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帰ってきた!昭和シンセオタクが選ぶ無料ビンテージシンセ・エミュ(その5)
20世紀最後の「Juno」シリーズ「Roland Alpha Juno」
MIDIの登場頃からシンセの音色保存機能が当たり前となり、従来ツマミやスイッチが操作パネルにびっしりだったシンセが、液晶ディスプレイと必要最低限のスイッチ類の筐体デザインがトレンドとなりました。そんな世の流れもありローランドの人気モデル「Juno」シリーズ「Alpha Juno」もスッキリ・小型軽量化しました。音色はローランドらしい優しいサウンドですが、先代シリーズと何かが違う?それもそのはず、フィルターは「JX-8P」と同じものが採用され、いうなれば「先代Junoとは腹違いの兄弟」といったところでしょうか?と、いうものの、搭載波形の追加やベロシティ、ピッチエンベローブなど機能強化され魅力的なモデルでありました。しかし、エントリーモデルともあり発売当初はそこまで注目を浴びる事はなかったのですが、90年代に登場した欧風《盆踊り》「レイヴ」シーンでプリセット「What the」を活用した「フーバー」サウンドで脚光を浴びる事になりました。
「Alpha Juno」を完全再現した無料シンセ「JUNE-21」
「レイヴ」シーンで活躍した「Alpha Juno」を再現した無料シンセ「JUNE-21」は操作仕様も去る事ながら、実機プリセットサウンドが搭載され「What the」も健在!実機の6ポリ以上の設定ができるのは素晴らしいです。しかし、サブオシレーターの位相が実機と異なるため、ローランドの実機ロムプラー「Concerto」と聴き比べると至らない点は正直ありますが、ロムプラーと異なりゼロから音色作成ができるのは大きなアドバンテージです。しかし、一つだけ注意点がございます。2020年4月の最新バージョン「Ver.0.9.6」で、まだ開発途中なのか?DAWで演奏しながら操作パネルのツマミを操作すると、DAWの動作がフリーズし、最悪DAWが強制終了しました。当問題が解消するバージョンが登場するまで、音色の調整はDAWの演奏を停止し、MIDIキーボードを併用して調整いただく事をお勧めします。
(追記)
他のVSTとの相性なのか?私の環境で使用できなくなるなどの問題が発生しました。ご注意の上ご利用ください。
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