【優待生活】飲食の株はくっそ難しいので株主優待目的で買うのは怖いよというお話【桐谷さん】
1.株主優待生活の桐谷さん?俺も知ってる!
株をやってる皆さんは『桐谷さん』という名前を聞いたことがない人はあまりいないのではないですか。
将棋の元プロ棋士で、株主優待を駆使して生活を送るというユニークな投資をされている方です。
詳しく知りたい方は「桐谷広人」で検索してみてください。
桐谷さんはすごい人です、でもね、桐谷さんにあこがれて優待株に手を出すのはやめたほうがいいです。
人間に必要な『衣・食・住』のうち、株主優待でまかなえそうなのは『衣』と『食』ですが、『衣』は節約しようと思えばいくらでも節約できるのに対し、『食』は節約するにも限度がありますし支出もバカになりません。
優待生活を夢見る人の多くは『食』を株主優待でまかないたいと思うでしょう。
でもね、飲食関係の株ってめちゃくちゃ難しいですよ。
以下では例をあげてみてみましょう。
2.小僧寿しのケース
いまの若い人は知らないでしょうが、35以上の人は小僧寿しと聞くと懐かしいと思うでしょう。
持ち帰り寿司で一世を風靡した昭和の巨人です。
1979年には、年商531億円で外食産業日本一となったそうです。
でも、冒頭にも書きましたが今の若い人たちは小僧寿しなんてほとんど知らないでしょう。
それもそのはず。
いま、寿司を買って家で食べたいなーと思ったら、スーパーで買う、すし屋で持ち帰りを頼む、あるいはウーバーや出前館などでデリバリーしてもらうのが主流です。
残念ながら持ち帰りずしはこういった激しい競争に晒された結果、2000店余りあったという店舗もいまや直営店71店、フランチャイズ115店の185店に減ってしまいました(2024年2月26日の小僧寿しのウェブサイトより)。
経営状況はどうかというと、2010年12月期から4年連続の最終赤字、2015年12月期に一時的に営業黒字になったもののそこからまたもや4年連続の赤字、2020年12月期に黒字転換するも2021年12月期からまたもや3年連続の赤字とかなり悲惨な状態になっています。
ちなみに、5年に1回黒字計上しているようなので、次は2025年12月期に黒字になったりするのかなと思ってます。
株価はいまどうなっているのかというと、19円です(2024年2月26日現在)。
1994年6月9日に上場来高値の3050円となったそうですから、上場来高値からはなんと約99.38%減となります。
チャート(2000年のものから)をみてみましょうか。
恐ろしいチャートですね。
よく上場維持できてるなと感心するほどです。
3.いきなり!ステーキのペッパーフードサービスのケース
ペッパーランチの従業員テロで大打撃をくらったあとに、いきなり!ステーキの大ヒットでこれまた一世を風靡したペッパーフードサービスはどうなっったでしょうか。
2007年、ペッパーランチの店長と店員が客の女性を監禁・強姦するというとんでもない事件が起き、株価はストップ安、その後は株価も100円をきる状態で推移していました。
ところが、2013年12月、銀座で「いきなり!ステーキ」を開店。
皆さんご存じのとおり、これが大ヒットしました。
テレビにも取り上げられ、全国展開をし飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
株価はなんと2017年10月30日には上場来高値の8,230円をつけました。2008年10月10日に上場来安値の54.2円でしたので、この時に買っていればなんと約151倍になっていました。
最近ではNVIDIAの株価がすごいと話題ですが、ジャパニーズドリームも負けてはいません。
しかしながら、これまた皆様もご存じのように失速。
2024年2月27日現在の株価は129円と、大ヒット前の株価に戻ってしまいました。
4.飲食には流行り廃りがある
飲食業界、とくに外食産業には残念ながら流行り廃りがあります。
どれだけ勢いのある事業を作っても、飽きられていきます。
飽きを超えて初めて一流の飲食業と言えるでしょうが、この飽きを超えられたのは、ハンバーガー(マクドナルド等)と牛丼屋(吉野家等)くらいでしょうか。
しかも、飽きられたあとの飲食はかなり悲惨な状態になり、赤字連発することが多いです。
優待目的でついつい欲しくなりますが高値でつかんだあとにいつの間にか無価値になっていることもあります。
国民食といえるほどに定着しているのであれば良いのですが、そうではない飲食の株はリスクが高めだと認識したほうが良いでしょう。
5.そもそも株主優待は廃止・縮小傾向にある
さらに株主優待にはデメリットもあります。
その一つは、外国人投資家にはなんのメリットもないところです。
近時の日本株は円安もあって外国人投資家によく買われています。
しかしながら、株主優待は日本人にしかメリットがありません。
つまり、優待で魅力的な株は外国人投資家にとっては魅力的にうつらず、むしろ、不公平感すらもたれかねないのです。
株主優待に力を入れていればいるほど、外国人投資家からの資金が入ってきづらいと認識したほうが良いです。
このような状況もあってか、そもそも株主優待そのものが廃止や縮小傾向にあります。
あなたのもってる株の株主優待もいつ廃止・縮小されてもおかしくありません。
優待目当てに買うなとまでは言いませんが、優待に釣られて甘い目算で買ってしまうと、のちのちに痛い目を見るかもしれませんよ。
6.おすすめの株主優待
ここまで株主優待をディスりまくりましたがすべての株主優待がファッキンごみとまでは言うつもりはありません。
株主優待にはやはり魅力があるものもありますのでそれを紹介します。
(1)家族が喜ぶ株主優待はおすすめ
家族との思い出というのはお金に変えられない価値があります。
たとえば家族が喜ぶ代表例ですと、ディズニーランドのチケットでしょう。
株主優待は口実にもなります。
ディズニーに行こうよと言うと、けっこう重い腰をあげなくてはいけません。でも、株主優待でチケットが送られてくれば、使わないと損ということで遊びに行きやすくなります。
今年もディズニーのチケットが来たから一緒に行こうよと家族を連れて遊びに行って毎年の思い出にしても良いですし、子どもが大きくなったらディズニーのチケットあげるから友達と行ってきたらと言ってあげることもできます。
ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは株主優待制度を設けています。
500株でワンデーパスポートを年1枚、さらに100株以上を3年以上保有しておけば年1枚もらえます。
https://www.olc.co.jp/ja/ir/benefit.html
お父さん、お母さんで、100株ずつオリエンタルランドの株を持っておくというのも良いでしょう。
ちなみに私がオリエンタルランドを推してる理由は、大株主の京成電鉄と三井不動産が売却するように圧力をかけられているからです。
オリエンタルランド株が大量に売られればお手頃価格で株を入手するチャンスです。
(2)家族がいてイオンをたくさん利用しているならイオンの株がおすすめ
イオンの株を100株持っていると、オーナーズカードがもらえます。
https://www.aeon.info/ir/stock/benefit/
3%キャッシュバックしてもらえるので年間100万円イオンに使っているならそれだけで3万円かえってきます。
イオンの株価は2024年2月27日現在3574円なので357,400円で3%キャッシュバックのカードが買えます。
これだけで年8%以上の配当が入ってきているのと同じなのでかなりお得です。
7.まとめ
・飲食業は流行り廃りが大きいので、流行っている株ほど危ない
・株主優待はそもそも、廃止・縮小傾向にあるので、いつ廃止・縮小されてもおかしくないので株主優待目当てで株を買うのは原則おすすめできない
・株主優待は家族イベントのきっかけにするのがおすすめ(代表例:ディズニー)
・イオンをたくさん利用してるならイオンの株はかなりおすすめ