昭和シンセオタクが選ぶ昭和シンセポップにあう無料シンセ(その7)
わざわざビンテージシンセのモデリングソフトでなくても、工夫次第で通常のシンセソフトで昭和シンセポップサウンド風にする事ができます。中でもお気に入りのソフトをご紹介します。
機能省略し無償化した「Gospelmusicians Pure Synth Platinum 2」
90年代初めのデジタルシンセを彷彿するお洒落なサウンドが印象的な「Pure Synth Platinum 2」は様々な波形が用意された「WaveTable」音源と様々な音色の「ロムプラー」を搭載し、最大4つの音源で演奏できるゴージャスそのもの。価格199ドルで販売されていたソフトでありましたが「ロムプラー」音源が別売りになり今年無償のデジアナシンセとなりました。しかし、機能省略になったとはいえ、基本機能はそのままでタダになったにもかかわらず、ネットでの良し悪しの評価を目にする事があまりなかったので改めて当ソフトをじっくり検証してみました。
「Pure Synth Platinum 2」の機能
アナログシンセ定番の波形はもちろん「MiniMoog」「OB-Xa」「DX7」「Prophet-VS」「エンソニック」などを連想する名の波形が多数用意され(Mod可変無し)ユニゾン(SuperSaw)対応。フィルターは70年代のオーバーハイムに採用されていた「ステイト・バリアブル・フィルター」とMiniMoogの「ラダーフィルター」そしてゼロ・ディレイ・フィードバック(遅延なし反応)フィルター搭載。エフェクターも様々な種類のものが用意されパラレルなど結線方法も設定できるなど多数あり、流石!元売り物!と感心する仕様です。そして一番の目玉が、同画面上の最大4つの音源を同時に操作できる(少々なれが必要?)のは大きなアドバンテージです。
「Pure Synth Platinum 2」の総合評価
昭和の名機シンセの波形が予め搭載され仕様的にトランス系サウンドも得意とするので以前ご紹介した「Pneuma」に負けるとも劣らない良いサウンドです。自前の「Wave」ファイルのロムプラーとして使用できない、モジュレーションの指定が排他など劣る点がありますが、最大4つの音源で演奏できるのは他の無料シンセではあまりないので、異なったサウンドでユニゾン演奏させたい時に威力を発揮します。こんなに素晴らしいソフトシンセなのに、あまり取り上げられてないのが不思議ですね。^^