つまらない映画
午前一時。
働きはじめ、一日の流れがわかるようになった。
起きて、食べ、座り、食べ、座り、食べ、浴び、寝る。
時間があっても、結局座っているだけだ。
休日も。
起きて、食べ、 食べ、 食べ、 浴び、寝る。
休みというただの空箱の中にいる。
明日も、明後日も、しあさっても、何年も、何十年も、そして、死んでいく。
毎日、クライマックスのない映画を何十周もみるような。
僕はヒーローでもなく、とっぴつするほどの悪もなく、特殊な力もなく、大したことない嫌なことが頭にこびりつくほど暇で、どこにも行かず座っている。
この映画を20000回以上みて、生を終えるのは、面白くないのは確かだけど。
困ったな。なにか、面白くないってのとは全く違うもののせいで、動けないと思ってしまう。
でも、この映画は大人気みたいだ。
みんな見ている。
面白そうと思い込もう、と目をかっぴらいて。わかっているのに。乾いて、涙が滲む気もする。
そうであることと、そうであると思うことの決定的な差は、自分の中で認めざるを得なかった。
自分の隣にいる自分を見て、やはりただ座っている。
君もそうだろう。
そうやってまた、僕は言い訳を始めるんだ。
イラスト:ノーコピーライトガール、さん
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