帰ってきた!昭和シンセオタクが選ぶ無料ビンテージシンセ・エミュ(番外編)
ローランド製品のプリセットサウンドを完全再現する「Concerto」
昭和の時代を彩った様々なシンセを再現、模倣し、サウンドも彷彿する素晴らしい無料シンセは多数あるのですが、全てのメーカー・モデルを網羅しているわけでなく、正直「実機」のサウンドには至らない現状があります。少しでも実機の音色を再現したい場合は実機よりサウンドを取り込んだ「ロムプラー」ソフトで解決する事ができます。中でもローランドが無償提供している「Concerto」は自社製品のサウンドを取り込んだ音源ソフトなので正に、そのまんまのサウンドを再現する事ができます。「Concerto」は様々なジャンルに分けた音源がカテゴライズされてありますが、中でも年代別にした「Anthology」シリーズをご紹介します。
「Alpha Juno」のロムプラー「Anthology 1985」
型番の明記はないのですがプリセット名から察するに「Alpha Juno」のロムプラーです。ロムプラーなので、ゼロから音色づくりはできませんが、実機に搭載されたプリセットサウンドは全て網羅しているので、目的に近いサウンドをみつけ、フィルターやEGの微調整を行う流れになります。「Alpha Juno」をモデリングした無料ソフト「JUNE-21」と比較すると際立つサウンドなので、臨機応変に使い分けると良いかと思います。
「JX-10」のロムプラー「Anthology 1986」
こちらはプリセット名から察するに「JX-10」のロムプラーです。隠れた名機「JX-8P」を2レイヤーしたモンスター級のデジアナシンセでぶっといアナログシンセサウンドが特徴的です。「JX-8P」をモデリングした無料ソフト「PG-8X」2台分がこれ1つで演奏できるわけです。
「D-50」のロムプラー「Anthology 1987」
こちらはプリセット名から察するにデジタルシンセの名機「D-50」のロムプラーです。そもそも仕様・構成が複雑なデジタルシンセともあり、ゼロから音色づくりをするのは玄人だけで、プロでもプリセットサウンドを既定に使用していた現状かと思います。マイケルジャクソンの「BAD」をはじめ様々な名曲でお馴染みのサウンドが全て網羅されています。
その他の「Anthology」シリーズ
「Anthology 1990」は《LA音源》の最高峰「D-70」のロムプラーで「Anthology 1993」はPCM波形を強化した音源「JD-990」のロムプラーです。両者とも90年代初めを代表するデジタルシンセであり、先の「D-50」同様に実際、豊富なプリセットサウンドを既定に使用するのが定石でありましたのでロムプラーで十分かと思います。
なお「Concerto」は複数の音源を組み合わせてレイヤーできるので(各音源MIDI ch設定要)今日日のシンセに負けないくらいのゴージャスなサウンドも構築できます。
「Roland Concerto」の使用方法
「Roland Cloud」の登録を行い「Roland Cloud Manager」ダウンロード~インストール~起動し、画面左「Sotware」を選び、上部メニュー「DISCONTINUED」を選びます。画面内の各年代、ジャンルのインストーラーをダウンロードしインストールの流れになります。「Concerto」の総容量が40GBに及ぶため、好みに応じて必要なものだけダウンロードしお使いになる事をお勧めします。