昭和シンセオタクが選ぶ昭和シンセポップにあう無料シンセ(その5)
VST聡明期のシンセソフト「V-Station」
21世紀初頭のVST聡明期に登場したNovation社バーチャルアナログモデリングシンセ「K-Station」を完全再現したソフト「V-Station」同社シンセのソフトともあり実機のサウンド再現のみならず、プログラム互換がある優れモノ。価格は当時3万円はしていましたが、2022年にサポート終了にあわせ無料化されました。個人的に昭和シンセ以外よく知らないのでありますが、当時を知る方には馴染み深いシンセの様で大ニュースとなりました。
「V-Station」の仕様と総合評価
8ポリフォニックのオシレーター3基(発音数内でのユニゾン可能)とノイズ波、VCF・VCA・モジュレーション用にそれぞれENVが装備され、マルチエフェクター1基にアルぺジエーター搭載と、今となれば少々物足らない装備ですが、素朴な昭和シンセポップサウンド再現には十分なスペックであります。出音はバーチャルアナログモデリングシンセの再現ともあり昭和シンセソフトと比べややシャープではありますが、フィルターの効き具合が滑らかで暖かみがあるので許容範囲です。「Roland Jupiter-4/8」で定評あった《ランダムアルぺジエーター》が搭載されてるのを察するに、80年代初めのシンセをモチーフにして設計されたのではないかと考察します。よって、この「V-Station」は《平成》の皮を被った《昭和シンセ》なのかもしれません。