種苗法改正案に賛否両論‼️どちらが正しいのか⁉️素人には、もうわけがわからない・・・😓
(室伏謙一氏記事のコピペです。)
『三橋貴明の「新」経世済民新聞』2020年5月26日・国民を分断させるショックドクトリン-得をするのはレントシーカーばかりなり・From 室伏謙一
新型コロナの世界的感染拡大も一つの引き金となって、第二次世界恐慌とも言える状況になりつつあると言われています。それ以前に、長年の緊縮財政という基礎の上に、昨年の消費税増税+新型コロナで、日本経済は危機的状況に至りつつあることは、皆さんは実感しておられると思います。
それにも関わらず、今国会は会期を延長せずに閉会するようです。緊急事態宣言も25日に終了が決まりましたし、緊急事態ではない=経済も回復するはずだ=第2次補正予算以上に補償や支援はする必要はないという図式で、第2次補正予算を成立させればそれ以上新型コロナショックへの対応について議論する必要はなし、ということなのでしょう。
新型コロナショックによる経済への影響はこれからさらに大きく出てくるであろうというのに、なんと危機感のないことでしょう。
その危機感のなさで負けていないのが、新型コロナショックの裏で進められているショック・ドクトリンです。その代表例はスーパーシティー法案や種苗法改正案、9月入学導入論。他にもまだまだありますが、9月入学導入論がショック・ドクトリンの典型であり、いかに根拠が不確かなものを「今しかない」と勢いで押し進めようとしているのかについては、月刊三橋の私と三橋先生との対談動画( https://youtu.be/MuncY4NnwyM )をご覧いただくとして、前二者は、世論を気にする安倍政権が世論の懸念や反発を無視して強引に押し進めています。
検察庁法改正案が今国会での採決が見送りになって、反対勢力はちょっと安堵でもしてしまったということもあるかもしれませんが、私からするとこれら二つのショック・ドクトリン法案、特に種苗法改正案については別の事情があるように思います。
種苗法改正案は、国内の優良品種の育成権者意思に反した海外流出を防止するとともに、自家増殖に係る規定を見直し、次期収穫物の生産のために当該登録品種の種苗として用いる自家増殖は、育成者権者の許諾に係らしめること等を柱とするものです。
この法案を巡って、賛否が分かれています。反対派は、この改正案は自家増殖の制限につながり、許諾に係る費用負担が農家を圧迫するのみならず、種子法の廃止と相まって、グローバルアグリ企業の支配下に日本の農業、つまりは日本の食が置かれることになると主張しています。
一方賛成派は国内優良品種の海外流出には絶対必要であり、反対する奴らは流出を認めるに等しい、流出させて儲けようとする中国や韓国の不届き者と同じだ、といった主張をしています。更に、国内で優良品種を育成した農業従事者の中からも賛成論が出ています。
どちらの主張が正しいのかと言えば、勿論反対派の主張が正しいわけですが、賛成派の主張、中国が韓国がといったものは問題外として(大抵この手の主張をしているのはネトウヨの類です。私に「お前は法案を読んでいない」などと匿名で書き込んできた輩もいましたが、残念ながらこの手の輩よりしっかり読んで理解していますので、悪しからず。)、農業従事者からの賛成の意見は理解できるものがあります。
なんといっても苦労に苦労を重ね、努力に努力を重ねてなんとか優良品種を作ってきたわけですから、それが知らぬ間に海外に流出して、勝手に使われるなんてことを認めるわけにはいきませんよね。
しかし、優良品種の海外流出を物理的に防ぐのは容易ではありませんし、一旦海外に出てしまえば、いくら種苗法を改正して育成権者の保護を強化しても、国内法である以上、流出先の海外には適用されませんから、絵に描いた餅に終わってしまいます。
つまり、賛成派の農業従事者が期待するような効果は得られないということなのですが、だからといって彼らの努力を水疱に帰するようなことはしてはいけませんから、適切に保護をすることは必要でしょう。その必要性については誰も異論はないと思います。
問題は現行の種苗法第21条第2項に規定されていた自家増殖を認める規定等を削除すること。(他にも細かい問題点はありますが、分かりやすいこの点のみを上げておきます。)
この点が賛成派には理解されていないようで、先に挙げた「絵に描いた餅」ばかりが強調されてしまっているようです。
ところが、これが本物の「餅」だと頑なに信じて賛成し、反対派をさも売国奴のように非難するといったことが見られるに至っています。
これって、つまりは国民の分断ですよね。
しかし、考えてみてください、この法案が通ってしまえば、優良品種の海外流出の防止が出来ないばかりか、日本の農業・食が危機に瀕することになる可能性が高いのですよ。分断されて、両派でいがみ合っている場合ではないはずなのです。
ところが対立がまるで煽られているかのような状況にも至っています。その裏には、「漁夫の利」の諺にもあるとおり、この対立で「利」を得る連中がいるのです。言わずと知れた、グローバルアグリ企業に連なるレントシーカー達です。
ということで、不可思議な国民間の対立の裏には必ずと言っていいほど、それで利益を得る連中がいるというお話でした。
皆さん、惑わされないよう注意しましょう。
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狙われる日本のタネ:
● 大きな事件が起きたとき、政府が危ない法案を通してしまう火事場泥棒的手法。「惨事便乗型資本主義」。
● 今回のテーマは「狙われる日本のタネ」。新型コロナウイルス一色の裏で、「種苗法改正」が閣議決定され ていた
● タネという日本の資産が今、海外に大安売りされている。
● 種苗法とはどんな法律なのか。なぜ今このタイミングで出てきたのか。裏には誰がいて、その狙いは何なのか。
コロナ騒動の裏で進む「種苗法改正」:
● 閣議決定とは、内閣の全員が賛成して政府の方針を決定する手続きのこと。
● 種苗法改正のステップとして、2月18日に農水省が自民党の合同部会に種苗法改正を提案、3月3日に閣議決定、その後、委員会→本会議→採決となる。
● 「閣議決定された」という文字がニュースに出てきたら、すぐに検索を。
● 4月16日に農水委員会で審議の予定だったが、コロナ騒動により審議がストップ(今はここ)。GW明けに再開予定。
● 「種苗法改正」、当事者である農家に説明もせず、なぜ急いで通そうとするのか。
● 種苗法とは、1978年に制定&1998年に新種苗法。タネと苗(コメ・大豆・麦・果物・野菜・草花)の開発者の知的財産権を守る法律。
● タネには「登録品種」と「一般品種」の2種類がある。
● 登録品種は開発者が国の機関に登録し、25年間売買できないタネのこと。
● 一般品種とは、在来種、固定種、未登録のタネ、期限切れのタネのこと。
● 日本は、開発者の権利の農家のタネとりの権利の両方のバランスをとってきた。
● UPOV条約(開発者の権利)とITPGR条約(農家の権利)という国際条約がある。
● 今までは、農家のタネとりは原則OKだったが、原則NGへ。種苗法に違反すると、個人では1000万円、法人では3億円の罰金。
● 表向きの理由はシャインマスカットなど日本の資産の流出を防ぐため。だが真の目的が他にある。
● じつは、タネは水道と並ぶ巨大なビジネス。上位4社(実質3社)が利益を独占している。
● 世界のトップ10に日本の企業も2社(タキイ、サカタ)ある。ところが株主には外資系が入っている。
● 鉄則:「企業は看板ではなくて株主構成を見る」。
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「週刊正論」 令和2年5月26日号
【在日スウェーデン人寄稿 日本の成功は奇跡ではない】
英語ニュース・オピニオンサイト「JAPANForward」(JF)にこのほど、在日スウー
デン人の寄稿が掲載されました。千葉県浦安市で高齢者の介護事業所を経営するグスタフ・ストランデル氏です。母国スウェーデンと比較し、いかに日本のコロナ対策が成功を収めているかを、自らの実体験をもとに記していますので紹介します。
全世界で確認された新型コロナウイルスによる死亡者数は、5月16日の時点で309,047人でした。(5月16日www.statista.comより)このうち日本の死亡者数は725人です。個々の事例がどれほど悲劇的なものであれ、100万人につき5.73人の死亡率です。中国に近いこと、ウイルス感染者が初めて見つかってからの期間が比較的長いこと(1月16日から)を考えると、これは奇跡的に低い数字と思われるかもしれません。定義によると、奇跡とは突然現れるものであり、その理由は説明できないものです。その意味では、日本の成功は実は奇跡などではないのです。
国際的水準で死亡率を最小限に抑えているのは、世界トップクラスの医療ヘルスケア専門家による科学的なアドバイスに基づいた日本の政策と対応です。世界で最も進んだ超高齢社会であるところの最大の課題のひとつは、高齢者、特に介護施設の入居者をどうやって守るかということになります。1月29日に厚生労働省から注意喚起が出されて以後、2月中旬頃までには発熱症状のある介護職員への注意喚起とともに、外部からの面会者制限についての警告が出されました。私が会長を務める浦安市介護事業者協議会の45社の会員を含む日本全国の介護事業者は、これらの警告に準じた対策を緊急かつ非常に迅速に実施しました。
対照的に、私の母国であるスウェーデンは、4月1日までは面会者に対し制限を課し
ませんでした。スウェーデンの対策は、お手本として歓迎されると同時に、潜在的な災害として非難されています。国は政府・メディア・市民との間の信頼に基づいて、理解を深め対話を維持することにひときわ成功しています。明治大学の鈴木賢志教授との最近のオンラインセミナーで、それにおける考えうる理由が挙がりました。2014年にOECD(経済協力開発機構)の26か国で実施された国際調査によると、スウェーデンでは47.4%の人が政治家を信頼していると述べました。これに対し、日本の数値は9.3%でした。
しかしながら、100万人あたり360.79人の新型コロナウイルス犠牲者を抱えるスウェーデンの死亡率は、日本と比べて63倍以上です。2倍、3倍などではなく、63倍です。
日本がこの比率に達したら一体どうなるのか想像もつきません。今日の日本のテレビチャンネルやソーシャルメディアを見ると、この国が惨事に向かっていると即座に思いこんでしまいます。しかし、これは真実ではありません。
ここでの最初のメッセージは、日本の63倍もの犠牲者を出しながらも、いかにしてスウェーデンの政府・メディア・市民が新型コロナウイルスへのアプローチに関し賢明な関係を保っているかが、実に印象的であるということです。
第二のメッセージは、日本のリーダーシップに対する期待の度合いがいかに不合理かということです。ウイルスのクラスターに悩む不幸な病院や老人ホームに対する社会的恥も横行しています。新型コロナウイルスの対策リーダーである尾身茂先生が理事長を務める病院では、最近クラスターが発生しました。メディアでは、これは「大失態」と呼ばれていました。 本当にそうでしょうか? みなさまには敢えて言いたいです。パンデミックに対する世界で最も成功した対策を実施しつつ、57の病院の理事長に務めてみていただききたいと。これとは対照的に、日本の63倍の死亡率のスウェーデンでは、尾身茂先生と同じ立場にあるアンデシュ・テグネル先生にはFacebookにファンクラブがありメンバー数は32,000人を超えています。
日本はこれまでの成果を誇りに思うべきなのです。リーダーや政治家達を追及し精査することは、民主主義国家の健全な行動かもしれません。しかし、現在日本で行われている新型コロナウイルスへの合理的かつ責任あるアプローチに関しても、知るべき時が来たら、それが驚くべき成功であることを皆で認めましょう。