大分で湯っくり文豪気取り(初日)【行こ行こ#3】
今回は初めてリアルタイム投稿に挑戦しようかなと思います。それから…結構切ってますが、長いです!
初日
いつものラウンジから
今日はこれから人生初めての、九州は大分への旅です。東京は快晴。絶好の旅行日和です。
今回の旅のテーマは「文豪気取り」です。
仕掛かり原稿が溜まっている事と、企画書を書き上げたいという気持ちがありました。
その為、気分や環境をガラリと変えて、書きまくろうという算段です。
ディレクターという商売柄、作品を仕上げる為には「誰かの力を借り」なければなりません。その為の企画書は肝要です。
企画書を書くことは、幾つかの明確な利点があります。
自分の構想を相手に伝える
意図やスタート、ゴールを明確に示せる
参考資料やイメージをまとめておける
企画書を書きながら自分の考えがまとまる
こんな感じです。
とりわけ④は大切ですね。
口頭ですとどうしてもまとまらなかったり、誤って伝わったりしますし、自分の意思や意図がズレないように固定して置くことは大切だと考えています。
しかも私は複数プロジェクトを同時に進めているので、どうしても手が回らなくなります。
そんな時には企画書を振り返って、「この作品の芯は何か」を顧みたりするのです。
さあて、どんな事が起こるのでしょうか?
あるいは起こらないでしょうか?
私は無事、文豪を気取れるのでしょうか?
飛行機の出発時刻が近づきます。
本日も羽田は大混雑
さて、12:10になり3番登場口から飛行機は滑走路へ向かいます。
海上のD滑走路へ到着すると、窓の外には飛行機の渋滞が。
羽田空港は1日で、1300回も離発着する世界有数の大人気空港です。
管制塔からの的確な指示の下、安全でスムーズな運行が行われています。
驚きなのが、上図の4機離陸待ちしている状態から。
4機目(つまり私が乗った便)が地面を離れるまで…。
わずか4分でした!
なんたる早業。
素晴らしい仕事ぶりに舌を巻きつつ、飛行機は時速650km/hで目的地に向かって駆けてゆきます。
ようこそ日本一の温泉県へ
大分空港へ降り立つと、最初に目に飛び込んできた看板があります。
日本一の
おんせん県おおいた♨️
味力も満載
これは聞き捨てなりません。
私は生まれも育ちも上州は群馬県。
群馬県には草津温泉という、湯の自然噴出量日本一の温泉地があります。
その量は毎分32,300リットル以上、1日にドラム缶約23万本分もの温泉が湧き出しています。
人気ランキングも常に1位周辺をキープしていると聞きます。
…これは…。
大分が日本一を名乗るからには、余程の自信があるに違いありません。
その自信の源泉を突き止めたいと思いました。
お前はダリだ?
空港からバスで約1時間かけて大分駅の到着しました。飛行機から降りて直ぐに出発したので、非常にスムーズでした。
さてと!
ホテルのチェックインには、ちと早いし、晩飯にじゃもっと早い。
朝食も昼食も食べ逃したので、腹は減っている。
大分はフグが有名という噂は聞いていたので、店を探しながら街を散策です。
全国の博物館や美術館館を巡る事も、私の旅の必須項目です。大分市にはOPAMという県立美術館があるようなので、そちら方面へ向かうことにしました。
キョロキョロと店を眺めたり、神社で土地の神様に挨拶したりと、気ままに散策しいると。
大分県立美術館OPAM到着しました。
中に入ると、何やら私を睨みつけている視線を感じます。
ダリだ。
そうです。サルバドール・ダリ。
シュルレアリズムの巨匠です。
どうやらダリ展を開催している模様。
うーむ🤔
腹は減っているし、時間がある訳じゃない。
そもそも今回は執筆の旅。
「ダリ見てる場合じゃないな。」
はいはい、いつか見よう、どっかの美術館でさ。
…見ようかな…。せっかくだし。
「いつか行こうに今日行こう」であるならば
「いつか見ようを今見よう」でありましょう。
定食屋への道
ダリ展を堪能した私は、少し焦っていました。
(ダリ展の内容は作品撮影禁止の為割愛)
異端の芸術家の人生に想いを馳せている内に夕方になってしまいました。
夜になれば🐡ふぐの店が開くでしょうが、それまでには時間があります。夕食まで我慢しても良いのですが、旅先での1食は貴重です。
港の方に、刺身ととり天の両方を食べられる昔ながらの定食屋さんがあると聞きました。
これは行かねばなるまいと思ったのですが、バスですと交通の便が良くなさそう。
でも歩くには3km弱あって遠い。
こんな時は那覇でも使ったレンタル自転車の出番です。
ネットで予約すると美術館横のステーションから漕ぎ出しました。
自転車ですと、あっという間です。
YouTubeで見た定食屋さんに着きました。
なんでも新鮮な刺身と名物のとり天の定食があるとの事。
早速名物であり、お店の名前でもある「葉竹定食」注文すると。
「ごめんねぇ〜今日はお刺身切れてて…。」
ガーーーン
こっこれは…大分初めての飯が!
さりとて街に戻るのは遠い、この近くはこの店以外に何もなさそう。
少し迷った末に、大分名物である「とり天」定食を注文。
おや?これは旨いぞ!
和え物も味噌汁も凄く味がいい!
なんと言っても、とり天ってこんな旨味豊かだったんだぁ。
つけダレはポン酢のように酸味が効いていて、揚げ物の重たさを相殺してくれているようだ。
昨晩から何も食べていないのも手伝って、あっという間に完食し店を出ました。
さすがはYouTubeで紹介されるだけはあるなぁ、と感心しつつ頭は既にやる食べるであろう「ふぐ」の事でいっぱいになっていた。
街へ帰るペダルも軽く、日が暮れてゆきました。
ふぐは喰いたし命は惜しし
その昔、昭和天皇がどうしてもフグが食べたくて侍従長と意見が合わなかたと言う逸話を聞いた事があります。
「ふぐは喰いたし命は惜しし」の言葉通り、ふぐにはテトロドドキシンという強力な毒があり、当たれば助かる方法はありません。
侍従長が心配するのも、やむを得ないのかも知れません。
そんな命を賭けてまで食べるふぐですが、果たして美味しいのでしょうか?
実は私はまともにふぐを食べた事がありません。
しかも冬は白子の季節でもあるようです。
これは食べねばです。
更に更に、大分県だけで食べられるふぐの幻の部位があるそうなのです!
白子が食べられるお店を予約して(人気店は全部満席でした)いざ出陣です。
ふぐは高価な食べ物です。
今回は清水の舞台から飛び降りる気持ちで、白子を含むコースを注文しました!
これは怖いです。
ふぐ毒もさることながらお会計が怖い。
ネットの情報ですが、このお店はお手頃価格で、ふぐを提供しているということでした。
それではここから、まるのすけが食べたいふぐの数々をご覧ください!
皮の和え物
これだけで日本酒が進みそうな一品。歯応えも心地よい。
ふぐの刺身
やはりふぐ料理と言えは、ふぐ刺しですよね。
ネギや紅葉おろしと一緒に食べます。
そしてここで噂の食材がやってきますの
それが…
そう。大分でしか食べられない食材。
それはふぐの肝です。
「ッテトロ…」と思わず口に出してしまいそうな気持ちになるドドキシンねぇ。
なぜ食べられるかを店員さんに聞いても
口を濁して教えてくれないので、質問は野暮のようですよ!
肝心の刺身の味ですが、旨い!
歯応えしっかり、味は噛むほどに出てくる。
よくいう「ポン酢味」では無く、しっかり「これがふぐの味だよー!」と分かります。
ネギや紅葉おろしで味に変化をつけて楽しみます。
そしていよいよ、肝です。
とろり…。
うまぁ…。
肝というだけあって油のような滑らかさ、でも臭みやクセはなく、濃厚な味わい。
これを淡白な身と一緒に食べると、旨みがブーストします!
ふぐの塩焼き
骨についた身を炙って塩をかけただけのシンプルなもの。これは焼きたてだからなのか、かじると淡白なのにギュッギュと噛み応えもあって、うまうまなのです。
ふぐの唐揚げ
グルメ漫画の金字塔「美味しんぼ」で
「世界で1番旨い唐揚げ」は「ふぐの唐揚げ」である。
と主人公が言っていたので、ハードルが天高く上がった状態で食べました。
プシュ〜!(旨味のエキスが飛び出す)
うまいいい
確かにこれは美味い。
淡白ながら旨みが強い身と、油の相性が絶妙なのでしょう。
他の白身魚と明らかに違う方向性のおいしさです。
ずっと食べたかったんだよコレが!
ふぐ鍋
信じられないですが、まだまだあるのです。
末恐ろしいコースです。
鍋です。
大食漢の私ですら相当に満腹ですよ。
口の中の上側を火傷しながらハフハフ頬張ります。
中にはふぐの口なんてありました。
ゼラチン質のようなトロッとした食感です。
ふぐの白子
「焼きたてですのですぐにお召し上がりください」
この忠告は絶対守ったほうがいいです。
もの凄く美味です!
コレはね、優勝です。
温かい白子から、旨味の洪水が口の中に広がり、しばらく口の中に滞在した後に去っていきます。
クリーミーなのにしつこくない。
これも驚きです。
冬の短い時期しか食べられない白子。
こりゃ名物になる筈だわ。
雑炊
もういい加減にしろって思うでしょ?
私だって思っていますよ!
こんなにいっぱいあるとは…。
先ほどのとり天がまだ胃袋をウロウロしているのに、ふぐが大群で押し寄せてきたんです。
もう何品食べたか分かりませんが、腹がパンパンになりました。
こんなに量があるなら昭和天皇に分けてあげたい気持ちです。
天空の湯船
憧れのふぐを腹いっぱい食べ、夜風を浴びて宿へ帰る途中。風呂に入りたい気持ちになりました。
サウナ情報サイト「サウナイキタイ」でも高評価の「CITY SPA てんくう」に立ち寄りました。
なんでも屋上の露天風呂は、別府湾を見渡せる眺望だそうです。
これは行かない訳にいきませんね。
これについて語ろうと思うと随分長くなるのでポイントだけ。
ミストサウナが熱々で最高
水風呂が冷たくて整いやすい
屋上露天風呂は絶景
インフィニティチェアで整う
実にバランスの良い構成です。
さーて、あとは宿へ帰って寝るだけ😴です。
迷子の相棒
安いホテルにチェクインしました。簡易宿泊施設なので壁が完全に仕切られているわけではありません。
鍵もかかりません。
だいぶ大雑把な宿ですが、屋根と寝床さえあれば上等です。
普段はカプセルホテルなので、立ち上がれるだけで感動ものです。
さて、iPadを充電して休もうかなー。
え……?
あれ?私のiPadは?
…無い。
iPadはいくら探してみても見つかりません。
いや…、飛行機まではあったよな?
あれ最近買ったばかりで、しかも相当高いんだよんあなぁんんぁん!
ちょっと、我を見失いました。
iPadはいつも作業している、いわば相棒です。
本当に私の附属パーツのように、いつも側にいる存在、それを無くしたです。
それを無くしたのです。(2回言った)
値段もそうですがデータです。
書きかけの原稿や、保存していない画像もあります。
ああああああ…。
なんて間抜けなんでしょう。今まで絶対に忘れなかったのに。
シグナル
いつまでも落ち込んでいてはいけません。
iPadを探さなくては。
私はiPhoneから「探す」アプリをたちあげました。
探すアプリは例えWi-FiやSIMが無くても、デバイスの位置情報を調べられるのです。
祈るような気持ちでアプリを開くと…
ああ!ある!
昼間行った港の方面だ!
しかも36分前に信号を出しているということは、無事の公算が高い!
ふむふむ。あのエリアは行ったのはとり天食べた定食屋さんだけだ!きっとあの優しい店員さんが保護してくれているの違いない!
パッと時計を見ると23時半。
流石に真夜中過ぎて電話するのは非常識なので、明日の朝電話すれば良い。
そう思うとひと安心です。
今夜はぐっすり寝て、全ては明日リカバリーすれば良いのです。
私は少し不便に思いながらも、安心して眠りにつきました。
続きはまた次回。
まあ結果から言うと「あの定食屋に僕のiPadは無い」んですけどね。
では一体何故、海辺でシグナルを発信していたのでしょうか?
その謎は明日の記事で。
つづく
↓続きはこちら
記事:まるのすけ
「いつか行こうに今日行こう」シリーズはマガジンにまとめてあります。