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「コンテナをホストし、ホールドする」こと

今日は、南山大学人間関係研究センター主催の「第10回組織開発ラボラトリー②『コンテナをホストし、ホールドする』」に参加してきました。 カナダからクリス・コリガンさんとケイトリン・フロストさんが、講師として来てくださり、書籍「対話型組織開発」の第13章をベースに世界初のプログラムを提供してくださいました。

「コンテナって何?」
「ホストし、ホールドする?」
正直なところ、私の頭の中は「?」が飛び交う中での講座参加でした。

由緒ある南山大学人間関係研究センター主催ですので、怪しい類のものではありませんでした(笑)。 しかし、「アカデミックですね!」という感じでもなく、「クリスとケイトリンがコンサルとして実践していることを具体的かつ体験を交えて学ぶ」場だったと思います。 分野としては「組織開発」で、リーダーシップやファシリテーションの近傍にあるイメージです。

「コンテナって何?」に対する私なりの結論は、まだまだ言語化できていません。 書籍「対話型組織開発(第13章)」の中では、次のように書かれています。 結構難解です。

対話型OD実践者にとって「コンテナ(器や容器と言う意味)」とは、対話のツールとプロセスの結果であると同時に、それらのツールやプロセスを活用する空間も意味する。

今回の講座の冒頭で、クリスから「変容のためのコンテナには、目的に合わせた強度が必要だ」と言う説明があったり、「新しい何かを生み出すコンテナ」や全く容器ではない「コンテナ」を紹介してもらったりして、「組織開発で言うところのコンテナ」のイメージが湧きました。

また、参加者みんなで小さいワークを実践する中でも、「出会って輪になったことで生まれるコンテナ」を体験し、コンテナの中でお互いの経験をストーリーとして分かち合うことで、30分と言う短い時間であってもコンテナの質がぐんぐん変化していくことを体感しました。 でも、ズバッと一言で「コンテナ」を説明することは、私には難しいままです。

「ホストし、ホールドする?」の「ホールド」は、コンテナが安全でアイデア豊かであるために、「支える」とか「整える」と言うことなのかな、と私は捉えました。 そして、様々なことが起こり、場合によっては大変困難な状況になるコンテナをしっかりホールドするためには、ホスト(ファシリテーター)がバタバタしないこと、自分を偽らずに正直にあること、業界用語的に言えば「今ここにある(自分自身をホストする)」実践が大事なのです。

クリスとケイトリンは、惜しみなく「コンテナをホストし、ホールドする」ためのホスト(ファシリテーター)の在り方やコンテナをどのように形成し終わらせていくかについて、コンテナを設計する思想、ちょっとしたことだけど効果的な小技を教えてくれました。 いくつか印象に残っている言葉を列挙してみます。(私のメモベースなので間違っていたらゴメンナサイ)

▽ コンテナの目的とニーズを見つける → コンテナを安定させる
▽ 好奇心を持つこと
▽ お互いの違いを認め合うことが創造性を発揮することにつながる
▽ 多様性に耐えられる「強いコンテナ」をつくることが大切
▽ コンテナにはライフサイクルがある(終わりがある)
▽ 参加者が自己組織化した活動が出来るようになったら、コンテナの終わり
▽ 時間とスペース、これが十分にあれば全ての衝突は解決できる

今回、私自身が組織開発の視点から「コンテナをホストし、ホールドする」について感じた事、考えた事を書き出してみます。

○ 人が集まれば、コンテナは形成される
○ より創造性豊かなコンテナを作るなら、しっかりとした設計が重要
○ 「安全で、繋がりを感じられて、お互いに支え合う」=よいコンテナ
○ コンテナへの参加を制限すると、参加意識が高まることが多い
○ 均質な参加者のコンテナからは、イノベーションは起きない

今後、ワークショップを開催したり、研修で登壇する場合には、きちんとコンテナをホールドできるように、① 意図をもってコンテナを設計すること、② 参加者がコンテナに入る・出ることを意識する象徴的な何かを取り入れること、③ コンテナを始める・終わらせる(ライフサイクル)を意識することに、具体的に取り組んでいきます。

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いまここ探求家 にしもりまき
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