクなので共感する部分が多く楽しめました。
しかしこの本の本質は「あるある」ではなく「依存」、「異常さ」にあるように思えます。それは共感すればするほど、うっすら脳裏によぎっている闇みたいなものに触れている。この本はその何とも言えない不気味さ、居心地の悪さを表現されていました。
普段本を読まない人でも題材が刺されば読みやすそうで、本特有の読了感を味わえる作品ではないでしょうか。