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2024年上半期映画ベスト10

古川香月です。note始めたってよ。


十数年映画人を目指していましたが、今年からお笑いを勉強するためNSC東京(30期)に入りました。



声の小ささと人見知りを克服できず30年以上過ごしている為、このnoteがコミュニケーションツールとして
働いてくれたらいいなと、淡い気持ちを抱きながら投稿を続けていけたらと思います。



では本題の
今年観た上半期映画ベスト10を発表していきます。(順位は年末には変わっている可能性あり)


10位
『ゴールド・ボーイ』
平成ガメラ三部作やデスノートの金子修介監督最新作。

岡田将生演じる殺人犯と天才少年による頭脳戦が観ていて気持ちがいい。
とにかく岡田将生が狂っててクールで怖い(褒めてる)


9位
『関心領域』
アウシュビッツ収容所の隣に暮らす幸せそうな家族を描きながら、壁一つ向こう側から微かに聞こえる叫び声や銃声の恐ろしさといったらない。

僕が初めて書いた漫才ネタの元となる映画。(関心の無い相方というネタ。かなり嫌味である)

アトロク試写会の思い出補正もありこの順位に。


8位
『落下の解剖学』
パルムドール受賞作。
雪山の山荘で男が転落死。その妻(作家)に殺人容疑がかかり、唯一の証人は視覚障害のある息子。自殺か他殺か、全ては息子の証言に左右されることになる。

終始緊張感が漂い、妻の他人との関係性を緊張と緩和を交えながら描くことで真実を分かりにくくしてる所が、この映画の好きなポイント。犬の演技シーンがショッキングで、もしかしたら一番見入ってしまった場面かも。


7位
『ボーはおそれている』
居心地の悪いサイコな世界に放り出してくれるのが『ミッドサマー』などで知られるアリ・アスター監督。

常に何かにおそれを抱いているボー(ホアキン・フェニックス)が、母の突然死をきっかけにアパートの玄関を出るのだが、その瞬間から恐ろしい事が数々とボーを襲う。

演劇が始まったりアニメになったり怪物が出てきたりと、先が読めない展開に次はどんな悪い事が起こるのだろうか、と興奮した。


6位
『オッペンハイマー』
米アカデミー作品賞受賞作。原爆の父、オッペンハイマーの栄光と苦悩を、クリストファー・ノーラン監督が映像化。

映画ファンならノーラン作品鑑賞は必須級な訳ですが、原爆を扱っている物語ということもあり、日本への投下が決定するシーンには流石に悲しみでいっぱいになった。

アメリカで起きた”バーベンハイマー問題”は本質からかなりかけ離れたコラボであり、これをワーナーの公式アカウントが乗っかったことに関しても怒りを通して呆れた。

この映画の本質を理解し、原爆の無い(というか争いの無い)世界になりますように。


5位
『瞳をとじて』
あのビクトル・エリセ監督が31年ぶりに新作を撮った事が大事件で、真の映画ファンが楽しみにしていたのがこの作品ではないでしょうか。

僕がお世話になった映画人の方が、監督の代表作の一つ『ミツバチのささやき』をベスト映画にあげていたし、そういう人も少なくないでしょう。その映画に出演していたアナ・トレントが”アナ”という役で出演しているあたりも映画ファンを喜ばせる要因の一つ。

この映画の凄さを語るには僕の知識はまだ浅いので(逃げ)まずは映画を鑑賞して巨匠の演出力を感じて欲しい。


4位
『哀れなるものたち』
この映画の魅力はなんといってもエマ・ストーンの演技だ。リリー・グラッドストーンとどちらが主演女優賞を受賞するかが注目されていたが、こちらの方が圧倒的に魅力と存在感がある。

お話は幼児の脳を移植された女性が、隔離された家から世界を見るために外に出て、人間の愚かさや素晴らしさ、社会の理不尽さを感じながら成長していく物語。フランケンシュタインの女性版みたいな感じでしょうか。(厳密に言えばフランケンシュタインは怪物を作った博士の名前なのだが一般的には知られてない様子)

余談ではあるが、僕はヨルゴス監督作『聖なる鹿殺し』に出演するバリー・コーバンに似てますね、と映画ファンによく言われます。ヨルゴス監督の次回作『憐れみの3章』でもエマ・ストーンとタッグを組んでいてこちらも楽しみ。


3位
『悪は存在しない』
ここからがどれが1位でもおかしくないライン。
世界的話題作となった『ドライブ・マイ・カー』で、一般的にも認知されるようになった濱口竜介監督の最新作。
ですが、僕の身の回りの映画ファン以外の人はこの映画のことは知らなかった。公開規模が小さいのもあるね。
NSCの同期と一緒にこの映画を観れただけでいい思い出作れたと思ってる。

アート映画は敷居が高いと思われがちだが、濱口作品の凄いところはユーモアがふんだんに散りばめられていて、何気ないシーンが普通に面白いところだ。

僕が初めて観た回は満席で、お客さんも品のいい感じの人が多く、優れた芸術に関心がありそうな雰囲気を漂わせている人ばかりで、鑑賞中の雰囲気も笑うところは笑って(上品に)いたりして居心地が良かった。

以前年末に『ドライブ・マイ・カー』
と『ハッピーアワー』と濱口作品を連続で観て9時間は映画館にいたのは貴重な体験でしたね。『悪は存在しない』のストーリー?面白いから劇場で鑑賞しなって!そして自分の目で一流を味わって自分なりの映画の答えを探してごらんよ!


2位
『マッドマックス フュリオサ』
前作『マッドマックス 怒りのデスロード』の前日譚に当たる作品が満を持して公開。色んなフォーマットの劇場で鑑賞したけれど、Dolbyシネマが一番良かった気がする。

世界観の確立、映像美とアクションも凄まじさには脱帽。今でも僕は前作が米アカデミー作品賞と主演女優賞を取らなかったことに納得していない(女優賞に至ってはシャーリーズ・セロンがノミネートすらされていない!)

今作フュリオサは5回観たけど、8回は観たい。映画の中の映画だ。この映画を観てから僕の心にはフュリオサが宿っており、部屋には劇場でもらったポスターを鑑賞したその日に良い額縁を買い飾った。できることなら刺青を入れたいくらいなのだが、それをしちゃうと色々と大変(温泉に入れなくなるとかあるし)なので、スマホカバーにシールを入れるくらいに留まった。

もちろん僕の坊主頭はフュリオサを意識してのものだ。(そういうことにしておきたいほど好きなキャラなのです)


1位
『ホールドオーバーズ』
5年に一度くらいだろうか、自分の人生において重要で大切な映画と出会ってしまうのは。前回は『心の傷を癒すということ 劇場版』その前が『マンチェスター・バイ・ザ・シー』。

僕の好きな映画というのは一貫していて、社会から外れ、孤独で人付き合いが苦手な人物にスポットが当たり、その人が様々な人との触れ合いや経験を経てちょっぴり幸せになり、なんとも言えない余韻に包まれて終わる映画。この映画がまさにそれなのだ。
(『心の傷を癒すということは』震災で傷ついた人たちと精神科医とその家族のお話なので前述したものとは違います)

この映画を観たら今年の米アカデミー主演男優賞はポール・ジアマッティで良くなかったか?と思ってしまうところだが、『怒りのデスロード』と同じで時代の流れに負けた感が否めない。(まだ戦争が各地で起きているから、戦争に関する映画に票が集まるのは当然なのか)

何度でも観たいし、おそらく円盤(Blu-ray)も買うでしょう。



もっと短くまとめようと思ったのに、結局長文になってしまった。
また何か思うような事があれば投稿します!



P.S.こんな文章を書いてしまう僕と気の合う相方が見つかりますように。

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