【ポーカー】マカオ遠征忘備録
はじめまして。私は1年ほど前にポーカーを始めた者で、ポーカーをする時はima(いま)と名乗っています。
普段はサラリーマンをしていて趣味としてポーカーを始めたのですがポーカーの世界にすっかり夢中になってしまいました。自信をもって言えますが好きなだけで間違いなく下手くそです。
ライブポーカーデビューがいきなり大会で、ポーカーを初めて3か月が経った頃には海外デビューを果たしていました。初の海外遠征が非常に印象に残ったこともあってその後も台湾、フィリピン、ベトナムと何カ国か訪れ海外の大会に参戦してきました。
このnoteはそんな私が無謀にも(本当に無謀にも)今年の6月、ライブポーカーデビューから1年がちょっと過ぎたぐらいの時期にマカオでキャッシュをした時の忘備録です。日記のようなものですが今後初めてマカオへ行くという方にとって何か参考になったなら幸いです。
先に結果を
日程は3泊4日でマカオに滞在したのは概ね3日間、プレイしたのはパリジャンの50/100HKDで結果から先に書くと2日ほどプレイして50bbちょっとプラスにすることができました。日本円で10万円とちょっとなので3泊4日の宿泊費、フライト代が浮いた形です。
「3泊4日しかいなかったのに全部経費に消えたの?」と思ったそこのあなた、マカオに行ったことがありますね?そうです、贅沢し過ぎました。
私は何も知らずに移動手段はおそらく他の選択肢がある中で一番高いマカオ航空を、宿泊場所は5つ星ホテルが並ぶコタイ側にあるホテルを選びました。フライト代はHIS経由で往復48,000円ほど、ホテルはBooking.com経由で同じく48,000円ほどでした。この下にあるリンクのホテルです。
実をいうと元々は中止になってしまったWPT Macauに参加するつもりで遠征を決めたのですが、その際「まあこれが最初で最後になるんだろうな」ということで特に何も考えず一番良さそうなホテルとフライトを取った結果こんなことになってしまいました。
マカオへはまたいつの日か行きたいと思っているのでその時はもう少し経費を抑えられるよう検討してみたいと思います。
空港からホテル(カジノ)まで
マカオまでは行きは片道4時間、帰りは3時間半でした。偏西風?の影響で日本から西側へ行く時は帰りのフライト時間がちょっと短くなるのが良いですよね。
マカオ国際空港は本当に「人を積んで下ろすためだけの場所」といった体でした。入国審査は特に何も聞かれることなくあっさり通過、荷物は預けていなかったのでそのまま到着ロビーのある1階に降りて、右に曲がってまっすぐ進むとベネチアンやパリジャンといった各ホテルへの無料送迎バスが泊まるバスターミナルがあります。ホテルがベネチアンの近くにあったのでベネチアン行きのバスに乗りました。揺られることおよそ5分。
ちなみに6月のマカオですが、梅雨時だから涼しい…なんて要素は全くなく非常に暑いです。真夏日そのものです。スマホを見たら32℃と出ていましたが体感ではもう1~2℃暑かった気がします。
しかし建物の中に入ると今度は「節電なんて知ったこっちゃねえ」と言わんばかりにガンガン冷房が効いていて(体感24℃)中と外の温度差が凄まじいことになっています。フライトの疲れもあったのか初日は見事に体調を崩しましたが、たっぷり眠ることで何とか戦線復帰しました。
あと現地での通信回線ですがいつも通りKKday経由でeSimを確保しようとしたところ古いiPhoneだとマカオではeSimが使えないんですね。どういうことなんだろう。ということでAmazonで見つけた使い捨てsimを購入して利用しました。4日間とも特に問題なく使うことができました。
ベネチアンから宿泊先のブロードウェイホテルは徒歩5分ほど、と踏んでいたのですが意外にも遠く10分ほどかかりました。
「マカオは狭いのだし、徒歩で十分移動できるだろう」と踏んでいたのですがもちろんそんなことはありません。この後もどこへ行くにしても汗だくになりながら歩き回る羽目になります。一人旅で本当に良かった。
マカオでのあれこれ
宿泊したブロードウェイホテルは4つ星ホテルで、一応カジノホテルということで1Fには小さなカジノがありました(ガラガラでした)。ホテルのすぐ隣にはコンビニもあり、レストラン街もすぐ傍にあるため食べるところには困らないと思います。お隣のギャラクシーホテルに行けばフードコートもありますし。
事前に聞いていた通りマカオでは香港ドルが普通に使えます。コンビニではクレジットカードが使えなかったため香港ドルで払ったのですがお釣りは香港ドルの時もあればマカオパタカ(MOP)の時もありました。
もしブロードウェイホテルに泊まる方がおられるようでしたら、近くにある「松花湖水餃」というレストランをおすすめします。ここの水餃子は嘘偽りなく人生で食べた中で一番おいしい水餃子でした。水餃子はいくつか種類がありますが一番ポピュラーなPork & Chinese Cabbage(豚肉と白菜)が本当におススメです。ここで飲んだマカオビールも本当に料理と合って美味しかったのですが最後まで他の場所で見かけませんでした。日本では売っていないのかな。
プレイを振り返って
肝心のポーカーですが、冒頭に書いた通りパリジャンで2日・およそ11時間プレイして結果としてはプラスにすることができました。なおいくつかのカジノを出入りしてみたのですがポーカールームがあるのは、私が見た限りでは以下の3箇所でした。レートはいずれも50/100HKDからです。
・パリジャン(テーブルが一番多く賑わっていました)
・ウィンマカオ
・MGMコタイ
パリジャンのポーカールームは朝早くから賑わっていて午前8時過ぎの時点で50/100が4卓立っていました。なおパリジャンは40bbからバイインできます。私は最低レートでもいっぱいいっぱいな人間なので朝から稼働できるのは嬉しい限りなのですがハイレートが立つのはきっと午後、夜からなのでしょうね。
プレイするにあたって、私よりもずっと経験豊富な方から以下のアドバイスを受けました。以下の4点がそのアドバイスです。
①3Betが飛んで来たらバランスなんて考えずに半端な手はとにかく降りた方がいい。
②リバーのオールインは基本バリューのみでブラフは無い。
③(混雑時?)突然テーブルでのレートを変えられることがあるから注意。
④絶対リンプするマンが大量に生息している。リンプからのバックレイズが飛んできたらめちゃくちゃ強いので基本はフォールドした方が良い。
③についてはおそらく混雑してきたら高レートのウェイティング解消のため低レートのテーブルを潰していくのでしょう。私は朝早くからプレイして昼過ぎには撤退していたので50/100プレイヤーの人権をはく奪されることはありませんでした。
①②については多分その通りで実際相手のガチガチなハンドに抵抗するためいつもなら参加するハンドのうちかなりのハンドをオープンレンジやコールレンジから削っていきました。参加したのはAJo+、ATs+、88+、一部のスーテッドコネクター(T9s、98s、87s)ぐらいでしょうか。
④については確かにリンパーはいましたけどフィリピン(マニラ)ほどではなかったです。リンプイン、コール、コール、コール、コール…フロップで誰かがベット、フォールド、フォールド、フォールド…みたいな光景はそれほどなく、リンパー達に対して容赦なく5bb以上のレイズを返していくアグレッシブな人が何人かいました。私もリンプに対して7bbの3betをぶちかまして細かい小銭(1回5000円~)を集めていました。
ただそこから更にバックレイズが飛んできたら基本はAK+、QQ+しかないと思った方が良さそうです。私が観測していた限りではそうでした。
一つだけ印象に残ったプレイを紹介します。
私(UTG)がAAで300オープン、その時は5人が付いてきてフロップ6Wayになりました。フロップTTJrで「誰かT持っているのかな?勘弁してくれよ」と思いながらポット1800に対して1100の大きいベット。大きく打ちすぎたと今では反省しています。1人、2人、3人…とスナップ気味にフォールドしていったのでほっとしていたのも束の間のこと…最後に残ったBBから私のバック(4200ほど)に対してオールイン要求が飛んできました。
「頭を抱える」という表現がありますが本当にテーブルの上で頭を抱えました。
というのもこのハンドの2時間前ほど、こんな感じでいきなりオールインが飛んできたシチュエーションでコールしたらシンプルに滅茶苦茶強いハンドが出てきたからです。
自分BTNからAKoでオープン300に対して1200の3bet、オリジナルとCCしていたCOがコール。フロップKQxrで自分のCBに対してオリジナルからいきなりリレイズオールイン。コールして出てきたのはKQo。Aを引いて捲るなんて奇跡は起きず無事8万円ほどいただかれました。このハンドについては今振り返ってもフロップのボードでブラフできるところが見当たらず、バリューだった場合自分が勝っているハンドのうち相手が持っていそうなハンドはかなり限られてくるため素直に降りるべきだったと思います。
勘弁してくれ…と1分ほど突っ伏していたのですが降りることはできず腹を括ってAAでコール。オールインになりそのままターンとリバーが開かれます。
ターン、リバーでフラッシュは完成せずどちらも両者のレンジに対して関係のなさそうなカードでした。「You have Ten?」と尋ねると相手が見せてきたのは…Q8o。ガットショットでオールインしてきたという訳です。幸いにして9を引かれることなくポットを取ることができたのですが、「なんだ、そういうプレイもしてくるんだ」とどこかホッとしたことを覚えています。
マカオに行くまで、私はマカオのポーカールームには金持ちしかいなくて笑いながら大金をばら撒く社長さんが沢山いるものだと勝手に思っていました(実際にそういうプレイヤーも見かけました)。でもテーブルに着いて感じたのは、「彼らも自分と同じようにマネープレッシャーを感じている」ということでした。
ごく一般的な観点から見て50/100HKD、100bb20万円というレートをプレッシャーを感じずに打てるBRを持っている人=それだけのお金をポーカーというゲームにつぎ込める人はなかなか少ないのではないかと思います。3bbオープンだとしてオープンするだけで6000円、そこにSBから4倍レイズ(12bb)が返ってきたとしてオリジナルがコールするには上に18,000円必要です。
※執筆時点で1HKDはだいたい20円です
たとえフロップが開かれるのが珍しいほど場が非常にパッシブでスティールすればほぼほぼ利益がでると分かっていても76oのようなハンドで大金をテーブルに置けますか?私は結局最後までできませんでした。
BTNとのHUで自分はBBでA4o、カチカチなUTGからのオープンで自分はCOでATo、BTNの自分までフォールドでT7s…アミューズメントカジノなら迷いなくプレイできるはずのハンドを次々と捨てていって、気づけばポーカーを初めて3日目ぐらいのタイトでパッシブなプレーヤーになっていました。
そしてそんなタイトでパッシブなプレイでも、たとえ2日間という短い期間であったとしてもプラスはプラスです。勝てば官軍、でも「これまで勉強したことを何一つ実践しなかったにも関わらず収支がプラスだった」ということが未だに消化しきれていません。
ポーカーの強さとは何なのだろうか?
再びマカオでのあれこれ
マカオ到着の2日目、稼働初日にポーカー用の資金のうち90%を失うという憂き目に遭ったのち観光用の資金も含めて全財産をバカラにぶち込んで何とかダブルアップした後ポーカーの稼働を続け、マカオ到着3日目のお昼過ぎにはマイナス分を取り返してプラスに転じたため稼働を止めてコタイをぶらぶらとしていました。バカラというゲームには本当に感謝しています。この日記を書いている今この時点では。
3日目はあちこちを歩き、念願だったエッグタルトも食べることができました。マカオへ行く前「いやあ、エッグタルトだけ食べて帰った方が期待値プラスかもしれませんね」なんて」笑いながら話していたのですが、バカラの2分の1を外していたら本当にエッグタルトだけ食べた方がプラスな旅になるところでした。
結局観光はほとんとせず、コタイ側のホテルをぶらぶらと歩くだけとなってしまいましたがそれでも楽しかったです。
ブロードウェイホテルからお隣のギャラクシー、パリジャンから歩いてベネチアン、ロンドナー、MGM、ウィンパレス、シティ・オブ・ドリーム…カジノはどこへ行っても盛況で昼間から何をしているのか分からないお兄さんだかおじさんだかおじいさんがテーブルに4000HKD(8万円)ぐらいをポンと置いていました。どのカジノも本当に魅力的で、ホテルの中が撮影禁止だったのが残念です。
滞在4日目は早朝便に乗ってマカオを離れるだけでした。朝早くの便に乗るため無謀にもホテルから空港まで片道40分ほど歩いたのですが、意外にも歩けるものですね。マカオで最後に食べたのはマクドナルドのモーニングセットでした。
朝8時前、WSOPの速報を眺めながらマカオを後にしました。日本人初のダブルホルダーが誕生するかもしれないというワクワクした気持ちを抱えながら飛行機に乗ったのですが、日本に到着後残念ながら彼はランナーアップで終わったとの速報が飛び込んできました。
終わりに
この旅を教訓として活かすとしたら間違いなく言えることがいくつかあると思います。たとえばせめて200bbぐらいの資金を持ってテーブルに着けよ、とか。雨季のマカオを歩いて移動するなんて狂気の沙汰だ、とか。
しかし、終わり良ければ何とやらではないですが楽しい旅でした(勝ちましたし)。水餃子はおいしく、できたてのエッグタルトは幸せがぎゅっと詰め込まれた味がして(それにポーカーで勝てましたし)、泊まったホテルはベッドの寝心地が良くて快適でした(高かったけど勝ったし)…もし負けていたならこんな忘備録なんて書かなかっただろ、という突っ込みは止めてください。
もし近々マカオへ初めて遠征するという人がいたなら「忘れられない旅になる」ということは保証します。それとリンパーのバックレイズにブラフはない、ということも。
素敵な旅になりますように。グッドラック。