酒の神が鎮まる地での酒造り【GUITO】
いまでやオリジナル日本酒頒布会「GUITO(グイット)」。第三弾のご紹介は、奈良県桜井市にある「今西酒造」です。
山に眠る、お酒の神様
奈良県桜井市三輪。
今西酒造はこの地で、350年以上前から酒造りをしています。
みなさん、この三輪の地が、実はお酒の歴史と深~い関係があることをご存知でしょうか。
遡ること西暦720年。
日本書紀にこの地と酒にまつわる記述が残っていることから、三輪は古くから酒造り発祥の地・酒の聖地と伝えられています。
「三輪山」に酒の神が宿るとされ、麓には日本最古の神社「大神(おおみわ)神社」があります。
この神社がお酒の神様を祀っているのですが、本殿はありません。
社に神が宿るのではなく、「三輪山」そのものが御神体なのです。
昔から三輪山は「三諸山」と呼ばれ、「うま酒みむろの山」と称されてきました。
「みむろ(実醪)」とは、すなわち「酒のもと」の意味で、 酒の神様としての信仰からの呼び名です。
三輪山は杉の木に覆われた山。杉に神様が宿るとされていることから、酒蔵の軒先に吊るされている「杉玉」の発祥の地でもあります。
そのことから、今西酒造では銘柄に『三諸杉』『みむろ杉』と名付け、今日に至っています。
大神神社のお膝元で今でも酒造りをしている蔵元として、現存する唯一の蔵です。
清く、正しい、酒造り
今西酒造では「清く、正しい、酒造り」という醸造コンセプトの元、妥協せず全行程ひと手間ふた手間かけ、徹底した品質重視の酒造りを行っています。
蔵内は神社のような厳かさを意識。
効率よりも一つ一つの工程でいかにこだわるかを常に考え醸されています。
仕込み水は蔵内の井戸から湧き出る三輪山の伏流水を使用。
水質はやや軟水で、やわらかい口当たりです。
三輪山は健康の神様としても信仰をされていることから、三輪山の伏流水は「飲めば万病に効く」ともいわれているそう。
なかでもお馴染み『みむろ杉 ろまんシリーズ』は、「穏やかな香りとフレッシュでお米の旨味が広がるキレイなお酒」をコンセプトに造られています。
今回の造りの特徴は・・・?
GUITOにお申し込みいただいた皆様にお届けする第7弾のお酒は、
『みむろ杉 純米吟醸 山田錦 山乃かみ酵母』。
今回のお酒の最大の特長は、使われた「酵母」にあります!
この「山乃かみ酵母」は、なんと三輪山に咲く大神神社の御神花「ササユリ」から採取された花酵母です。
酵母は空気中にもたくさんありますが、その中からお酒造りに適したものを見つけるのは至難の技。
満天の星空から一粒の星屑を見つけるぐらい大変なことです。
そんな貴重な酵母が、酒の神が宿る三輪山で発見されるとは…なんともロマンチック。
そしてお米は、蔵から10分ほどのところにある契約農家さんが栽培した「山田錦」。
とても真面目で研究熱心な農家さんだそうで、山田錦の名産地、兵庫県の吉川地区に何度も足を運ぶなど、年々お米のクオリティがあがっているそう!
これは楽しみですね!
気になる味わいは・・・?
穏やかながら綺麗な果実の香りの奥に、わずかにヨーグルトの様な乳酸っぽい香り。
口に含むと、優しいお米の味わいに軽快な酸があり、ビターな余韻が心地よく広がります。
しっかりした重心がありつつも、酵母由来の酸を生かすためにアルコール度数を原酒で14度とし、軽やかな飲み口に仕上げています。
野生酵母ならではのグリーンなニュアンスが加わった、三輪の地を連想させる味わいです。
9号酵母を使用している定番品の「みむろ杉 純米吟醸 山田錦」と飲み比べると、酵母による味わいの違いがより明確にわかりますよ!
お酒を語る上で切っても切り離せない神聖な三輪の地で今も酒造りを行う唯一の蔵の、三輪の「水・酵母・米・技術」を集結させた、まさに「三輪を飲む」酒。
こちらのGUITOでの販売は残念ながらもう終わってしまいましたが、近いうちにこの「山乃かみ酵母」でまたお酒を造ってくれることを楽しみにしたいと思います。