居心地のよいジャイアントルームとは?
(記録:居間 theater 東)
ジャイアントルームを飲食のできる食堂空間に仕立てる。
それと同時に、過ごしやすい雰囲気を考える。
居心地のよいジャイアントルームとはいったいどんな形だろう?
3月の準備段階
3月のリサーチにて。
美術館の閉館後に、空間を使ってどのように設えるか試しに検討。
美術館にある什器を使って、できるだけ「食堂っぽい」配置を考える。
テーブルは同じ方向に向かって均等に並んでいる方が、大学食堂などの雰囲気に近いのでないか。
八戸市美術館は白とグレー、そしてカーテンの薄いグレーを基調としたスタイリッシュな空間なので、食堂に寄せようとすると過度な演出(昭和の花柄のテーブルマット、醤油さし、など….?)が必要なのではないか、などとも話し合う。
またジャイアント食堂はさまざまなコンテンツをもつ場所を目指すので、ステージやカラオケコーナーなどの配置も検討する。
ジャイアントルームは可変性をもつ空間。
今回はとにかく色々なスペースを作って、使い方を試させてもらうことにする。
通常期のジャイアントルームにはテーブルや椅子、ベンチが設置されていて、来館者は自由に過ごすことができる。
その一方、お子さんがいる美術館スタッフのお友達からは、「子どもがいられるスペースがもう少しあれば行きやすいかも...」という声もあるそうだ。
そのため、今回は小さいお子さんが床で座ったり、遊べるスペースも作ることに。
近くの市役所に行った時に見つけたキッズコーナーを借りられないか、美術館スタッフのYさんを通して聞いてもらうことになった。(イベントは土曜日で市役所庁舎が閉まっているので、その日だけ借りられないかと考えた。)
他にも、一部だけカーテンで空間を区切って休憩ゾーンを作る案なども。
大まかに想定し、6月に備えることに。
6月の準備で修正
6月の下準備で再度八戸を訪れる。
このときには、床にマットが敷かれていて座れるスペースがあったので、
遠慮なく靴を脱いで座らせてもらう宮武と東。
集めの座布団(クッション)に座って作業していると、心なしか気楽に作業ができた。(地べたが好きなだけかもしれない。)
床に座ると、さらに天井の高さをより感じた。小さい子どもや赤ちゃんにはこの空間がどう見えるのだろう….。もしかしてものすごくジャイアントに感じるのだろうか。
ジャイアント食堂は8時〜21時と1日中オープンするイベント。
出入り自由で、1日気楽に過ごせる空間というのは一体どういうものだろうか。
3月の時点でイメージしていた醤油さしのような小物は、改めて考えると今回はコスプレっぽい感じになって逆効果かもしれないという話も出る。
ジャイアントルームに日常的に足を運んでもらうきっかけとしてもイベントが機能してほしいことと考えると、
ジャイアント食堂で醤油さしのある世界だったのに、その後、醤油さしのない世界線になるのは、あまり意味が分からない気がする。
コスプレに寄りすぎるよりも、普段からジャイアントルームのなかにあるもので空間を作って、そのまま「いつでも利用できるジャイアントルーム」になっていくほうがいいのではないか、などと話し合う。
区役所には区役所の作法が、カフェにはカフェの作法がある。
出来る限りその場の普段のふるまいに則って作品を作ってきたが、
ジャイアントルームは出来事や目的によって変化する空間としてつくられている。
そうなると、ジャイアントルームの作法やふるまいとはなんだろう?
作法やふるまいが一定ではない、ということが、作法なのだろうか???
(とりあえず醤油さしではない……気がする)
前回検討していた休憩ゾーンには自作のジャイアントルームの紹介映像を流すことにしたので、カーテンで空間を区切るのではなく、ブラックキューブを使用することに。
ここは床もカーペットになっているので、休憩するにはぴったりだ。
(ちなみに本来は映像の展示室であって、休憩スペースではない…)
昼寝すらできるようなのんびり空間にしようと考える。
食堂に来るお客さんが居心地がよく、ステージなども楽しめるように。のんびり飲食もできるように。
ジャイアント食堂は、居心地の良さも目指したい。
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