デパートで買い物を
(居間 theater 東)
三春屋の閉店
八戸の中心街にはデパート・百貨店が複数ある(あった)。
同じ通りに並ぶ、さくら野、三春屋、それとファッションビルのチーノ。
3月のリサーチに訪れた際に、三春屋は閉店セールを行なっていた。
なんでも、2022年の3月頭に急にお知らせが出て、4月10日に閉店するとのことで、
われわれが訪れた時には、すでに閉店セールが始まっていた。
もともとは3月末に改装オープンする予定だったそうで、地元の人たちも驚いたという。
閉店セールの三春屋に入ると、さまざまな店舗に掲げられた〇〇%オフのセールの文字。
場所によってはすでに撤収が完了していると思われるところも少なくない。
最上階には、ゲームセンターと飲食店。
太鼓の達人をやったり、子どもがゲームをしている様子を見たりしているうちに、地元民でないながらも、なんだか寂しくなってしまった。
地元の中学校や高校の制服を取り扱っている店などもあった。こういった店が閉店してしまった場合、学生服などの販売はどうなっていくのだろう。
催事などに使われていたのではないかと思える空間。(もともと空いていたスペースなのかもしれないが)閉店の情報を踏まえてみるとより切ない。
三春屋はその後、予定通り4月10日に閉店。1970年の開店から、52年目のことだった。
もともと、八戸の最初の百貨店「丸美屋」を買収し引き継いでできたのが三春屋だったようだ。かつての丸美屋の屋上には、子ども向けの遊技場もあったと、「八戸・三戸今昔写真帖」には書いてある。
並びにあるチーノ 9月末で閉店
三春屋の斜め向かいあたりにあるのが商業ビルのチーノ(チーノ八戸)。
ここにも入ってみる。
1980年にイトーヨーカ堂としてオープンし、2003年にチーノとなったこのビル。
6階に上がってみる。すると、婦人服のお店を見つけた。
普段着などの奥には、ドレスや衣装のような商品がずらり….。
物色していると、店員のお姉さんがあらゆる服を勧めてくれた。
しかも、もともとお手頃価格なのに、何故かめっちゃ値引きをしてくれる。お姉さんの采配で値引きができる自由システムなのだろうか…..。
3月といえど寒いので、それぞれマフラーやセーターやコートなどを買った。
とにかく安かった。
ハロウィン用の衣装や、社交ダンスの衣装、夜のお店のお姉さん方むけのドレスなど、多様な品揃えだ。また来よう。
チーノは三春屋の百貨店感とはまた異なり、地元の商業ビルとしての親近感や懐かしさを感じる。われわれも中学生くらいのころ、それぞれの地元のこういう雰囲気のビルで服などを買っていた。
しかし、なんとチーノも2022年9月末でテナント退去が決まっているという。
映画館であるフォーラム八戸を除き、テナントは9月末で撤退見込み。
東京の不動産会社による再開発が行われる予定で、分譲マンション・複合商業施設になる説が浮上しているとのこと。
フォーラム八戸は中心街唯一の映画館。
われわれがチーノに訪れた日も、5階の映画館には人がたくさん向かっていた。
なんと市民が出資してつくられた映画館なのだ。
しかし現時点では、今後どうなるかは未定らしい。新しい商業施設ができるのならば、そのまま入るといいのだけれど….。
テナント撤退となると、6階の洋服屋もいなくなってしまうということだろうか。
あの値引きしてくれたお姉さんは、どこに行くのだろう。
閉店前に、もう一度訪れよう。
さくら野
三春屋と並ぶ八戸中心街の百貨店、「さくら野」。
八戸だけでなく、青森、弘前、北上に構える、青森の地元百貨店だ。
1968年に丸光八戸店として開店し、変遷をへてさくら野百貨店八戸店になったという。
地下には食品・惣菜・お土産など、いわゆる百貨店の地下街で、
化粧品、洋服、雑貨など、ザ・百貨店の趣き。
セリアも入っていて便利。
そして三春屋に入っていた店舗のいくつかは、さくら野に移転しているらしい。なるほど、そうやってテナントは移動して生き残っていくのか…。
中心街の街路整備の準備も始まっているそうで、市民の勉強会なども行われているそうだ。
大通りはさくら野、はっちやマチニワなど大型の建物が並び、チェーン店のカフェなども複数あり、落ち着いて過ごしやすい雰囲気も感じたけれど、それはわれわれが他所からやってきて見た印象にすぎない。
八戸の中心街は再開発の最中にあるようだ。