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島医者の本音と振り返りと愚痴と

心身ともに疲れている。。診療所で一緒に働く看護師も、疲れが溜まってるのが分かる。この1週間は島の患者の急変、診療所でのオーバーナイト、ヘリ搬送、終末期患者の家族面談、盛りだくさんだった。風邪症状の子どもでさえ、以前だったら風邪薬を出してハイオシマイだったのが、今は防護服を来て、リスクがないか色々問診して、診察室を分けたり消毒したり、何倍もの労力と気力をつかう。。


昨日は、95歳の在宅高齢者をドクターヘリで搬送。肺炎を疑ったが尿路感染症だったらしい。初診時は熱はなくて、胸の音に異常があって、X線は円背が強くて評価に足るものじゃなかったけど、臨床的に肺炎だろうと思っていたら違った。普段だったらやっていた尿検査を、疎かにしてしまったことを強く後悔した(治療方針はたぶん変わらなかっただろうけど。。)。


自分の今の思考、判断を妨げている色々な要因を振り返ってみると、疲れが溜まってるのが大きい。。手間を惜しんでしまったのもあるが、苦痛を強いてまで導尿したくないといった悪い意味での「思いやり」が働いてしまった。そのような感情をクリアにして、冷静に判断できる余裕が今の自分にはない。。


ここは沖縄本島から海で離れた離島。島にずっといて、目の前にいる人のほとんどは僕にとって「患者さん」であり、僕は島の人にとって「島のお医者さん」。島にいると、頭でも心でも、プライベートでも仕事から完全に自分を切り離すことができない、だから休まらない。ましてや今のこの状況で、本島の妻と会えない、本島に行って買い物や散髪に行けない、内地に行って大自然の中でテント泊なんて当然できない。。心が安らぐ場所がない、、苦しい。最近は大好きな展望台で夕陽を見に行く気力もない、、というかそのつもりでいたのに急患の電話がかかってきて願い叶わず。。夜自宅に帰るとぐったりの毎日。

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