ペッパピッグを200回以上観て気づいた外国語学習の秘訣
ペッパピッグに呪われた日々
ペッパピッグを200回以上観た。いや同じエピソード、特にシーズン1エピソード1は20回近く観ているから、合計すると300回以上はペッパピッグを観たかもしれない。
ペッパピッグとは、ペッパという子豚の女の子を主人公としたアニメだ。ペッパファミリーの日常を描いており、どうぶつの森の世界観に似ているかもしれない。
29歳の僕がペッパピッグにハマるには年を取りすぎている。ツイッターやヤフーニュースを開けば、みんなが君の名やエヴァなどで盛り上がっている中、僕は死んだような目でペッパピッグを観る日々。
息子がハマったのだ。2歳半ころに彼は狂ったようにペッパピッグにハマった。
朝食を食べるときはペッパピッグ、昼食を食べるときはペッパピッグ、お遊びに疲れたらペッパピッグ、夕食を食べるときはペッパピッグ、寝る前に少しのペッパピッグ。
子供は世界一大きな影響力を持つインフルエンサーかもしれない。息子がペッパピッグにハマった影響をもろに受け、僕の生活もペッパピッグ一色に染まってしまった。
息子が繰り返し同じエピソードを観る理由
困ったことに、息子は同じエピソードを繰り返し見た。
シーズン1エピソード1を何十回と見た後、エピソード2や3に行き、再びエピソード1に戻る。エピソード1を数回見て、本格的にエピソード2へ移るのだ。
不思議だった。
ペッパピッグのエピソード1が並外れて面白いというわけでもない。大人の感覚からすると2回で十分、3回目になると少し嫌になるくらいだった。
それなのに息子は、毎回新しい発見をしているかのように楽しそうにエピソード1を観ている。
よく飽きないな、なんて思ってると、息子がペッパピッグエピソード1を観ながらブツブツつぶやいていることに気付いた。
耳を傾けてみると、ペッパやジョージ、ペッパの両親、ペッパの友達などのセリフを復唱していた。そして驚くほどに、復唱の精度は高い。何十回とエピソード1を観ていたこともあり、ほぼ完コピだった。
息子の完コピぶりに感心していると、ある考えが思いついた。
何度も繰り返し見て、言語学習をしているのだ。
大人の僕にとっては、ペッパの世界に出る単語は知ってるものばかり。しかし、2歳半の彼にとっては未知の単語や表現ばかりだ。
初めてエピソード1を観たとき、息子はペッパの言葉をほぼ理解できなかったはずだ。それはまるで、日本人が字幕なしで韓国語や中国語のドラマを観ている感覚に近かったのかもしれない。
しかし、2回3回と繰り返すことで、言葉の概念や意味が分かってくる。本当に少しずつだが、理解できることが増えてきたのだ。
そして何十回と見終えたころには、エピソード1の内容がほぼ理解できるようになったのではないか。
実際に、月日が過ぎるにつれ彼のボキャブラリーも広がり、同じエピソードを繰り返す回数は減った。それは言語能力が高まったことで、完全に理解できるまでにかかる時間が減ったからだろう。
どうりでペッパピッグ、シーズン1は飽きがこなかったわけだ。見るたびに理解できることが増えて、新たな楽しみを見つけたのだ。
ペッパピッグと外国語学習
僕は大学3年生のとき、狂ったように英語勉強をして、半年でTOEIC900点越えしたことがある。
その当時していた学習はシャドーイングだ。朝から晩まで、文字通り隙間時間さえあれば、3分ほどの音声教材でシャドーイングをしていた。
最初の教材は完璧にシャドーイングできるまで時間がかかり、たしか2,000回近く再生していたと思う。
3分×2,000回=6,000分(100時間)
ああ、息子と同じだ。教材が違うだけで、本質的には同じだ。
完璧に理解できるまで同じ教材を繰り返す
外国語学習にはこのマインドが重要なのかもしれない。
単語帳や参考書を一周したからおしまい
ネットフリックスで海外ドラマを2回観たからおしまい
そうではなくて、完璧に身につくまで何十回と繰り返すのが大切なのかもしれない。
「子供のように外国語を学ぶ」、この言葉の意味は失敗を恐れずに積極的に話すことと思っていた。
でも、それは半分正解に過ぎない。
子供のように外国語を学ぶとは、同じ教材やコンテンツを何十回、何百回と繰り返す徹底的なインプットを行いつつ、失敗を恐れずにアウトプットすることなのだ。
こうやって書いてみると当たり前のことだが、僕にとっては新鮮な発見だった。
妻にネットフリックスの「Pasion de Gavilanes」というコロンビアのドラマを勧められた。これを徹底的に繰り返して、スペイン語を学ぶのもいいかもしれない。
作品ページを見ると、1本約40分のエピソードが188本あった。この先10年は、Pasion de Gavilanesでスペイン語学習ができるかもしれない。
というのは置いといて、外国語学習の教材には短い作品を選ぶのも大切なのだ。