40回職質されたクリエイターが実現するバーチャルならではの世界観
こんにちは!イマクリエイトエンジニアの坂元です。
イマクリエイトでは3Dモデルの作成やUXUIを主に担当しています。
イマクリエイト社員の自己紹介シリーズということで、個性豊かなメンバーの中でも一番のキャラが濃いメンバーとして知られてる私のエピソードをご紹介します。
40回職務質問されたクリエイター
私は屋内よりも屋外でVR、AR、MRなどのXR技術を探求することが大好きです。
休日は公園などでXRデバイスの一つMicrosoft HoloLensをかけて、時にパソコン片手に開発を行っています。
屋外での探求を始めたのは3年前、HoloLensと出会ったときからでした。
もともと自然の中が好きという事もあるのですが、「XR技術でライフハックや障害を抱える方、海外からの観光客などの役に立てることを考えたい。」その中で、自然と屋外でHoloLensをかけていました。
中学生A「VRだ!」
中学生B「やべぇ」
中学生C「リアルSAO(ソード・アート・オンライン)やん」
中学生D「(ちょっかい出そうとしたAに)やめろ、戦闘中かもしれん殺されるぞ」
外でHoloLensをかけていると、修学旅行中の中学生からこのような声が聞こえてきます。
そして、地域の平和と安全を守るパトロール中の警察の方には頭に変な装置をつけている人がいたら目立つもの。
私はXRと出会ってからこれまでの数年の間に、40回ほど街中でお巡りさんから職務質問を受けました。
危機感を感じた職質
別に悪いことをしているわけではないのですが、40回の職質の中で何度か「これはまずいかな…」と感じたことがあります。
・トランプ来日
2019年春、アメリカ合衆国のトランプ当時大統領が来日しました。
その日、東京駅でHoloLensを装備して歩いていました。
「そこのあなた、止まってください」
東京駅周辺は皇居があることもあり日頃から警官の方は多いのですが、東京駅周辺で声をかけられたことは初めてでした。
足を止めて振り返ると複数の警官の方が私に寄ってきました。
「ちょっと荷物検査させてください」
警官の方の言葉遣いや態度からヒリヒリとした空気を感じましたが、悪いことをしているわけではないので検査に応じました。
「ありがとうございました」
身に着けていたHoloLensも含めて検査を受け、それ自体はすぐに終わったのですが、警官の方は別の歩行者へと小走りで去っていき職質を始めたので、ただ事ではないとHoloLensをしまいゆっくりと周囲を見渡すと、多くの人が星条旗と日の丸の旗を振っていることでトランプ大統領が近くまで来ていることに気が付きました。
なんと、私が検査を受けた場所の丁度道路を挟んで向かい側の建物がトランプ大統領の宿泊するホテルだったようで、職質を受けたおかげで車越しのトランプ大統領を見ることができました。
この話を後日社長山本さんにしたところ、「アメリカだったら問答無用で撃ち殺されてるな(笑)」と言われました。
・四方から囲まれた職質
2019年の平成の終わりのある日
都内の公園でフィールドワークを行っていると「こんにちは!何されてるんですか?」と警官の方から声をかけられました。
フィールドワークに夢中になっていて気が付かなかったのですが、頭を上げると四方から数名の警官に囲まれていました。
いつも通り簡単にXRの魅力と何をしていたかを語ると「そうですか」とだけ言って去っていきました。
複数名に囲まれたことが初めてだったのでさすがに恐怖を覚え、周囲を見渡すと数十名、もしかしたら百名以上いたのかもしれませんがこれまでに見たことのない数の警官の方が展開していて、本格的に「これはただ事ではない」と感じました。
実はこの時、現上皇陛下の退位の儀式の一つで近くの施設を訪れていたようで、公園内の警戒度が最大になっていたようです。
さすがにこの日はフィールドワークを中断しました。
それでもなぜ外の世界を目指すのか?
一般的にはXRデバイスは屋内での使用を前提として開発・販売されており、屋外での使用は推奨されていません。
また、精密機械のため直射日光や気温、湿度など屋外は機材にダメージを与える可能性もあります。
それでも私は屋外の世界にXR魅力を感じています。
開発だけではなく、公園で行われていたイベントで飛び入り指揮をしたり、屋外だからこそ撮影できる動画を撮ったりと様々なことしてきました。
かつて町内に一つだった電話が、一家に一台…一人に一台…と普及していったように、私は近い将来一人一台XRグラスやコンタクトレンズなどのデバイスを持ち歩く時代が来ると思っています。
その時に広く使われる役立つアプリや、XRならではの使い方を考えたい。そのためにはまず、自分がXRデバイスを常に身に着けて生活すべきだ。
そのような思いで屋外の世界で開発をしています。
HoloLensとの出会い
私は小さいころから字を書くことが苦手で、小中高と紙とペンで授業を取ることに苦痛を感じていました。
数学のテストでは計算よりも証明問題の誤字脱字で減点され、漢字のテストはほぼ全滅、その中で「字が汚い」「書くのが遅い」と怒られ、勉強に対するモチベーションは学年を重ねるごとに落ちていました。
そのような高校生のある日、参加したセミナーで登壇された方が
「眼鏡やコンタクトレンズなどの道具をつかった矯正視力と同じ考え方で、デバイスを使ってネット上から情報をいかに早く集め、自身の脳で処理してデバイスでいかに早く入力するかという矯正知数という概念があって、それが認められる社会が来るのじゃないかな」
という事を話していて、その場ではALS(筋萎縮性側索硬化症=筋肉が動かせなくなる難病)の方が目線だけで物理の論文を書く事例などが紹介され、テクノロジーとその使い方に関して興味を持ちました。
それから大学へ入学し、パソコンを手にすると講義はすべてパソコンとスタイラスペンで取るようになりました。
今までとは違いすらすらと勉強ができ、そこで自分が勉強が苦手なように見えて、実は書くことが苦手だったという事に気が付きました。
今度は自分がテクノロジーを作りたい!
そうは思ってもプログラミングなんてしたことないし難しそうだし、そんな時、2017年のちょうど私が二十歳になる正月
「生活費には使ってはダメ、あんたの欲しいものに使いなさい」
当時WindowsとMacの違いすら知らなかった中、お祝いに祖母からもらったお金を使いMicrosoft HoloLensを買いました。
スマートフォンアプリやパソコンソフトは数多くの開発者がいて、日々開拓されていますが、
「XRはまだ未開拓でプログラミングができなくてもどのような事に使えそうかの調査や開拓は自分にもできそうだ」
そう思っていきなりHoloLensに手を出しました。
当時開発の知識無かったでのHoloLens自体で何ができるか?どう役に立てるだろうか?そのようなことを探しに外の世界への最初の一歩を踏み出しました。
屋外から出たアイデアやUX/UI
屋外で開発していると警察の方以外からも声をかけられることがあります。
「それ何見えるんですか?」、「VRですか?」と話しかけてくれた方にその場でデモを行うことがあります。
デモでは個人的に開発している機能やアプリを見せるのですが、その際の体験してくれた方がどこを見ていたか?どういう事を言っていたか?という点を意識しています。
開発を行っていると、どうしてもアプリケーションの使い勝手や見た目などのユーザー体験とインターフェース(UX/UI)が後回しになってしまうことがあります。
それはアプリの開発は機能を作ってから見た目を作るというためと、XRアプリのUX/UIというもののセオリーがまだ研究されていないという点があるためです。
私は屋外でデモを行うことで、一般の方のXRに関する知識や経験を調査するとともにXRのUX/UIの実験と研究を行っています。
この中でXRを初めて体験する方でも直感的に操作できるUIと何度も体験したくなるUXを追求しています。
ここで得た知見はイマクリエイトのプロジェクトでも活かされています。
イマクリエイトのUX/UI
イマクリエイトのゲーム『Groove Fit Kingdom!』では、遊び心を大切にしながらもストーリーのバックグラウンドを想像させるようなワールドを作りました。そしてちょっとした遊び要素を各所にちりばめています。
『Groove Fit Kingdom!』はイマクリエイトのリズムフィットネスゲームで、テニスやボクシング、体をそらすゲームなどリズムに合わせた体感型のゲームが遊べます。
『Groove Fit Kingdom!』を起動したときに一番最初に現れるタイトルシーンでは王国へ向かう道から始まります。
このステージは現在遊ぶことができるミニゲームのステージとつながりを感じさせるように作っています。
タイトルシーンを見渡すと森が見えます。実は、この森がミニゲーム『かえるボクシング』のステージになっています。
『かえるボクシング』のゲーム中に後ろを向くと、王国のシルエットを見ることができます。
そしてタイトルシーンをさらに見渡すと、背後に『リズムテニス』の海が広がっています。
『リズムテニス』のステージからも遠くに王国を見ることができます。
『Groove Fit Kingdom!』のステージは、最初派手なエフェクトやSF風の世界を考えていましたが、最終的にほかのステージとのつながりを感じさせることを意識して作成しました。
ゲーム内の世界をもっと広く、冒険ができるようなステージにしたい、誰もが遊べる世界観を考えた際に私の頭に浮かんだものが屋外で開発中の光景とデモの体験でした。
屋外で開発しているときに見える空や風、出会う人、それぞれ一期一会ですが、それらすべてが今の私につながっていることを考えたとき、一つ一つのゲームでつながりを持たせることを思いつきました。
屋外での経験が『Groove Fit Kingdom!』の世界を作りました。
公私ともに大切にしてくれるイマクリエイトの環境
イマクリエイトは仕事はもちろんですが、個性豊かなメンバー個人も大切にできる環境です。
私は休日のフィールドワークだけではなく、毎日学んだことを発信する『夜風のMixedReality』というブログを執筆しています。
好きだからこそできるブログではあるのですが、社内のメンバーから「毎日続けられることはスゴイ!」と応援してくれる環境が無ければモチベーションが続かなかったかもしれません。
定期的にチェックしてくれ、ブログ内で作成した機能やアイデアが社内で「これいいね!」と言われ、イマクリエイトのプロジェクトに応用することもありました。
2019年縁がありアメリカ合衆国シアトル郊外にあるMicrosoft社でHoloLensの生みの親Alex Kipmanさんにお会いすることができました。
その時に応援してくれたのが社長山本さんでした。
私のHoloLensに対する愛がチャンスを生み、アメリカに行けばHoloLensの開発されている方々に会えそうだという話が上がった時に、山本さんが「行ってくれば?」とその場で背中を押してくれたことで実現しました。
初めての海外一人旅でしたが、背中を押してくれたことと応援してくれたことに本当に感謝しています。
CTO川崎さんからも私の愛を応援していただいています。
「SF世界を現実にできるのはホロ氏(私の社内での愛称)かもしれない」
「ホロ氏のHoloLensに対する愛はやばい」
川崎さんから言われた言葉は私の闘志に火をつけました。新しいチャレンジを応援してくれる環境があります。
私は川崎さんからもけん玉に対する愛を感じています。
社内にはけん玉が数十本あり、けん玉好きなCTO川崎さん、けん玉チャンピオン久保田さんだけでなく誰もがいつでもけん玉を触れる環境があります。
今だからこそ言えるのですが、けん玉…と言われても最初は地味なものと思っていました。
しかし久保田さん、川崎さんの技を見て、地味なイメージのけん玉がすぐに崩れ去り、憧れに近いかっこよさを感じました。
久保田さんはけん玉愛からVRを始めたパフォーマー兼エンジニアです。
「かっこよいけど運動神経ない自分には無理だ」そんなことを少なからず感じていた私にけん玉の技を教えてくれ、けん玉を初めて1か月でけん玉検定2級を合格するくらいまでけん玉ができるようになりました。
私の誕生日にはけん玉をプレゼントしてくれ、出来ないができるに変わった時瞬間けん玉の熱が私に移りました。
イマクリエイトのトレーニング技術の原点はCTO川崎さんのけん玉愛にあります。
物理動作やキャラクターデザイン、ゴルフの経験、各メンバーの愛が組み合わさり一つの形になっています。
それぞれの個人の魅力を合わせてプロダクトに昇華させながら磨くことができる環境
イマクリエイトではチャレンジ精神を大切にして、大切にしてくれる環境があります。
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