DeNAのポケモンカードゲームにはトレード機能があり、DCGとしては革新的だ
1.はじめに
2024年2月28日、DeNAがポケモンカードゲームのスマートフォン版「Pokémon Trading Card Game Pocket」を年内に提供予定であるというニュースが報じられました。
これを受けて株価はストップ高、1株1520円になるもその後株価はさげていきました。
私は当初、ポケモンカードの情報を見てもDeNAの株はそれほど欲しいとは思いませんでした。
しかし、ストップ高の後の下げを受けて、情報を精査したところこれは大ヒットすると思うに至り、1000株購入しました。
株数が少ないのは雑魚投資家なのでご容赦ください。
本記事では、なぜ私がDeNAイケる!と思うに至ったのか、その理由について説明します。
※本記事では『DeNAの』と書いていますが、DeNAは開発に携わっているものの、販売は株式会社ポケモンが行う予定です(つまり単独開発・単独販売ではない)。
2.ポケモンカードがない状況でのDeNAはただの衰退企業であり、まったく期待できなかった
こちらをご覧ください。DeNAの2024年3月期の決算資料です。

これを見てわかることは、控えめに言ってもヤバいということです。
ゲーム事業が本業なのに利益はどんどん縮小し赤字間近。
ライブストリーミング事業はようやく黒字転換も物足りたない。
ヘルスケア・メディカル部門は赤字幅拡大。
横浜ベイスターズがいまや稼ぎ頭という惨状です。
このIRだけ見ると、絶対に欲しくない銘柄です。
しかし、このひどいIRやゲーム株の難しさ(流行に大きく左右される)を差し引いても、DeNAのポケモンカードゲームには投資する価値があると判断しました。
それが、次に述べる革新性です。
3.DeNAのポケモンカードゲームの革新性、それはトレード機能があること
世の中には多数のデジタルカードゲームがあります。
ハースストーン、MTG、遊戯王、デュエルマスターズ、シャドウバースなど。
でも、これらはDCG(デジタルカードゲーム)であって、DTCG(デジタルトレーディングカードゲーム)ではないのです。
たくさん課金しても、そのゲームをやめてしまったらそれで終わり。
残るものはありません。
これらのゲームへの課金は、純粋にそのゲームを遊ぶための課金でしかないのです。
これに対して、DeNAのポケモンカードゲームにはトレード機能があるのです。これは革新的なものです。
私はこれを見た瞬間に電流が走りました。

しかも、ただのトレードではありません。
次の場面を見てください。

これはカードを受け取った女性のシーンなのですが、彼女はバスの中です。しかも夜。
これに対して、カードを送った男性は昼間・それもカフェにいます。
つまり、時間も場所も違うところでカードのトレードができている。
そう、DeNAのポケモンカードゲームはネットを通じてオンラインでのトレードさえできる、まさしく、デジタル『トレーディング』カードゲームである可能性が高いのです。
もちろん、トレード機能はデメリットにもなり得ます。
カードがトレードできるということは、つまりは、ほしいカードをゲットするためにはわざわざDeNAで課金して買うんじゃなくて、トレードすればいいんじゃないのかということです。
そもそもトレード機能を実装するのは技術的に難しいことではないはずです。
なのに、なぜハースストーンなどの代表的カードゲームがトレード機能を実装しなかったのかというと、おそらくトレード機能によるデメリットを懸念したためでしょう。
もちろんこの判断は間違っているとは思えません。
しかしながら、ポケモンという世界最強クラスのIPを考えると、トレード機能を実装したのは大正解の判断であると私は考えました。
それを以下で説明していきます。
4.カードのトレードができる最大のメリット:カードに資産性が生まれること
まずはトレード機能実装の一般的なメリットから解説します。
これがなぜメリットになるかというと、見出しにあるとおり、カードに資産性が生まれるからです。
いままでのデジタルカードゲームのほとんどでは、どれだけレアなカードを持っていても他人にあげることはできませんでした。
うらやましいと思われることはあっても、レアカードを流通させることは不可能、つまりはどんなレアカードをもっていても自己満足の範疇を脱することはできませんでした。
でも、DeNAのポケモンカードゲームは違います。
超激レアカードを手に入れたら、それを他人にあげることができます。
対価はもちろん、原則はカードでしょうがお金を対価とすることも考えられます(当然、公式がRMT(リアルマネートレード)のシステムを用意することなどないでしょうから、仲介サイトなどを通じてやることになるでしょう)。
つまりは、デジタルカードが値付け可能な資産になる可能性が高いのです。
5.紙媒体のポケモンカードはなぜあんなに高額で転売されているのか、それは資産性がありマニアが大枚はたいても欲しがるから
デジタルではない、通常のポケモンカードはいま大人気・品薄状態が継続しています。
これはなぜでしょうか?
プレイ人口がなぜか飛躍的に増えた?
HAHAHA、そんなことはないdeショウ。
ポケモンカードがそもそも人気があることに加えて、資産性があることを知られたからです。
高額な値付けがされているカードを引ければ、それをそのまま売っても良いですし、もっと値段が高くなることを期待して保管しおいても良いです。
カードに資産性があるというのは、別に異常なことでもなんでもありません。
ファンはレアなカードや伝説的なカードが欲しくなるものです。
たとえば、MTG(マジック・ザ・ギャザリング)のブラックロータスというカードは数千万円で取引されることもありますし、アメリカではサイン入りのNFLカードが高額で取引されていて、1億円を超えて取引されるものもあります。
このように、マニアは自分が好きなもの、そしてレアなものにはとんでもない大金を出すのです。
最近発売されたものだと、ロードオブザリングの「一つの指輪」のカードが有名です。
これは、世界に一つしかないカードなのですが、なんと3億円という懸賞金がかけられました。
6.ポケモンという世界最強クラスのIPはデジタルカードに資産性を助長する
ここで注意してほしいことがあります。
なんでもかんでもカードのトレード機能を実装すればそれで良いということではありません。
不人気ゲームのデジタル資産に価値などありません。
これはsteamマーケットを見ればわかります。
steamでは、一部でのデジタルゲームのアイテムをユーザー同士で売買できるようになっていますが、まともな値段で売れるのは、カウンターストライク2のようなごくごく一部の人気ゲームのアイテムのみになっています。
しかしながら、ポケモンは日本では最強、世界でも最強クラスのIPです(さすがにディズニーには勝てませんので世界最強とまでは言えませんが)。
そもそも、紙媒体のほうのポケモンカードゲームは既に世界的な人気でカードに資産性があります。
→これをそっくりそのままというわけではありませんが、デジタル化するわけなので資産化の点ではかなり高い勝算があります。
7.レアカードがマニアの心をくすぐる→紙媒体のほうのポケモンカードには10BOXに1枚の封入率のカードもある
いくらトレード可能だといっても、レアカードがあるかないかで話は大きく変わります。
簡単に手に入る程度のカードしかなければ、誰も欲しがりません。
重要なのは、なかなか当たらないけど、大枚をはたいても欲しいというレアカードがあるかどうかです。
たとえば、入手するためには理論上5万円分のパックを買わなければならないカードがあったとします。
このカードが1万円出せばトレードできるとします。
そうすると、このカードだけが欲しい人なら、パックを買うよりもトレードしたほうが安いということでトレードを選択するでしょう。
これがカードに資産性があるということです。
これを見ると、「え、トレードで安く入手できるのであればパック買わない方がお得=カードパックが買われないのでDeNAの儲けに繋がらないどころかむしろマイナスじゃないの」と思う方もいるでしょう。
いえいえ、そうではないのです。
5万円分のパックを買った際に、この1万円のカードが出ることもあれば、別の数千円のカードも出ることもあるでしょうし、1万円のカードが複数出るかもしれませんし、あるいは10万円のカードが出ることもあり得ます。
こういったギャンブル性がカードパックの購入意欲につながるのです。
そして、このようなカードの価格は、カードのレアリティ(供給の少なさ)と需要によって決定されるのです。
多様なレアリティ(そして極めてレアなカード)を用意しているポケカはマニア心をくすぐるものであると言えます(もちろん、このレアリティをそのままスマホ版に導入するかは不透明なので注意してください)。
8.ポケモンカードゲームのスマホ版は英語を含む9か国語でリリース予定→世界中が市場になる
カードに資産性が生まれると言っても、正直、日本だけの展開であればまったく期待がもてませんでした。
これに対して、英語を含むという事であれば当然、投資大好きな国民を抱えるアメリカでの展開も期待できます。
アメリカ人は投資が大好きです。
先述したNFLカード、MTGなどのカードの価値もアメリカ人が投資するからこそ高額な値付けがされているものと考えられます。
アメリカ人がポケモンカードゲーム(スマホ版)について投資対象だと考えれば莫大なマネーが流れ込むのではないでしょうか。
9.ポケカがコケる可能性ももちろんあるので注意(これが外れるとDeNAは・・・)
ここまでポジティブなことを書きましたが、DeNAのポケモンカードゲームは必ずしも成功を約束されたものであるとは言い切れません。
カードゲームのカードが資産性を産むためには、そもそもそのゲームが人気でなければいけないからです。
人気がないデジタルゲームのカードの資産性などないに等しいです。
そして、デジタルカードゲームというもの自体が現在かなりのレッドオーシャンになっています。
いくらトレードが可能だといってもゲームとしての人気を集めることが出来なければそこまでです。
そして、ポケカがコケてしまったらDeNAはかなり危機的状況に陥ると予測されます。
そうなっちゃったら株価も・・・。
私はイケると考えて株を買いましたが、リスクはそれなりにあります。
この記事を見て、よし、DeNAの株を買おうとなった人はその前にリスクを許容できるかも考えてください。
10.まとめ
以上が私がポケカに期待してDeNA株を買った根拠となります。
では、最後に簡単にまとめです。
・DeNAのポケモンカードゲームはDCG(デジタルカードゲーム)なのにトレード機能を実装するのが革新的
・トレード可能=デジタルカードが資産化できる(お金で売買できる)可能性がある
・紙媒体のほうのポケカはすでに資産化できており、大人気となっている
・ポケモンという世界的IPであること、投資大好きアメリカ人を巻き込める可能性があることを考えると、大ヒットする可能性が高いと判断した
・デジタルカードの資産性はゲームの人気によって左右される。人気のないゲームのデジタル資産などゴミのようなものなのでリスクあり、注意
・この記事を見てDeNAの株を買いたいなーと思った人は注意。私は1388円で取得しましたが、今の株価(2024/3/18時点で1490円)はちょっと高いなと感じており、買い増しには消極的です