昭和シンセオタクが選ぶ無料ビンテージシンセ・エミュ(その6)
コンパクトシンセの先駆けで名機「MiniMoog」
シンセサイザーの老舗「Moog」1960年後半に登場したモジュラーシンセは電子楽器のパイオニアである事はいうまでもありません。その大型だったシンセをより楽器らしくコンパクトにしたものが「MiniMoog」登場して半世紀経ちますが今なお人気あるモデルの一つです。小型化したとはいえMoogらしい「芯のあるサウンド」は健在で、太いシンセベース、ギターにも負けないリードサウンドなど、国産メーカーのシンセと比べその存在感は一線を超えています。正にキング・オブ・モノシンセなのです。
「MiniMoog」復刻版の無料エミュ「VK-1」
80年代中頃からシンセもデジタル化が進みMoogはシンセの製造をその頃辞め、90年はじめに残念ながら閉鎖しました。しかし2000年頃に「Minimoog Voyager」を製造し復活しました。「Voyager」はその名の通り「MiniMoog」の復刻でありながら音色のメモリーができ、リリースやモジュレーター等の機能も強化されました。その「Voyager」の無料エミュ「VK-1 Viking Synthesizer」は操作性も去る事ながら、「MiniMoog」らしい芯の太さも再現され、正にキング・オブ・モノシンセ・エミュなのです。
「VK-1 Viking Synthesizer」の総合評価
モノシンセ(単音)なので用途は限られますが、舶来ポリシンセエミュ「OB-Xd」のユニゾンモードのような人工的な音のぶ厚さでなく、国産モノシンセ無料エミュ「Mono/Fury」より芯のあるオシレーターが3基もあるので「シンセベース」は特に良いです。波形選択は固定式でないのでより細かい作りこみができ、モジュレーターで変調も可能です。したがって、初代「MiniMoog」エミュを使うよりは、機能強化された「VK-1」を使った方がお得という事になり超お勧め無料シンセVSTとなります。