電撃旅行~青森編~4/4「次は4月に行きます」
電撃旅行記、最終回です。前半では、驚いたことや個人的に注目したことを書きますが、今回は旅行記というよりはふらいんぐうぃっち愛がメインになってしまうと思います。あとは最近の聖地巡礼ブームといいますか、そういった業界に関して思うことなどを書いていこうと思います。
さりげない驚き
まずは岩木山を囲むように走る道路で見つけた標識です。
これ、なんだかわかりますか?雪に埋まった道路で境界を示すものです。注目すべきはその高さ。信号機と同じくらいの高さについています。
福島から新潟に走る道路でも同じ標識を見かけましたが、それは地面に2mほどの棒が立ててある状態でした。それが青森県ではこれ。さすが県内全体が豪雪地帯、半分弱が特別豪雪地帯に指定されているだけあります。関東では豪雪地帯なんてギリギリ北まで行かなければ指定されていません。恐るべし。
つぎはこちら。
これも大雪対策でしょうか。まず室外機にカバーが付いています。さらに地面からある程度の高さに設置してあり、埋もれないようになっています。それから、写真は撮らなかったのですが薪ストーブ率がものすごく高いです。エアコンは寒すぎると効率が悪いというのは頭では理解していますが、実際に見てみると改めて実感できて面白いです。
あとは「もつ」ですね。私はふらいんぐうぃっちの漫画6巻で初めて知ったのですが、青森県では夏場に「もつ」といういわゆるBBQをするようですね。実際に自宅のガレージで開催しているご家族を見かけました。ビール好きとしては最高の文化だと思います。全国に広まって欲しい。
聖地巡礼という楽しみ
さてここからはアニメの舞台を訪問するということに関して書いていこうと思います。
まずは「ふらいんぐうぃっち」と「聖地巡礼」の相性の良さについてです。
第一に舞台が青森県という設定が挙げられます。首都圏が舞台の場合は訪れる人が多くなる反面、旅行というほどのイベントではなくなってしまいます。聖地巡礼の醍醐味の一つとして、ただ作品の舞台を訪れるだけではなく、現実には存在しないキャラクターの息遣いを感じるという非日常感があると思います。
この感覚を最大限に活かすのであれば、一念発起しなければ行かないような場所が舞台であった方が良いのではないでしょうか。また、行きたいけどなかなか行けないという焦らし要素もワクワク感を高める一つだと思います。この点からも本州最北に位置する青森というのは、遠いけれども新幹線で行けなくは無い、場所によっては車でも何とか行ける、と丁度良いのかなと思いました。
第二に日常系作品である点です。それも起伏が少ない中で、ささやかな展開がなされるタイプの作品であるということが大きいと思います。前述した通り、キャラクターの存在感を感じるという楽しみのためには日常系のほうが想像が膨らみやすいと思います。
ふらいんぐうぃっちのすごい所は、魔法を題材としているのに妙にリアリティがあるという点です。普通は日常系が醸し出す現実感と相性の悪い題材ですが、たとえば漫画「日常」のように非現実感を包み込んで魅力にしている点は作者の石塚先生の力量だと思います。
第三は作画です。これは主にアニメに関してですが、制作会社ガチャの中でSSRを引き当てたことも聖地巡礼に対するモチベーションに直結していると思います。
流行した聖地巡礼
最近聖地巡礼がヒットした作品といえば、間違いなく「ゆるキャン」でしょう。町をあげてかなり聖地巡礼に協力してくれたということもあり、訪れたファンはかなり楽しめたことと思います。
これもアウトドアという非日常感とキャラクターの日常感が合わさった結果、旅行先として魅力的なものとなったのではないでしょうか。特に登場するアウトドア用品のクオリティが高く、そういったディティールへの拘りがうけるという流れもよく読まれていました。
「君の名は」の聖地を訪れた方も多いかと思います。あれも田舎が舞台となっている点で非日常感があるとは言えますが、それよりも作画の綺麗さが影響していると思います。
「千と千尋の神隠し」でモデルとなったといわれている銀山温泉も、非日常感と作画が合わさって魅力が増していると考えられます。
こうして考えてみると、聖地巡礼が流行する作品はアニメのクオリティが十分条件となっている気がします。特に映画に関してはストーリーや同人的な盛り上がりでカバーすることが難しいので、作画の綺麗さに強く依存してしまうことでしょう。
一方、深夜アニメではまったりとした空気感が次点で重要な要素ではないでしょうか。実際に作品の舞台を訪れたときにその世界に浸かることができる、というのも大きな魅力となっていることでしょう。
またキャラクターだけが魅力的ではダメだということも分かります。非日常感が大事、という点と重なりますが、聖地巡礼といっても旅行なわけですから場所に対する魅力も無ければいけないわけです。
次なるヒット作品は?
結局、アニメの作画が一番大事という何ともいえない結論になってしまいました。切ないです。
どの作品も原作は魅力的なのですが、やはり知名度を一気に高めるのは綺麗なアニメということなのでしょう。
ただ、聖地巡礼と相性の良い作品の傾向は見えてきた気がします。
・非日常的な場所、設定
・起伏が少なく感情移入しやすい展開
・さりげない要素への拘り
・観光資源がある程度存在する(作り出されている)
こんな感じでしょうか。
これを踏まえて出てきそうなヒット作品を考えてみます。私がこれまで旅行してきた中で観光資源が豊富かつ適度にまとまっていて、魅力的だったのは石川県金沢市周辺です。北陸の文化にあまり詳しくないのですが、非日常的なものを発見できれば舞台としてはぴったりだと思います。
起伏が少なくさりげないながら人気の出そうなジャンルとして、アマチュア無線などどうでしょう。これであれば回路の作画やパーツなど拘ることができる要素も多そうですし、アグレッシブなものではありませんからまったりとした展開が期待できます。あとはこれが魅力的な話になるかどうかですね。
最後に
全5回に分けて旅行の振り返りをしました。一言でまとめると、まさに最高な旅行でした。新たな発見がたくさんあり、加えてますますふらいんぐうぃっちへの愛着がわきました。
今度は桜の季節に行って、大間や下北半島にも行ってみたいですね。雪が残っていると思いますが。それでは。