昭和シンセオタクが選ぶ昭和シンセポップにあう無料シンセ(その1)
わざわざビンテージシンセのモデリングソフトでなくても、工夫次第で通常のシンセソフトで昭和シンセポップサウンド風にする事ができます。中でもお気に入りのソフトをご紹介します。
モンスター級仕様の無料ウェーブテーブルシンセ「Vital」
ソフトシンセの定番「SERUM」に迫るサウンドと評判良い無料ウェーブテーブルシンセ「Vital」このソフトは無料とはいえ機能は有料版と変らない超優良ソフトです。ユニゾン(SuperSaw)可能な波形が選べるオシレーターが3つと、WAVファイルロムプラー1つの合計4オシレーター構成で、2VCF、3ENV、4LFOなどなど、各セクションモジュラーシンセばりに制御でき、しかも!最大9つ直列できるエフェクター、4つのマクロオートメーションなど「これホントに無料?」と疑うレベルのモンスター級仕様なのです。
実は往年のビンテージシンセに変身できる「Vital」
その高機能な「Vital」のプリセットサウンドを聴くと今日日のEDMらしい鋭いサウンドで一見、素朴な昭和シンセポップにあわなさそうですが、そこは「ウェーブテーブル」の特性を活かし《往年のビンテージシンセの名機》から抽出した(と思われる)波形を使用する事でカバーする事ができます。しかもシンセサウンドの要となる「フィルター」は「Moog」のラダーフィルターをモデリングしたものに切り替える事ができ、昭和シンセらしいマイルドな音色にする事ができます。
「Vital」の総合評価
非の打ちどころが全くない「Vital」です。当初デモサウンドを聴いて昭和シンセポップにあわないと思い検証を後回しにしてましたが、フリーで「ビンテージシンセの名機の波形」を多数入手できた事で大きく評価が変わりました。例えば「Jupiter-8」「ARP」「Prophet」の波形をミックスし、更にフェアライトCMIの音を加え「Moog」フィルターで加工といった《夢のコラボマシン》を作り上げることも可能なのです。