Megalomania Tokyo 4 ドデカフリバ 振り返り
クイズ王は、かっこいい。
『東大王』を観てクイズの世界に魅せられた当時小学5年生の私は、漠然とそう思っていた。
知らない国の綺麗なお城をレンガをちょっと見ただけで答えたり、地球儀が回っているだけなのに世界遺産を当てたりしているのは、まさに異次元の領域。
私にとって『東大王』は憧れの舞台だった。
そこから数年後、まさか自分がその舞台に立つなんて夢にも思っていなかったし、そのまた半年後に憧れの方々に「強すぎる」と言われるまでになるなんて想像すらしていなかった。
有り難くもあり、畏れ多くもあり。
未だに「そんなわけないやろ」と思っていたり。
目標と葛藤
今回の目標は3つ。
特に最後の「自分のことをクイズ王だと肯定できるような押しをする」が1番の課題である。
前回初めて参加した大会で、いきなり予選1位になってしまった私は、世間の認識と実際とのギャップに大変困惑していた。
初めての大会で憧れのクイズプレイヤーの方々から褒められるし、気軽に書いたnoteはバズるし、自身を「クイズ王」であると錯覚させてしまうぐらいにはとにかくベタ褒められていた。
私の容姿や競技クイズへの無知さに対する批判もそれなりにあったが、それは一旦置いておく。
しかし、私はそんなエグい人間ではないし、寧ろ心無い批判の方に共感するぐらいなのだ。
でも賞賛も批判も私の元に直接届いているということは、私の見えないところで、もっと私の評価が行われているということである。
めっちゃ怖い。
普段はクイズ番組を見ているだけで、競技クイズとはほぼ無縁の生活を送っているというのに。
でも一度結果を残したからには、それなりに勝たなければならない。
しっかりと戦略を練らなければ。
そしてそれなりに正解を積んで、少なくとも自分の中で「クイズ王である」と肯定できるようにならなければ。
そのためには2週間で、できることを全てやる。
それしかないし、それしかできない。
作戦と対策
私が参加した「Megalomania Tokyo ドデカフリバ」は、昨年の8月下旬に行われた「Megalomania Tokyo 4」の問題がそのまま出題されるというちょっと特殊な大会。
ここで私は「一昔前の人間になる」ことでかなり勝ちやすくなるのではないかと考えた。
具体的な対策としては、
普段から大会に出ているわけではないので、今の時事を追い続けなくてもそれなりにカバーが出来るだろうと考えてやってみたものの、これをやるだけでも結構時間がかかってしまった。
時事に絡んだ観光名所やドラマ、トレンドなどには『東大王』に出演が決まった際に作った対策ノートが大変役に立った。
収録が4月だったので、ドンピシャで対策しなければいけない時期の時事や観光名所のトピックがたくさん書いてあった。マジで東大王に勝つために頑張っていてよかった。
しかしドラマや映画、美術展の話題に関してはTBS系列の対策に特化していたため、色々新しくインプットする必要があった。東大王以外のテレビに出るための対策もしておいてほしかったな。
対策をしているときに、私が出るのは まだM-1で令和ロマンが優勝していない世界線のクイズ大会なんだと考えた。なんだかワクワクした。
時事の覚え直しは、お笑いから始めた。
迎えた当日
一昔前の人間になることを目標としていたのに、前日に欲に負けて『カラオケ行こ!』を観てしまった。あとCreepy Nutsの『Bling-Bang-Bang-Born』も聴いてしまった。
流行りって、たのし〜〜〜〜!
欲に敗北した私を待ち受けるのは、今月2回目の北葛西コミュニティ会館。もう場所は迷わない。
triangleは前払いシステムだったが、ドデカフリバは当日支払いシステム。
クイズ大会における お支払いのマナーが分からなかったので、名前と金額を書いた封筒に五百円玉を入れて持って行ったが、給食費システムではなく、バザーと同じノリのお支払い方法だった。
静かに封筒を破いて捨てた。またひとつ学んだということにしておこう。
今回は1人での参加。イスと長机を運びまくることにより、アウェー感を軽減。
triangleのときの〜と声をかけてくださる方もいらっしゃって、とても嬉しかった。
前述した通り、私はtriangle予選1位だ。
とても誇りに思っているし、間違いなくこれからの私のクイズ人生の歴史を彩り続ける大切な称号だ。
ただ、今の私にはテクニックと経験値が足りない。得意ジャンルの引き寄せ運がやたら強いだけ。
つまり、ほぼ全ての要素が足りない。
でも他者からの評価とか、プレッシャーとか、そんなものはクイズの前では捨てなければならない。
自分は自分だし、今自分が戦うべき相手はSNSではなく3人のクイズプレイヤーだ。
やるっきゃない!
良い正解と良くない誤答
結論から言うと、結構押し勝てた!!!!
ファーストラウンドから凄すぎる面々と対戦することになってしまい、対戦表が公開されたときからかなり焦っていたけれど、まさかの1抜け!
3coinsで見た「サウナイキタイ」や、大好きなサンリオ問題「バッドばつ丸」など、趣味ジャンルが多くて助かった。
サンリオはキャラクター大賞を中心に張っていたので、予想外の角度からの出題ではあったけれどそれでも正解できてよかった。
でも特に嬉しかったのはこの問題。
これはtriangleのときに私が「モン・サン・ミシェル」と誤答した問題だ。悔しすぎてノートに書いていたので聖ヴィ/で押せた。
メガロマ4の抽選に落ちたことが本当に悲しかったけれど、Triangleに参加した今の自分じゃないと分からなかった問題だ。しかもこの後triangleでスルーを後悔していた「明智光秀」も正解できたので、計2問反省の成果が出ているということ。
大会を通して確実に成長できているという実感が、そこにあった。喜びすぎて長机にヒザをぶつけた。痛みは、しばらくあった。
「牛角」で勝ち抜け、人生初のストレート勝ちを経験し、夢のような気分だった。
対戦表を見るたびに絶望したけれど、最初の調子の良さで、なんとか終わりまでメンタルを保つことができた。
あと、ずっと夢だったクイズ王っぽい正解もできた。
おそらくさっぽろテレビ塔だけど札幌市時計台の可能性が捨てきれない(立地に詳しくない)。
でも答えが後者(時計台)だと元々演舞場だった〜みたいな情報の方が先に来そうだし、「立ち」という表現はおそらく塔のことを指しているだろう。→さっぽろテレビ塔
というように、構文まで考えて正解を導き出せた。
クイズプレイヤーの当たり前にできていることができない私にとって、爆速で押して5秒間のシンキングタイムを有効活用して正解できたことに超テンションが上がった。
ギリギリを攻めてよかった。
ただ、その後調子に乗って回答を飛ばした。
しかも得意ジャンルの絵画問題。
前フリの「江戸雀」→菱川師宣
で普段だったら絶対にいけるはずなのに、脳内の菱川師宣が速水もこみちに変換されてしまい、大パニック。
今思うと何も合ってない。マジで速水もこみちって何。もこみちに罪はないのにもこみちが嫌いになりそうだった。もこみちも師宣もごめん。
普段だったら絶対に攻めない「高輪ゲートウェイ」でなんとか巻き返せたものの、このラウンドでは【くすんだ緑色】と【紅茶】だけで予想で「ルピシア」と誤答したりと結構ヒヤヒヤすることが多かったので、反省。
初心者ではあるけれど、良くない誤答は減らしていきたいところだ。
正直「モン・サン・ミシェル」は後で調べても押したポイント的にギリ許せる誤答だったのだが、「ルピシア」は問題文に【百貨店】というワードが入っていたのに押したので、あまりにも勝負しすぎだと思った。なんならルピシアはゴリゴリ日本企業らしい。かなり反省した。
でもまだ心は折れていなかったので、その後のラウンドは結構正解できた。
k-popの対策は友人に頼りっぱなしだった。
唐突に「2023年上半期のk-popのトレンドを教えてくれ」と2024年1月に言ってくる私をどのように思っていたのかは分からないが、推しグルであるNewJeansの布教を中心に、メンバーやデビューシングルなどの情報を結構しっかりめに教えてくれた。
私の人生の足りないところを友人が補ってくれたのだ。その上で正解できたことが、もう、本当に嬉しくて、このときばかりは「エモい」と思った。
全体を通して、今回は人から教えてもらった知識でなんとかなったかなという印象。歴史総合の毒のあるレジュメやボカロオタクの友達のトークも、クイズをする上ではこの上ない武器になる。
これからも楽しく知識を吸収していきたい。
敗者審判
ドデカフリバの中でかなり楽しかったこととして挙げられるのが、敗者審判だ。
事前に配られた問題のデータを元に正誤判定をするというお仕事なのだが、これが超楽しい。
問題を見た上でどこで押すのかをハラハラしながら見守り、「もう一回」などの判定を機械音痴の私の代わりにパソコン操作をしてくださっている先輩クイズプレイヤーの方と行う。
正誤判定をするのが初めてだったので、楽しいとは言ったものの、私の仕事ぶりは お仕事というよりもキッザニア状態で、なんならキッゾ剥奪ぐらいのへなちょこぶり。
ペアの方には本当に申し訳ないことをしてしまった。
クイズにおいて、問題の合う合わないはかなりある。
同じ大会なのにも関わらず、敗者審判を担当したラウンドの問題のあまりの難しさにびっくりした。知らない単語ばかりなのだ。
おそらく私は知っているジャンルと知らないジャンルの差がかなり開いているタイプなのだろう。
でもその分からない問題群でも目まぐるしく正解が積まれていて、すごい以外の感想がなかった。
「もう一回」の判定をすぐに出せる方も、判定を受けたあとに正解を導き出せる方も本当にすごい。まず押すのが早い。そこからの解答も判定も早い。
判定をすぐに出せるということは、問題もポイントも回答の真意も理解できているということ。「惜しい」は意外と難しい。すごすぎる。
プレイヤーではないのに正解が自分ごとのように嬉しくて、誤答がとても悔しい。
この体験を通して、よりクイズの魅力に触れることができたと思う。
決勝
決勝ラウンドが始まる前に、関東と関西のクイズは傾向が結構違うことを教えていただいた。クイズ人口に差があるとしても傾向まで違うのか!とびっくりした。
同じラウンドでクイズをした同年代の強いクイズプレイヤーの方に「どうしてそんなに早く押せるのか」と伺った際に、それが所謂ベタ問だったのを教えていただいたときと同じぐらいの衝撃だった。(あまりにも早すぎて「これが早押しか〜」と放心状態だったので、よく出題されると聞いて逆に安心した。早さを極めるタイプの問題だったらしい。にしても早かったけど。)
決勝ラウンドは まさに異次元。圧巻だった。
みなさん落ち着いているし、早い。
知識量と経験値が桁違いなのがすぐに分かる押しだった。
すごいとしか言いようがない、とにかくすごい試合。
あそこまで来ればもう全員一位で良いのではないかと思うぐらい全員強かった。
取る問題のジャンルに偏りがないのすごい。
あの面白い問題群であの押しができたら超楽しいんだろうな〜ああなりたい〜!!!!
観ていてとても楽しい、良い試合でした。
ありがとうございました。お疲れ様でした。
総括
改めて「私は競技クイズに関する知識が全く無いんだなぁ」と思った。
私が楽しかったイベントして挙げた敗者審判も、皆さんの慣れ具合的にクイ研に所属していたら必ず行う作業なのだろう。
はしゃいでるの私しか居なかったしきっとそう。
この世界に足を踏み入れたばかりの私でも知っているような物凄く強いクイズプレイヤーの方々に「強いですね」と言っていただけたり、自分自身の伸び代を感じられたりして、本当に楽しい1日だった。
帰り際に「これからも楽しくクイズをしてください」と声をかけてくださった方がいた。
すごく、沁みた。クイズって、自分が思っているよりも気楽に楽しんでいいものなのかもしれない。
クイズはやればやるほど、憧れと目標と課題が増える。クイズを通して見る世界が、こんなにも新鮮で面白いと思わなかった。
これからもクイズに触れて、楽しく生きていこうと決めた。
クイズといえば、私にはうっかり名前を貸してしまった 文化祭のオカルトクイズ大会の企画が、もうすぐそこに待ち構えている。
3択クイズがベースの大会なので正誤判定は楽だが、鬼顧問役なのにオカルトにあまり詳しくないというのはお話にならないので、ちょっと頑張らなければならない。
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