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「宮崎正弘の国際情勢解題」令和2年(2020)10月21日〜10月28日

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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月31日(土曜日)
        通巻第6685号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~選挙終盤戦。トランプ形勢逆転の可能性高まる
  熱気と勢いはトランプにあり、バイデン集会はガラガラ
*************************************大統領選挙での演説会の様子ですがユーチューブの同時配信での視聴者数はトランプ陣営が12万人超に対しバイデンは3千人あまりだったとか。FOXニュースによる各地の演説会の様子を見るとものすごい盛り上がり。ペンシルベニアでのメラニア夫人の演説も堂に入ったもの。
トランプ大統領の全米各地のキャンペーンを2分間の映像にまとめたものがこちら、映画の予告編みたいです。   (PB生、千葉)


   書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~自国の歴史を教えず、他国が先進的で進歩的だと
  なぜ日本の教科書は錯綜した嘘八百を並べるのか?

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伊勢雅臣『学校が教えない本当の日本史』(育鵬社)
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 主として蝦夷、沖縄、少数民族差別など、戦後の「れきし」教科書がデフォルメして教えている内容を精密に吟味し、問題だらけのなかでも、とくに重要な問題点を指摘し直している。
 そのうえで本書は、正しい歴史はこうではないのかと平明に説明している。これなら中学生でも読めるうえ、まとめ方が論理的体系的で、納得しやすい工夫がされているポイントに感心した。
 たとえば秀吉、家康の切支丹伴天連の禁教を、日本の教科書は時代錯誤で誤った政策であるように描く。
 キリスト教への不信がおきないような洗脳工作ではないかと勘ぐりたくなる。
 信長ばかりか、大村も有馬も大伴も布教を許した。
 教科書では「切支丹が日本で学校を建てたり、福祉に協力する善意の使者だった」と嘘を強調する一方で、秀吉、家康がなぜ反動的に、進歩に背を向けて「鎖国」に踏み切ったのかと詰問姿勢だ。この偏向教育の基軸にあるのはキリスト教的価値観である。
 だがちょっと待った。
 日本侵略を企図したスパイ、軍事尖兵だったのがイエズス会であり、大名を洗脳し、神社仏閣を破壊し、仏像を棄却し、僧侶を虐殺し、領民を奴隷として外国船に売ったのが高山右近ら伴天連大名だった。
 こうした真相を教科書は一行も書かずに、キリスト教が善意のミッションでもあったかのように平然と記述する。
基底にあるのはGHQの神道指令だ。
またマッカーサーは聖書をばらまき、7000名の宣教師を呼び寄せ、日本国民をキリスト教に改宗させようとした。この壮大な野望は、見事に崩れ去り、いまもって日本国民のキリスト教徒は1%に満たない。
GHQの目論見は大失敗に終わった。
こうした歴史的な誤謬を著者の伊勢氏は克明に説明している。
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(読者の声1)10月27日付「毎日新聞」「朝日新聞」は、「現状と分割後を比較した市財政局の試算では、新たに218億円の行政コストが表面化し、大阪市廃止で設置される4特別区の財政運営に懸念を生じさせる結果となった」と報じていることを述べました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/820958a934d53fb470797c18ed30ae5f7b712e4a
 その後、これは前提が違う積算だとかで維新側が誤報だと騒いでおり、橋下氏などは「朝日新聞」は訂正記事を出したが、「毎日新聞」は出していないなどと喚いているようです。
 たしかに10月28日の朝日新聞では、大阪市の2局長が訂正?会見を開いた旨を報道しています。
 しかしこの記事でも、説明した2局長は、「人口規模が小さくなればスケールメリットが低減してコストが増える傾向があることを認めた上で」と述べられており、「市」機能を「分割」すればコスト増となることは認めています。こんなこと、あまりにも当然のことで、否定しようもないでしょう。
 基本的論点として、どこが誤報なのか。
 反対側は、「メリットが少なく、逆にコスト増になる」ということさえ証明できればよいのであって、賛成側が、メリットについての「強力な挙証責任」を負うのは当然です。
ネット上では、山口という方が、「損を覚悟で『都構想』に賛成する大阪市民はエライかもしれない!」と述べておられます。「エライ」というのは、もちろん、婉曲的表現で(笑)、こんな「愚案」に賛成する大阪市民は「アホウ」だと言いたいのでしょう。
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamaguchikazuomi/20201029-00205320/
 藤井聡京大教授がまとめていますが、
https://news.yahoo.co.jp/articles/19e75fc0e6fef1a7f8097236d1cbe584944eaf15?page=1
 (1)「都構想」は行政の専門研究者の間では「論外」
 (2)特別区になると、「権限と使えるオカネ」が著しく低下
 (3)行政サービス劣化:介護、医療、福祉、教育が軒並み劣化
 (4)「二重行政」という問題は存在しない
 住民投票日も迫ってきましたが、こんな「愚案」を賛成多数として可決してしまって、後の長きにわたって、「大阪市民はエライ」などと「嘲笑」を浴びされ続けることがないことを切に祈る次第です。
   (椿本祐弘)

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(読者の声2)産経新聞の大きな広告を拝見し、宮崎先生の『中国解体2021』を駅前書店で購入、二日がかりで拝読しました。
 貴誌にも時折、論評がありましたが米中激突を貿易戦争、技術争奪戦、そして金融戦争と三段階にまとめ、時系列にその実態に迫っていて、米中対決の基本構造がびっしりと展望されています。
 類書が夥しく出ていますが、中国嫌いの感情論も目立つなら、貴著は論理的に、整合性があり、大いに迷妄を開かれました。
  (SB生、横浜)

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(読者の声3)貴誌は無料マガジンでもあり、有名人のメルマガは有料が多いなかで、いまや孤軍奮闘の観がありますね。一部で根強く有料化を求める声もあるようですが、さて問題はそのことではなく、配信先を「まぐまぐ!」に移管されて以後、貴誌の登録が難しく、撥ねられます。
「登録できません」「登録に失敗しました」と友人らが言ってきます。
 なにか邪魔をされているのか、それとも無料マガジンは冷遇されているのか、問題があると思います。貴誌の増大、読者拡大を望まない勢力のメカニズム攻撃かとまで考えてしまいます。貴編集部ではいかなる対策を取っていますか?   
   (JJセブン)

(編集部から)率直に申し上げて、お手上げの状態です。メカニズムに弱いので、対策がありません。

(宮崎正弘のコメント)昨晩の番組(フロントJAPAN)でも、上島嘉郎氏がフェイスブックノ「検閲」実態を報告されていましたが、小生もウィキペデイの書き換えなどで悪影響がでています。
  https://www.youtube.com/watch?v=DUy6BtdvFrM


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(読者の声4)  大東亜戦争敗戦七十五年後、祖国防衛の第一線で戦った決死の兵士達の多くが鬼籍に入られている。身内がどうだからとかでもありあせんが、つい先日初めて地元の護国神社の秋季例大祭に参列した。
二年前の終戦記念日に別の自治体の護国神社の慰霊祭に参列して以来で、「護国神社」参拝は二回目ですが、個々の場所に靖国とはまた違う雰囲気がある。(貴誌読者諸兄の様な立派な保守層の方々は春秋季の例大祭には必ず参列されると推察(汗)。安倍ちゃんも首相退陣後に辻褄合わせの如く靖国を二度参拝したが、小泉パパの様に退陣後は露骨に参拝止めるよりマシか、笑)
 貴誌通巻第6621号(読者の声2)に掲載された拙文で、国民的資産であるインフラ造成維持問題を長期的視野で判断出来ない熊本と秋田の愚鈍な知事に付いて述べました。令和二年の今日、御存命の元兵士の方々も九十代となり、安全保障観または国家観そもそのが欠落した知事など自治体の長達が日本全国にサバクトビバッタの如く大量発生している。
 地域エゴ或いは権益か、奴らは日本国家に対して悪質なクレーマーの如く振る舞う。その最たる例がわずかな県域しか通過しないのに、JR東海のリニア中央新幹線の工事着工を滞らせる、川勝平太という学者上がりの静岡県知事である。このまま推移すれば、東京と名古屋間開通予定の2027年に間に合わない。川勝の言い分は大井川上流の水源の保全だが、本音は東京、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜、愛知とリニア沿線七都県の中で静岡県だけに駅(益)が無いので妨害したのだ。因みに静岡市は静岡県とは正反対の立場である。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1910/03/news005.html

 国は大井川上流地域を県境変更して山梨県域に移すべきである。さらに伊豆半島全域は歴史的に関東地方とつながりが深いので、静岡から剥がして神奈川県に加える「静岡処分」がスッキリして良いであろう。大体、静岡に新幹線の駅がいくつ要るのだ?(怒)。

 話は変わるが、フランスで新型コロナ感染症による一日の死者数が27日に523人に達し、欧州に本格的な「第二波」が到来。各国は再び外出禁止令を出さざるを
得ない。色々要因があるが家に靴のまま入るからという指摘もある。デイリー新潮記事では在仏日本女性が、「欧米ではホテルだけではなく、個人の家でも靴のまま入るのが普通です。外を歩き回ってきた靴で室内やバスルームまで入るのですから、日本人の感覚としては衛生的とは言えません。また日本のように幼稚園や学校で上履きに履き替える、という習慣もありません」と報告。信じられないが欧米では道で犬の糞を踏みそのまま家に入り、バタンとベッドの上で寝るとか言う事が普通なのだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2268c26e6915b3caca3f9b9b4e1482236cf452ce

 先進国の欧米でこれでは、南米やアフリカや南アジアなど発展途上国で新型コロナ感染拡大が近々収まる訳もない。いまだに新型コロナを治療薬や効果的な
ワクチンの有る弱毒のインフルエンザと同一視する人が居るが、30日時点で新型コロナの世界の感染者総数は4470万人で死者117万人、つまり死亡率2.6パーセント
である。感染者数がこれだけ増えてもインフルエンザの26倍の死亡率なのだ。よって、東京五輪の来年開催に期待しても無理。竹田恒泰氏などは、2024年のパリ
五輪を四年ずらせて、東京で開催すれば良いと主張。ただ、新型コロナの影響での混乱は四年後でもまだ残るであろう。ならば、東京(と名古屋共催)五輪をパリ
五輪の後の2028年に開催すればどうか。政府が強力に指導すれば、リニアは開催までに間に合う。そこで、東京と名古屋を四〇分であたかも一つの巨大都市の様に結びつける世界初のスーパーメガポリス五輪を日本で開催し、海外から訪れる人達に時速500キロの世界最速列車に 乗ってもらい日本の最新テクノロジーを見せつける。マラソンなど炎天下の東京から離れて東京と名古屋の中間地点の飯田ででもやれば良い。   (道楽Q)


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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月30日(金曜日)
        通巻第6684号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~中国「五中全会」、次期後継を示唆する人事はなかった
  「中国的特色をいかす『大国外交』を実践する」そうな
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 10月29日、四日間にわたった中国共産党第十九期第五回中央委員会総会(五中全会)が閉幕した。開催場所も明示されず、五中全会の議事進行は秘密裏に進み、終了後、コミュニケが発表された。

結局、決まったことは何かといえば、2035年までに『先進国』並みを実現し、その前に建軍百周年を迎える2027年までに、中国人民解放軍を「完全に近代化」達成すること、経済は国内外両輪で発展させる(双循環)ことなど。

 具体的には2035年までに一人当たりのGDPを先進国並みの3万ドルにしたいとすることだが、貧富の格差が天文学的に開き、ジニ係数が0・62という体質。
しかも四千年にわたってシナ人に染みこんだコアパーソナリティを変革することは殆ど不可能だろう。
農村では一ヶ月2万円以下で暮らしている人々が数億もいる。

 人事が発表されるという一部の観測があったが、筆者の情報筋からは「今度の大会で人事異変はない」と事前予測が強く、その理由を「習近平は終身皇帝を狙っているからだ」と説明した。「

習の子飼いのなかでも、李強(上海市書記)、丁せつ祥(中央弁皇室主任)、陳敏爾(重慶市書記)、李希(広東省書記)らが政治局常務委員へ昇格するなどという予測もあった。軍人も習のお友達が軍事委トップを飾っており、移動が行われると予測された。いずれも発表がなかった。
      
  ♪
樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2152回】           
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港34)

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 新亜研究所で教えを受けた先生方について、指導教官の陳荊和先生から思い出すままに綴っておきたい。
先生の本貫(ルーツ)は福建省?州で、五・四運動の2年前の1917年に台湾の台中に生まれた。たしかお爺さんもお父さんも慶応義塾出身だと記憶する。先生は東京の番長小学校、麻布中学校を経て慶應義塾大学文学部史学科へ。1942年に卒業し同じ慶応の語学研究所で助手に採用されている。
1年後の1943年にハノイ極東学院に。国費留学生で、小泉信三の激励を受けてハノイに旅立ったというから、政府・大学の双方から相当に期待されていたに違いない。

 おっとりした奥さんだったが、ヴェトナム貴族の血を引くと聞いて納得。ハノイ留学中に知り合ったのだろう。
 
敗戦を機にハノイから台湾へ。台湾大学(1946年~)、フエ、サイゴン両大学(58年~)、香港中文大学(62年~82年)で東南アジア史、華僑史、日本研究などの講義・研究を進めた。中文大学退職後は日本に移り、創価大学(82年~93年)で中国文化研究所長、アジア研究所長などを歴任した後、アメリカに移住。16世紀から17世紀の東南アジア華僑、さらには漢字を基にしたヴェトナムの伝統的文字の字喃の研究における国際的権威で、慶応大学、南イリノイ大学、ソウル大学、高麗大学、北京大学などでも教壇に立っている。1995年、ホーチミン市で客死。

 初めて先生に挨拶したのは香港留学前で、三田の先生の研究室だったと記憶する。
第一印象は温厚そのものだったが、いざ香港での研究指導が始まると、時に厳しさが爆発した。そんな日の夜は、酒量を増やして気分一新である。いまから振り返れば、もっと素直に真面目にしつこく研究指導を受けて置けば、と。繰り言に過ぎないとは知りつつも。

 なにせ番長小学校、麻布中学校から慶応義塾である。日本語は山の手のおっとりタイプ。加えてヴェトナム語、フランス語、英語、中国語に広東語、それに生地の台湾語とコトバに不自由はない。敢えて母語を尋ねると、しばらく考えた末に「ウ~ン、日本語かな」と。

 お子さんは女、男、男、女の2男2女。長女はフランス、長男はアメリカ、次男は日本に住み、香港では奥さんと末っ子の次女の3人暮らし。日常は奥さんとはフランス語かヴェトナム語、次女とは広東語、長女とはフランス語で、長男とは英語、次男とは日本語で。講義は広東語に中国語で、時に英語だった。

 コトバに関する限り、日本では考えられないような複雑極まりない家族構成ではある。そこである時、「コトバがバラバラで、家族の共通感情を持てるのか。家族が一堂に会した時、そもそも何語を話すのか」と伺ったことがある。すると「特に気にしたこともない。意思疎通に特に苦労した記憶もない」と「驚くべき返答」だった。

後に改めて華僑・華人に興味を持つようになってみて、日本人の常識では理解し難い事象にぶつかる度に、先生のことを思い浮かべる。

 祖先が福建省南部から台湾へ。台湾で生まれ、幼少期から青年期を日本で学び、青春の一時期はハノイ。その後、台湾に戻り、南ヴェトナム、香港、さらに日本と研究生活を続け、やがて老後を過ごすべくアメリカへ。
突然に迎えざるをえなかった人生終焉の地がホーチミンである。香港、フランス、アメリカ、日本と居住する国や地域は違えども家族は家族・・・まさに先生の人生こそ「四海為家(世界は我が家)」そのものだったように思う。

 だが先生一家だけが特別と言うわけではなかった。香港で知り合った多くは家族が、血縁が、友人が世界各地に住んでいた。
むしろ香港にしか家族・親類・縁者がいない方が珍しいほど。この事実を皮膚感覚で知ったことも、香港に留学したからこそだろう。
      
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(読者の声1)「大阪市廃止・特別区設置」賛成派は、「都構想」などという、何らの実体もない「言葉遊び」は止めるべきです。
 そもそも明治の初め、県制度の発足の際、東京・京都・大阪については「三府」とし、官選知事直轄地としたのは、江戸時代から幕府直轄だったこと、その中でも、特に規模が大きかった江戸、京、大坂を指して「三都」と一般に呼称されたという歴史的経緯からでしょう。
その後、昭和18年、東条内閣の手で、国法により「東京府」を「東京都」に変え、「東京市」「東京市長」を廃止したため、現行の「一都二府」の体制となったのです。
この時は、「東京市」は廃止されたものの、35の行政区はそのままでした。現行の23(当初は22)の特別区体制に「統合」されたのは、戦後の占領時代(昭和22年)です。また、東京市は、「自らの手で」、「市」「市長」を廃止し、市区部を「分割」するというような愚かなことは行っていません。
逆に、初めて東京府知事から独立した「市長」が置かれた日を「都民の日」としているのです(昭和27年制定)。ここには、「東京市」を、発展的に「東京都」に奪胎していくのだという姿勢を読み取れると思います。
(後の手続きを経て)「大阪府」の名称を「都」に変えたからと言って、それだけでは何らの革新的効果も、実体的効果も、生じるわけがありません。
 「大阪都が出来れば、二つの文化の拠点ができるので、面白いかもしれない」(下重暁子氏、『週刊朝日』10月30日号)などというのは、根拠も論理も無い、全くの妄言であり、論者の知能レベル、判断力を疑いたくなります。
 なお吉村大阪府知事は、道州制にも言及しているようですが、道州制というのは基礎自治体を強化する一方で、府県のような中二階的な組織はブロック単位に統合していこうという構想のはず。
 基礎自治体である大阪市を「解体」するような考えとは、真っ向から矛盾するはずです。
 片山善博氏が言うように「区の貧富の差は財政調整制度で埋められます。ただし地方自治法や、住民投票の根拠である大都市地域特別区設置法に大阪市を復活させる規定はありません。都構想の推進側は住民投票で敗れても何度でも挑戦できますが、反対派は一度負けたらゲームオーバーです。大阪市民は、自分たちが背負うことになる結果についてよく考える必要があると思います」。
 住民投票にあたっては、大阪市民の良識が発揮されて、「大阪市廃止案」が葬られ去ることを祈ります。(椿本祐弘)

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(読者の声2)アメリカ大統領選挙の行方が注目されますが、2014年から2019年までアメリカのアメリカに赴任しトランプやラストベルト(米国中西部から北東部の衰退した工業地帯)などを取材してきた朝日新聞の記者まで自身の取材経験をもとに世論調査の数字に違和感を感じているらしい。
ネットではハンター・バイデンの「不適切な関係」画像が出回り、それを抑えようとするツイッター社を揶揄するGIF動画まであり笑えます。
https://dotup.org/uploda/dotup.org2290705.gif
 父親は痴呆症のロリ疑惑、息子は麻薬漬けのセックスジャンキー、息子の息子は9インチ砲(メジャーで計測している画像あり)とマイナス要素が多すぎてとても大統領選挙で勝利できるとは思えない。郵便投票が多い今回は高橋洋一氏がいうようにトランプ・バイデン両者が勝利宣言し、来年1月の就任式直前までもつれるかもしれませんね。 (PB生、千葉)

(宮崎正弘のコメント)小生が信頼している(?)のは政治オッズ(賭けサイト)です。先週はイーブンでしたが、29日現在まだバイデンが僅差でリードです。

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(読者の声3)日本文化チャンネル桜から番組のお知らせです。本日(30日)夜の「フロントJAPAN」は、宮崎正弘さんと上島嘉郎さんのコンビでお届けします。テーマは「中国共産党 五中全会の意味すること」ほかです。深夜にはユーチューブでもご覧頂けます。   (日本文化チャンネル桜)


(読者の声4)中国では2021年が中国共産党成立100周年。その100年前の地図を探すと1922年のロンドン・タイムズ発行のものがありました。
https://www.davidrumsey.com/luna/servlet/detail/RUMSEY~8~1~3183~450014:China---political
 この地図を見ると清朝が満蒙回蔵の同君連合だったという宮脇淳子女史の言葉が理解できる。外蒙古は多くの汗部にわかれ内蒙古はハルビンの西にまで至る。さらに古い清朝末期の地図(1903年、シカゴ、ランドマクナリー社)を見ると新疆がジュンガルと東トルキスタンに分かれている。
https://www.davidrumsey.com/luna/servlet/detail/RUMSEY~8~1~37942~1210790:East-Asia
 ジュンガル盆地のオイラートは18世紀半ばまで清朝に服属せず反乱を繰り返したようですが、ウイグルに対しては支配する側でありオイラートの圧迫を逃れて移住する回族も多くいたとも。中国で火鍋や串焼きといえば羊肉で、多くの都市に清真寺という中国風のイスラム寺院がありますから納得です。
 満洲国があった時代の本を読むと満蒙という言葉は広義では満洲と蒙古ですが、狭義では満洲国内と隣接のモンゴル人地域を指す言葉だったようです。
楊海英氏の本に出てくるモンゴル騎兵によるチベット侵攻の話、現在の地図では遠く離れた地域に思えますが、昔の地図なら甘粛省を挟んですぐとなり。世界の民族問題や国境紛争など第一次・第二次世界大戦前後の地図を見ると理解の助けになります。(PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)小生は随分と昔に『中国大分裂』(文藝春秋、ネスコ。絶版)という本を書いたのですが(すぐに中国版がでましたが)、以後しばらく、中国分裂論は日本の論壇からも消えていました。
 天安門事件直後には欧米に亡命した学者らが「中華連邦論」を唱えていましたが、これも下火です。
 本質的には七つほどの分裂したほうが良いことは分かっているはずですが、大中華思想が、ときに分裂論を圧殺します。


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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月29日(木曜日)
        通巻第6683号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~五全中会は何を決めるのか。習近平の終身独裁皇帝を追認するだけ?
  「マスク外交」から「戦狼外交」、そして次は「ワクチン外交」を展開
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 必死の形相で王毅外相は欧州を駆け回ったが、対中感情の悪化を修正できず、慌てて楊潔ち国務委員もスペインなど南欧を巡回した。さっぱり効果なしと分かったのが八月下旬だった。根底にあるのは中国が派手に転回したマスク外交への不信である。

 とくにスウェーデンやノルウェイ、チェコ、ポーランドなどがはっきりと反中国を示すようになり、いまでは親中路線の欧州の国といえば、ハンガリーくらい?
 チェコは国会議長らが集団で台湾へ赴いた。中国は歯ぎしりして、制裁を口にした。

 オランダもスペインも、その他の欧州各国で中国が供与したマスク、とくに医療用マスクならびに人工呼吸器が不良品、大量に突き返し、「中国はまるで火事場泥棒」という評価が欧州ばかりか世界中で固まった。

 それでも欧米並びに主要な工業国家で、自国製マスクを製造していないことが分かり、米国では自製への試行錯誤がつづいた。日本ではシャープなどかなり成功したものの、ドラッグストアやスーパーで売られているマスクは殆どが中国製、「道の駅」へいくと地元の主婦らが編んだマスクも並んでいる程度で、依然として中国依存である。

 鳴り物入りの米国進出だったホンハイ(鴻海精密工業)のウィスコンシン州工場は、半導体ではなくマスクを生産することに切り替えて対応したが、それはともかく「マスク外交」は中国の評判を落とした。

 そこで中国は飴と鞭の「戦狼外交」に切り替えた。脅しと金のばらまきで票を買うという中国の強権発動に、民主主義国家は反発した。

欧米では逆に人権、民主の声を高めたのだが、中東やアフリカ諸国では、中国と似た専制政治が多いため、一定の効果を挙げた。
 日本では嫌中論が拡大しているにも拘わらず、政官界、財界並びにメディアにはパンダハガーがうようよと遊弋し、世論を誘導している。日本政府は決定的な対中態度を示せないでもたついている。


 ▼もし米国政治に空白期間が生まれたら、台湾侵攻もありうるだろう

 11月3日、アメリカの大統領選挙投票日。おそらく開票に手間取り、ひょっとして一月の新大統領就任式まで、トランプのレイムダック化があるとすれば、習近平は国内をまとめるために台湾侵攻に打って出る可能性がある。
 台湾本島ではなく、台湾軍の常駐している東沙への侵攻というシナリオが、もっとも蓋然性が高いと軍事専門家の間では囁かれている。

 両天秤をかけながらも中国は、「戦狼」路線を「修正」し、こんどは「ワクチン外交」に転ずる気配である。
 中国製ワクチンなど、聞いただけでも眉唾と思いきや、なにしろ米国の薬剤、とくに抗生物質は90%を中国に依存している。したがって中国がワクチンを欧米や日本に先駈けて売り出す可能性が高いのだ。

 まして外交武器として廉価で供給するとなると、中国に飛びつく国々が山のようにある。一帯一路で借金の山を前にして呻吟するスリランカやパキスタンなどでも、またもや中国のワクチンほしさに外交の基本を切り替えることを躊躇わないだろう。
 中国は、北京依存から脱却を試みる国々をつなぎ止めるためにもワクチン外交を有効活用しかねない。

 トランプ外交は中国を孤立化させることにあるものの、欧州では英仏くらいが同調しているのみ。それも英国は旧植民地の利権、フランスはいまもニューカレドニア、タヒチなど植民地をかかえているので、日米豪印のインド太平洋戦略に関与せざるを得ない。ドイツは曖昧な態度を示してきたが、フランスと並んで、ふたたび都市封鎖に踏み切り、中国への不信感が急拡大している。
 西側のアキレス腱は医療現場の困惑、中国はスペイン、伊太利亜などに目標を定め、着々とワクチン外交を準備中というわけだ。

      
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(読者の声1)遅くなりましたが、貴著『明智光秀 五百年の孤独』(徳間書店)を拝読した感想です。明智光秀論は凄い。連句会での発見は凄い。こんなところに真実があって、其れを発見されるまで明智光秀が浮かばれませんでしたね。俳句に託して光秀は武と文、その心が分かっていたのでしょう。
戦後、物資主義などで解釈すると、信長信奉になって、まさにGHQに洗脳されたしまった。しかし東京裁判で日本の武を裁いても、日本人の心は裁けなかったのです。
 日本学術会議的に解釈すれば明智は悪人になる。戦後の事大主義の学者、進歩的文化人が日本を悪に仕立て上げ、GHQはさぞ満足していたのでしょう。そんな感想を抱きつつ、貴著を拝読し終えました。  (TS生、横浜市戸塚区)

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(読者の声2)『ガラガラヘビ』というミニコミ誌に、山本光久氏が、次のように書いています。
 浜某女史が菅野ミクスを評して「スカノミクス」や「アホノミクス」と比喩したことを称賛する一方で、「三浦瑠璃とかいうクソが、ベネディクト・アンダーソンの「想像の共同体」すらまともに読めないクソ莫迦の自称「国際政治学」云々と罵詈雑言。
凄まじい侮蔑語満載、こういう評価もあるのかと呆れかえった次第ですが、いかに?     (YH生、大宮)

(宮崎正弘のコメント)両女史の名前だけは存じておりますが、著作を読んだことがないので、コメントのしようがありません。あしからず。

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(読者の声3)最後に貴誌「読者の声」欄に愚文を掲載して頂いたのが二ヶ月前。ふと気が付けば、自由陣営の中軸である良好な日米同盟の担い手である安倍首相が持病悪化の為に突如まさかの退陣。さらには米側カウンターパートのトランプ大統領も再選が困難と連日の報道。「トランプ=安倍の蜜月関係」は「バイデン=菅の通常関係」に置き換えられるのか。政権末期には貴誌読者諸兄からも批判が多く出たが、それでもなお安倍晋三という人物は五十年に一度の稀有の逸材であり真のステーツマンであったと思う。
難病の持病を抱えながらの七年八ヶ月の首相在任に感謝したい。と同時に、病状回復の折には未だやり遂げてない宿題を推進する原動力として身を粉にしてもらいたい。
 さて、最近の貴誌記事中で愉快なのは、【知道中国】での樋泉克夫教授の青春の躍動感溢れる香港留学時代シリーズである。
若い人など現代の感覚では、シナ語を身に着けるのに「北京や上海では無くて何故(広東語の)香港なのか」と思ってしまう。物を知らぬおらなども漠然とそう感じたが、樋泉教授が香港留学を始めた1970年頃と言えば、シナ大陸では文化大革命の嵐が吹き荒れる最中である。
 日中平和友好条約(1978年)も、日中共同声明(1972年)すらまだだ。当時宗主国英国の情報機関などは大陸から香港への脱出者から共産中国の内部情報を相当収集取しただろう。当然米国も情報共有した筈だが、樋泉教授は戦前から大陸につながりの有る日本人もかなりの情報を取っただろうと暗示する。
だが果たしてそれが当時の防衛庁や公安警察や外務省、さらには内閣官房にキチンと上がったのか。
 日中共同声明調印交渉の為に北京のホテルに滞在していた田中角栄首相が朝食に「毎朝食べる指定のアンパン」を出され呑気に驚いたが、首相に同行した公安幹部は当時の中国の調査力にショックを受けたという。
 日中間に国交の無かった当時に、中国当局が如何にして首相の嗜好など身内しか知りえない機微な個人情報を持ち、さらには日本から物品を入手し得たのか。国交の無い時点でそうなら、現在では日本の要人の弱みなど個人情報は丸裸同然であろう。(確か中国の女スパイに携帯番号を教えた首相が居た、苦笑)。
  (道楽Q)

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(読者の声4)「大阪市廃止・特別区設置案」では、二重行政解消どころか、府・一部事務組合・特別区の「三重行政」になり、事務の進展が現状よりも阻害される
恐れが強いことを述べましたが、府知事・府議、4区長・区議も別個に選挙される以上は、それらが同一会派によって占められることは必然ではなく、府と4特別区間の利害抵触も懸念されます。 そして、区長、区議会の自治性、独自性、競争性が発揮されればされるほど、4特別区間の差異、不公平は顕在化することになるでしょうし、逆に、そうでなければ個々に分立させる意義が少なくなります。 自治性と公平性は相反的でしょう。
 この点に関しては、片山善博氏が、旧自治官僚で、総務大臣、知事の経験もあることから、当然ながら、実務も踏まえた上で、説得的な主張をしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/24bb84752b3318d42b9331b217a9a6199679aa68

 10月27日付「毎日新聞」「朝日新聞」は、「大阪市を分割した四つの自治体の行政コスト『基準財政需要額』について、現状と分割後を比較した市財政局の試算では、新たに218億円の行政コストが表面化し、大阪市廃止で設置される4特別区の財政運営に懸念を生じさせる結果となった」と報じています。
 https://news.yahoo.co.jp/articles/820958a934d53fb470797c18ed30ae5f7b712e4a
  
 総務省は「行政事務は一般的にスケールメリットが働き、規模が大きくなるほど経費が割安になる傾向がある」という考えのようですが、当たり前の話であって、「統合」するならともかく、「分割」して運営効率化が図られることなど通例ではあり得ず、費用が増加することは必然でしょう。
 10月27日の読売新聞によると、反対派の数が増加してきたことについて、維新の幹事長が「特に若い世代に理解が浸透していない」などと妄言を吐いているようですが、狂っている。通常の判断力さえ具えていれば、若い世代が、維新の唱えるような妄説、妄論、愚論に従えるわけがないでしょう。
 多大の初期経費をかけて「自己破壊」を行い、行政運営上、財政上、マイナスが出る可能性が大きい政策など、あまりにも愚かで、「暴挙」としか言いようがありません。(椿本祐弘)

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(読者の声5)「維新の会」のお里が知れた。前の市長だったか知事だったかの橋本某の講演料が216万円だそうです。テレビ出現が百万円という噂を耳にしたこともあります。
 大阪市民って、いったい何を考えているのでしょうか?
 こういう価値観がまったく分かりません。しかも自治体とか公的機関に準ずるところが講演先とか、税金の無駄遣いではないのでしょうか? (ナガスネヒコ)

(宮崎正弘のコメント)大阪湾突入に失敗したカムヤマトイワレビコ(諡=神武天皇)に立ち向かったのがナガスネヒコ、筆名に寓意ありですね。


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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)10月28日(水曜日)参
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 特典音声の内容
 (1)いよいよ断末魔の中国経済(約7分)
 コロナ後、中国は経済が急回復していると喧伝しているが、その裏で銀行倒産が相次ぎ、大学新卒者の未就職者や海外企業の中国撤退が急増している。中国政府による粉飾のカラクリと、中国政府がひた隠す実体経済の惨状を最新データから解説。
(2)金融から潰れはじめた中国(約12分)
 中国の債務は9900兆円! このうちどれほどが不良債権化するのか。一帯一路の失敗や地方政府のデフォルト危機、不動産業界の危機的状況のなかで、香港の金融を潰したことによる甚大な悪影響の現実を語る。
(3)政府も共産党幹部も最悪の事態に向けて動き出した(約9分30秒)
 新型コロナを利用して大儲けする中国企業、その一方で中国共産党幹部は不正蓄財の海外逃避を加速させている。日本国債を買い漁る中国政府など、中国は企業も役人も政府も、最悪の事態に向けて動きはじめた実態を暴く。
(4)米中最終決戦の行方と日本内部の親中派(約10分)
米国をはじめ各国で始まっている中国排除。中国は「輸出管理法」で対抗、日本では日本学術会議が「千人計画」との関係を取り沙汰されている。米中最終決戦のなかで、親中派が暗躍する日本および菅政権の行方を読む。

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)10月28日(水曜日)弐
        通巻第6682号 
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(速報)インド、米国と防衛協同を鮮明に
   台湾への武器供与に続く中国封じ込めの実体化
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 10月27日、スリランカ訪問に引き続きポンペオ国務長官はエスパー国防長官とともにニューデリーを訪問し、モディ首相と会見した。
その席で、「米印防衛協定」といえる共同声明をだした。電光石火の早業、これは台湾への武器供与に次いでアジアの安全保障体系を画期する外交史上にも重要な出来事である。
 
 インドは米国との関係改善を比較的緩慢に進めてきたのも、武器体系がロシア基軸であり、いきなりF16など米国のジェット戦闘機のシステムに移行できることは不可能とされてきた。

ロシアもまたインドは最大のロシア製武器輸入国であり、インドとは過去七十年に亘って、両国がともに外交的に裨益してきたのだから、この防衛の基軸を乱すような米国の乱入には警戒をしていた。
実際にロシアとインド関係は密接であり、モスクワから印度各地に直行便がある。

 「暴君を追い払う」とポンペオ国務長官が鮮明にしたように、米国とインドの共同声明は実質的な防衛協定ともいえ、ラダック地区の中印国境紛争が直接の動機である。主として米国は地図情報を供与するという。

 ポンペオ国務長官はインドの有力視『ザ・タイムズ・オブ・インディア』との独占会見において次のように述べた(同紙、10月28日)。 
 「この戦いは自由と全体主義の戦闘であり、インドはその戦場の一つである。米国はインドと同様に民主主義、自由と主権を尊び、中国共産党の全体主義暴政と闘うインドならびに全世界の自由主義国家と同じ立場を共有するものである。
全体主義中国は、国境を接する国のみならず、一帯一路の関与するすべての国家の安全にとっての脅威であり、インドの国民の安全を守るためにも、米国は最大限の支援を惜しまない」。

     
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(読者の声1)貴誌6675号 にて渡邊惣樹氏が『戦後支配の正体 1945~2020』(宮崎正弘/渡辺惣樹著、ビジネス社)の中で、「やはり今の経済学者に欠けている議論は中央銀行とは何か、貨幣とは何かの議論です。これらの持つ怪しさについて一切触れない・・・貨幣とは何かについてはいまだにわからないことがある」と繰り返し強調しておられると私は記し、それは今の経済学では説明できない何かワケがあるためであり、それを解明するためには経済学分野でも「歴史修正主義」が求められているのではないかと申しました。
本稿ではまず渡辺氏が何を以って「中央銀行や貨幣の持つ怪しさ」と言っておられるのかを推察してみようと思います。
 1.「(イングランド銀行の説明によれば)銀行は、預金という貨幣を元手に貸出しを行うのではない。、貸出しによって預金という貨幣が創出されるのである。
銀行による貸出しは、本源的預金による制約を受けずに、借り手の需要に応じて行う。銀行は、企業家に対して、理論的にはいくらでも資金を貸出すことができる。
・・・銀行の融資活動によって、貨幣が新たに創造されるのである。」と「富国と強兵」(中野剛志著)に書かれている。即ち民間銀行が中央銀行はおろか、誰とも無関係にマネーを創造し、”勝手“に社会に放出している実態を述べている。なぜ民間銀行はこのような「好き勝手な事」ができるのだろう?国家が民間銀行に本来は「私的貨幣」であるマネーを「公的貨幣」にauthorize なしに転換することを放任しているのは「通貨偽造」を認めているのではないか?


2.更に恐慌時になると、流動性支援はまだしも信用性支援を民間銀行にたいして国家が税金で救済していることを容認しているのは、言語道断ではないのか。

 3.歴史的経緯を斟酌すれば、民間銀行が自行名義の通貨を発行し、融資することは今でも認められるかもしれない。しかし通貨単位は大きなブランド力(信用力)を保持していることを誰もが認識しているがため、通貨はそれなりの信用力を有することができたのである。それにも拘わらず民間銀行は円という通貨のブランド料を払わずに、自行が融資したマネーに自国の通貨名を”自由に“使っているのである。それは近代社会の一般的倫理観からすれば不条理といえよう。

4.歴史的経緯は誰でも書籍にて知ることができる。しかし今に至っても誰もが公的機関と了解している中央銀行がアメリカのように民間資本から成っていることをなぜ放置しているのか?

5.民間銀行は融資の際、その金額のままで資産として簿記上記帳しているが、これは会計学上の大きな誤り(トリック?)ではないか? 

6.コロナ危機以後、あれほど「姦しかった」財政規律派と積極財政派による議論は突然消え、今までの金融分野に「限って?」いた支援を観光・外食産業など純粋な民間分野にまで「アッと言う間に」広げ、世界中が巨額の財政出動を開始した。財政規律派はひと段落過ぎたら極端な大増税の波が押し寄せてくると思いつつダンマリを決め込んでいるのか?それとも全く新しい「経済理論」が生れたのか?
 以上に関し、私は(推測するに渡辺氏も同様に)今の経済学には「経緯説明」はあっても「現代的」な「理屈や正統性」が語られていないとおもっています。もし実相を語る人が現れたらその人物は「名誉ある」「歴史修正主義者」の謗りを免れないことでしょう。
(SSA生)

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(読者の声2)貴誌6680号にある、中国国歌を日本の学校で堂々と歌うなんて、信じられませんね。
 有名な反日ソングです。1935年制作の『風雲児女』という満洲事変に立ち上がる中国青年たちを描いた中国映画の主題歌です。
 校長や理事長たちは知らないのか、知ってて許しているのか、もう日本は侵略された
も同然です。世も末ですね。
(田中秀雄)

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(読者の声3)最新調査によると、「大阪市廃止・特別区設置」について、「反対」が賛成を上回りつつあるようで、喜ばしいことです。 愚案であることが周知されてきたのではないかと思います。
 多大の経費をかけて、現状を変えようと主張するなら、その意義、メリットについて「強力な挙証責任」を負うべきであって、それに対して、反対派は、「メリットが少ない」ということを主張さえできれば十分であることは、論理的に当然のことです。その意味で、「よくわからない」という方は「反対」するべきことも当たり前でしょう。
 小生は、関東に現住ですが、先週末、2泊3日で大阪へ行ってきました。街頭では、(大阪市廃止)反対派の活動を何か所か見かけたので、激励してきました。土曜日昼、梅田のヨドバシ・カメラ前では、山本太郎氏が街頭演説しており、かなりの聴衆を集めていました。
 賛成派運動員(維新の一派)に対しては、「そもそも、大阪市を『廃止・分割』して、具体的に、いかなる合理化効果があるのか」と問いかけたのですが、まともな回答もできずに、逃げていきよった。愚かな連中です。
 滞在中に、TVで、松井市長・自民・公明・共産の代表者による討論番組も見ることができましたが、特別区設置コストについてなど、枝葉の議論が多いように感じました。 無用の愚策のために経費をかけるなど、額の多少にかかわらず、そもそもからして、許されるはずがないのです。
 さらに、現在の大阪市庁舎を4特別区の「合同庁舎」にする案など、滑稽極まる。 
 4区のうち3区の本庁舎とその職員は、当該自治体管轄区域の外に存することになります。 そのような奇怪、奇態な「自治体」などあり得ない。呆れるほかありません。
 しかも、その「合同庁舎」内で、多数の一部事務組合を設置し、全ての事務所・人員を4分割して、共通管理部門も個々に設置しなければならなくなります。
 二重行政解消どころか、府・一部事務組合・特別区の「三重行政」になり、事務の進展が現状よりも阻害される恐れが強いでしょう。
  (椿本祐弘)

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(読者の声4)「第2回 守る会創立一周年記念講演会・第14回 新東京塾」のご案内
「皇統(父系男系)を守る国民連合の会」創立一周年を記念して、「新しい歴史教科書をつくる会東京支部」 との共催で、第2回 守る会記念講演会 ・ 第14回 新東京塾(研修会・懇親会)を、下記の要領で開催いたします。
               記
<正統な皇統を死守しなければ、日本は 「日本」 でなくなる!>
日 時  令和2年11月15日(日)13時~16時30分
会 場  文京シビックセンター・4階 シルバーホール 
研修会  基調講演 「女性天皇も女系天皇も日本を滅ぼす」 
     講師: 竹内久美子氏 (皇統(父系男系)を守る国民連合の会 呼掛け人)
「反皇室としてのマスコミと、菅内閣」 (14:00~14:40)
     講師: 水島 総 氏 (皇統(父系男系)を守る国民連合の会 顧問)
懇親会  17:00~19:00 会場は、シビックセンター付近の居酒屋
       (参加自由 申込者 優先 ただし、余席がでれば、会場で募集)
会費    研修会 1,500円(予約優先、ただし、 余席があれば、聴講可)  
       (ただし、大学生・大学院生は500円、高校生以下は無料) 
懇親会  4000円(両講師ともご参加の予定です。) 
共催   「皇統(父系男系)を守る国民連合の会」
 「新しい歴史教科書をつくる会東京支部」
申込先   加藤幸太郎 TEL090-9244-2096
FAX 03-5993-1287
     MAIL  2740kxuy@jcom.zaq.ne.jp

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(読者の声5)アメリカ民主党大統領候補のバイデンの息子の、ハンターバイデンの不始末によって、政治生命の危機に晒されている。それも、水没したパソコンを修理に出し、どこに出したか忘れ、スタッフが方々の修理店に電話したという。
 だが修理店は、おかしな電話だと疑い、不審に思い、あるとは言わなかったのだろうか。それとも、その時にはすでに、FBIとジュリアーニに渡していたのだろうか。バイデン候補は、いかに息子とは言え、依存症者を信頼したのがまずかった。
 反面のトランプは、兄がアルコール中毒なのに、救いの手を差し伸べなかった。冷たい男だと、姪が暴露本を出した。結果からだけ見ると、冷徹なトランプが賢かった。
 人は良いが、指導者になれない人。冷厳だが、困難な環境を打開する人。果たしてアメリカは、世界の覇王として、どちらを選ぶのであろうか。
  (斎藤周吾)
          


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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)10月28日(水曜日)
        通巻第6681号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~トランプ再選、まだ緑信号を打てない情勢
  激戦地区でトランプ猛烈な巻き返し、ペンシルベニアが最激戦区
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 前回もペンシルベニア州でトランプが逆転、最終的な勝利に直結した。
 27日のペンシルベニア集会には、ファーストレディのメラニア夫人が初めて選挙キャンペーンに登壇した。

 10月27日時点でのNYタイムズの世論調査ではバイデンが49%、トランプが43%と、ついに6%の差に縮まっている。左翼のNYタイムズは民主党支持であり、しかもバイデン支持を社説に掲げているくらいだから、それを割り引くとトランプは逆転している可能性を示している。
 なにしろ全米メディアの66%がバイデン支持である。

 トランプが明確にリードしているのはオハイオ、モンタナ、テキサス州で、頭ひとつトランプがリードしているのがウィスコンシン州、草深きジョージア、激戦区はミシガン州、バイデンがリードしているのがネバダ州と大票田の西部三州とハワイだ。

 伏兵が期日前投票と、郵便投票である。すでに6400万人が投票を済ませた。このように異常な事態が出来しており、このうち激戦区では3200万人が投票を終えた。メディアの推測による既投票者の内、2000万人がバイデンに入れたとNYタイムズが推定している。
 トランプは僅かに800万人。むろん、民主党は草の根の組織を誇り、組織動員の結果であるが、やはり、トランプ陣営にとっての懸念材料である。
 トランプの辛勝区に対して民主党は訴訟をおこす準備であり、ひょっとして11月3日夜からの開票作業は、数日かかることが本気で予想される。

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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2151回】           
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港33)

       △
 第一日文共同経営の3先生の中で、最も親しく多くの教えを受けたのはD先生だった。その多くはブランデーをガブ飲みしながら・・・ではあるが。

 たしか昭和元年の中国生まれ。父親と言う方の交友関係は甘粕正彦、川島浪速、肅親王から大森曹玄まで。朝鮮総督時代の斎藤実が身元引受人だったと聞いた時には、完全に酔いが醒めた。

 1916年に川島らが起こし失敗した第二次満蒙独立運動に加担したとのことだが、その後、山東自治聯軍に参加し、奉天派軍閥で山東省を押さえた張宗昌と義兄弟の契りを結び、日本人から中国人に。中国名の張宗援には、張宗昌を応援するという思いが込められている。

 山東自治聯軍当時は青島が拠点であり、D先生は青島中学で学んでいる。は山東自治聯軍は最盛時に3万ほどの兵士に軍用機までも擁していた。小学校高学年になった頃、D先生も馬賊盗伐の前線へ。その際、拳銃は必携だった、とか。

ある時、山東自治聯軍と日本軍との関係を尋ねると、「海軍はなにくれとなくオヤジを支援してくれたが、陸軍は利用するだけ利用して・・・」と。

 昭和20年に入ると、家族と別れ1人で日本へ。「日本人だが日本に住んだことがなかったから、日本の生活様式には面食らったよ」。玉音放送は飛行訓練中の琵琶湖近くの基地で。
 たった1人の日本である。
そこで父親の伝手を頼って山形の石原莞爾の許へ。病身の石原の身の回りの世話をした。ならば極東軍事裁判の出張尋問が山形で行われた際、病躯の将軍をリヤカーに乗せて訊問会場に向かったのはD先生ではなかったろうか。この点を聞き洩らしてしまったことが、なんとも悔やまれる。

その後、先生は拓大から国鉄関係の会社勤務を経て香港へ。T、Yの両先生と共に第一日文を創設し、日本語教育を通じた日中の相互理解を目指した。

第一日文での授業が終わると馴染みの上海料理屋へ。これが定番だった。ボーイがテーブルにブランデー(お好みは「ヘネシー」だったような)を置く。栓を開ける。ブランデー・グラスなどではなく、コップにドバドバッと注がれる。氷を少し入れて、後は一気に喉の奥へ。こちらが振るう「他愛もない熱弁」を肴に、D先生のピッチも上がる。

 日本語教師のアルバイト料の値上げをお願いすると、「お前らは国士だ。国士らしくツベコベ言わずに日本語を通じて日中の相互理解に努めろ!」とゴ立腹の態。「ならば先生、我われの集まりを「こくしかい」を名づけましょう」と提案。「それがいい」と快諾。そこですかさず、「平仮名で「こくしかい」にして、先生は国士会で、我われは酷使会ではどうでしょうか」。

思い出は尽きないが、殊に忘れ難い一齣を。
 ある時、「今日は面白いヤツに合わせてやる」と、繁華街の奥の奥にある古びた北京料理屋へ。D先生の姿が目に入ったのだろう。すでに着席していた3人が立ち上がって畏まる。D先生は「不要客気!随便坐下!(無礼講で)」。
すかさず料理が運ばれ、酒が注がれる。打ち解けた雰囲気の中で交わされる話から判断して、3人は香港の住人ではなく、数日後には大陸に戻るらしい。年下であるD先生への対応は恭しく、どこか懐かし気に感じられた。

 その後も、こういった集まりには何回か同席が許されたが、客は同じ顔触れというわけでもなかった。D先生は父親のかつての部下と連絡を取りながら揺れ動く中国国内の最新情報の把握に努めていたのではと、当時は想像を逞しくしたものだ。

 D先生と新界を2日間ほど歩き、中国大陸が望見できる、Y先生の生涯に相応しい場所を探した。
山上の大きな岩を墓石に見立て、分骨を葬った。両先生の思いを繋ぐその場所は、いまは解放軍香港駐屯部隊の管制下にあり、立ち入りが固く禁じられている。
     
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(読者の声1)番組のおしらせです。「闘論!倒論!討論!2020 日本よ、今...」
テーマ:「三島由紀夫が予期した日本は今」
放送予定:10月31日(土)夜公開。日本文化チャンネル桜
「YouTube」「ニコニコチャンネル」オフィシャルサイト、インターネット放送So-TV
 <パネリスト:50音順敬称略>竹本忠雄(筑波大学名誉教授)、富岡幸一郎(評論家)、
中村彰彦(直木賞作家)、松本徹(元三島由紀夫文学館館長)、
宮崎正弘(作家・評論家)
司会:(日本文化チャンネル桜 代表)  (日本文化チャンネル桜)


(宮崎正弘のコメント)『正論』ならびに『WILL』が三島特集を組んでいます。合わせて参照ください。

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(読者の声2)『「憂国忌」の五十年』(三島由紀夫研究会編)が刊行されました
 このたび第50回憂国忌記念出版として『「憂国忌」の五十年』(三島由紀夫研究会編)が啓文社書房より出版されました。(定価2千円。税別)主な内容は下記の通りです。

プロローグ  私にとっての憂国忌五十年 玉川博己
第一章 あれから50年、三島由紀夫に熱い視線 宮崎正弘
第二章 三島由紀夫に斬られた男  寺尾克美
第三章 二人の自衛官 菊地勝夫と西村繁樹 菅谷誠一郎
第四章 切腹と介錯  首藤隆利
第五章 憂国忌の五十年ー三島由紀夫事件前史、そして「以降」 宮崎正弘
第六章 憂国忌運動が生んだ国会議員・中西哲の証言 中西哲
第七章 憂国忌の今後 菅谷誠一郎

三島研究会の会員と憂国忌賛助会員の方には本書が郵送されます。またAmazonにページが出来ておりますのでご参考までに。
https://www.amazon.co.jp/dp/4899920717/

時の経つのは早いもので今年の11月25日はあの昭和45年の衝撃の事件から丁度五十年目に当ります。
今年は第五十回「憂国忌」が開催されます。これから本格的な準備段階に入りますが、皆様にはご支援とご協力の程宜しくお願い申し上げます。現在の内外諸情勢は益々三島由紀夫先生の最期の檄文の雄叫びの正しさが感じられるものであります。「憂国忌」とは単なる文学ファンの集いではなくて、私たちが日本の歴史・伝統・文化の流れに回帰し、日本の再生と革新を決意する場所でもあります。
  (三島由紀夫研究会事務局)

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(読者の声3)「弘志会」のお知らせです。中国コロナ禍の影響で初期の予定より変わっていますが表記例会を下記要領で実施致します。今回は日本人はどのように形成され、日本国はいつはじまったのか。
日本文明とは何か、そして、それは中華文明とどこが異なるのか。私たちは私たちの原点について、もっと多くのことを正しく知らねばなりません。正しい理解がないからこそ、「アイヌ新法」などという歴史歪曲が罷り通ってしまう。
日本再発見、それは驚愕と感嘆の連続! です。
 今回講演者は著作家宇山卓栄氏です。ご関心ある方は事前申し込みください。当日参加もOKです。
              弘志会 幹事 福井成範  fukuima@tree.odn.ne.jp
 TEL090-3090-5452
           記 
1.日時:令和2年11月7日(土) 14:30~16:30
2.内容:  1430~1600 講演 : 著作家  宇山卓栄  氏
タイトル:「東アジアの民族と文明---日本人と中国人とはどこがどう違うのか?」
  1600~1630  質疑応答
1650~(1800)1900  懇親会(近傍居酒屋)但し流動的
3.場所:サムティフェイム新大阪2F 「ホール2」会議室 
      TEL:06(6885)9000
    〒543-0021 大阪市淀川区西中島6-5-3
     JR「新大阪」駅より徒歩9分、地下鉄御堂筋線「西中島南方」駅より徒歩4分。
     地下鉄御堂筋線「新大阪」より徒歩6分
阪急京都線「南方」駅より徒歩5分
4.会費:講演のみ1,500円(当日参加は2000円)懇親会参加者は4,500円 学生無料
5.会館側要請事項:マスク着用、体温(37.5℃以下で参加下さい)、密を避けて着席
          
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(2)金融から潰れはじめた中国(約12分)
 中国の債務は9900兆円! このうちどれほどが不良債権化するのか。一帯一路の失敗や地方政府のデフォルト危機、不動産業界の危機的状況のなかで、香港の金融を潰したことによる甚大な悪影響の現実を語る。
(3)政府も共産党幹部も最悪の事態に向けて動き出した(約9分30秒)
 新型コロナを利用して大儲けする中国企業、その一方で中国共産党幹部は不正蓄財の海外逃避を加速させている。日本国債を買い漁る中国政府など、中国は企業も役人も政府も、最悪の事態に向けて動きはじめた実態を暴く。
(4)米中最終決戦の行方と日本内部の親中派(約10分)
米国をはじめ各国で始まっている中国排除。中国は「輸出管理法」で対抗、日本では日本学術会議が「千人計画」との関係を取り沙汰されている。米中最終決戦のなかで、親中派が暗躍する日本および菅政権の行方を読む。

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)10月24日(土曜日)弐
        通巻第6680号 
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   休刊のお知らせ●小誌は明日(25日)から27日まで休刊となります
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~グーグル後の世界、IT社会の先に何があるのか?
  人間はAIの家畜となり、人類は滅びる危険性に直面するのだろうか?
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 アンチトラスト法により米司法省はグーグルを提訴した。「検索で競争を阻害している」とする独禁法違反だ。じつにマイクロソフト以来、20年ぶりの大型訴訟、さてグーグルは如何にして生き延びるか?

 検索エンジンの92%(米国内では95%)をほぼ独占するグーグルは、消費者の選択を狭め、ネット広告料金を独占的に決める姿勢があるとするのが提訴理由。このほかにグーグルはOSのアンドロイドと検索サービスをセットにしていること。グーグルはアンドロイドを無償と反論しているが、アップルに年間120億ドルを支払って、インターネット検索サービルの標準としているため司法省は独占禁止法に違反するとしている。そしてプラウザーと提携し、競合他社を締め出したこと。

 要するにグーグルは「ネット検索、広告市場で競争を妨害しかねない排他的な商行為を通じて不法に独占を図った」としており、これは「プライバシーやデータ保護などの検索サービスの質の低下を招いており、ネット広告料も高止まりを招いた原因」とした。

 グーグルは法廷で徹底的に闘う構えで、裁判は数年を要するだろう。最終的には事業見直し、会社の分割に至可能性が強い。1998年に米司法省がマイクロソフトを提訴したが和解までに六年を要したうえ、会社は分割された。
 
  ♪
樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2150回】               
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港32)
 
   ▽
 校長のT先生と共に第一日文を経営していたのは、日本人のY先生とD先生だった。3人に加え日本語を話す数人の中国人が意気投合し、尖沙咀を貫く弥敦道(ネーザン・ロード)から2本ほど奥に入った徳興街に学校を創設したのは1960年代半ば。開校時、先生方は机を前に日本語学習希望者がワンサカと押し寄せると、まさに獲らぬ狸の皮算用。かくして初日の入学希望者は先生方の数より少なかった。

「敗戦まで、上海に東亜同文書院という日本人経営の私立学校があった。一九〇一年(明治三十四年)の創立であるから、敗戦による解散まで五十年近くを閲して
いる。(中略)はじめは私塾のようなものだったが、やがて学校形態を整備し、後に専門学校令による四年生専門学校に昇格し、最後は六年制大学となり、名も東亜同文書院大学と変えた。東亜同文書院、同大学、同専門部の卒業生および解散当時の在校生総数は四千数百名に達する。日本人のほかに、少数ではあるが中国人の学生も収容していた」(竹内好「東亜同文会と東亜同文書院」『日本とアジア』筑摩書房 1995年)

 Y先生は37期生として1937(昭和12)年に入学している。ルーツは島根で、大連開港以前に満州を代表する開港場であった営口に生まれた。父親は船長だった。
 37期生は全部で114人。昭和12(1937)年4月の入学から程なくして盧溝橋事件が勃発。否応なく、戦争に立ち向かわざるを得なかった世代だ。
 
 戦火は上海に及び校舎は灰燼に帰し、一時は長崎市桜馬の仮校舎での授業となる。上海に戻った後は、江沢民の母校である交通大学を臨時校舎として使い、繰り上げ卒業という変則措置を受けることなく、正規課程を終えた最後の学年として昭和16年3月に卒業している。同期生103人は、そのまま戦時下の社会に飛び込んだ。

 日本軍通訳として前線に送られ、重慶(?介石)側の放送傍受を命じられたが、学生時代はボクシングに明け暮れたY先生には荷が重い仕事だ。そこで上官に数カ月の猶予を願い出て、その間の猛烈な勉強によって“東亜同文書院卒業生の面目”を果たせた、とか。

 103人の若者が敗戦を迎えたのは大連、張家口、内地(海軍省)、ラオカイ(中越国境)、奉天、バンコク、パラオ、サイゴン、マラン(ジャワ島)、上海、杭州、ガダルカナル、済南、桂林、開封、高雄、バンコク、北部仏印、海口(海南島)、広東、済州島、泰緬国境、漢口、徐州、岳麓、パレンバン、ロタ島(中部太平洋)、マニラ、北京、南京、京城、セレベス、汕頭など。ニューブリテン島、テクノパール(ビルマ)、ガダルカナル、ニューギニアなどで戦死した同期生もあった。
37期生にとっての昭和20年8月15日・・・Y先生世代の壮絶な青春が思い浮かぶ。

Y先生がいつから香港に住むようになったのかは不明だ。日頃の先生の話から判断して、敗戦直後ではなく、国共内戦期(1946年~49年)のいずれかの時点で中国人難民として香港入りしたと思われる。香港では中国人として暮らしていたが、フトしたことから周囲に日本人だと知られてしまい、日本への強制送還処分を受ける。満洲営口生まれで戸籍がハッキリしなかったこともあり、国籍復帰には相当に苦労したらしい。やがてアジア大学へ。

 某日、講義が終わるのを待っていたかのように教室に現れた長谷川才次社長に懇請され、時事通信特派員として香港へ。数年後、報道方針の違いから同通信を離れ、新亜書院に。

同期生は回想録の一部に「営口生まれ、旅順中学。上海紙業入社。戦後香港の第三勢力運動に参加。帰国して亜細亜大学十年、香港の中文大学で五年間教壇に立つ。香港にアジア学院設立の構想をもって四十五年帰国、各方面を説いたが成らず、香港で夜間日文学院を経営。昭和四十八年二月十日急逝」と綴る。
 講義が終わると大学近くの北京料理屋で恒例の昼食・・・栄養補給の絶好機だった。
     
  ♪
(読者の声1)コロナ騒ぎでちっとも知らなかった。宮崎の高校で、中国人学生がほとんど。中国国歌を斉唱しているらしい。
 日本人の税金で運営されている! 少子化問題がここまで来た!


https://www.mag2.com/p/news/434719?utm_content=uzou_2001&utm_source=uzou
   (HT生、大田区)


(宮崎正弘のコメント)日向の国といえば天孫降臨、天の岩戸、そして神武天皇が東征に出発したところ、宮崎市の平和台公園には紀元二千六百年を記念して建立された大塔「八紘一宇」の地ではありませんか。
          ◎◎◎◎◎

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 宮崎正弘『中国解体2021──日本人のための脱チャイナ入門』(徳間書店)
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豪華著者特典
Amazonキャンペーン特典として本書に収めきれなかった最新の中国裏情報、音声講義ファイル4本約40分をプレゼント!
 他では聞けない超貴重な内容!
 (1)いよいよ断末魔の中国経済(約7分)
 コロナ後、中国は経済が急回復していると喧伝しているが、その裏で銀行倒産が相次ぎ、大学新卒者の未就職者や海外企業の中国撤退が急増している。中国政府による粉飾のカラクリと、中国政府がひた隠す実体経済の惨状を最新データから解説。
 (2)金融から潰れはじめた中国(約12分)
 中国の債務は9900兆円! このうちどれほどが不良債権化するのか。一帯一路の失敗や地方政府のデフォルト危機、不動産業界の危機的状況のなかで、香港の金融を潰したことによる甚大な悪影響の現実を語る。
 (3)政府も共産党幹部も最悪の事態に向けて動き出した(約9分30秒)
 新型コロナを利用して大儲けする中国企業、その一方で中国共産党幹部は不正蓄財の海外逃避を加速させている。日本国債を買い漁る中国政府など、中国は企業も役人も政府も、最悪の事態に向けて動きはじめた実態を暴く。
 (4)米中最終決戦の行方と日本内部の親中派(約10分)
米国をはじめ各国で始まっている中国排除。中国は「輸出管理法」で対抗、日本では日本学術会議が「千人計画」との関係を取り沙汰されている。米中最終決戦のなかで、親中派が暗躍する日本および菅政権の行方を読む。

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『中国解体2021』 ▲▲▲▲▲ 
 中国経済は窮地に追い込まれ、バブル崩壊は時間の問題だが、それは中国共産党の崩壊にいたる契機となるかも知れない。
==================
<もくじ>
プロローグ  大戦直前の日本化する中国、真珠湾型暴発を待つ米国
第一章 物の封鎖 輸出規制の深層
台湾は「一国二制度」を拒絶、「自動車」という戦略物資
モータリゼーションに「中華圏」をつくる
財政出動の天文学的なツケは? 米国が「新同盟」を形成
第二章 技術の封鎖 ハイテク技術を禁輸せよ
軍事転用可能技術を管理 日本のスパイ対策は 中国内の大学もリスト入りした
「アンチ華為」か「プロ華為」か? 半導体は製造不可能
親中・文在寅の末路。ステージは「次世代半導体」へと移った
ドイツさえも離反している。英国政府の寝返り、香港は殺された
第三章 ドル資産の封鎖 資産凍結と戦略物資入手の遮断
世界第二位の「経済大国」の空虚な内実、中国企業をもてはやす日経
国家サラ金「AIIB」のその後。強硬路線を止められない習近平
築かれた不良債権の山。「デジタル人民元構想」にすがる
第四章 国際社会へのアクセス封鎖 日本企業に制裁が発動する日
浸透工作のために乱舞するチャイナマネー、スパイ機関「孔子学院」
現代に蘇ったナチス国家、米連邦議会はアンチ・チャイナ一色
エピローグ   日本人への緊急提言──今すぐチャイナから脱出せよ!
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)10月24日(土曜日)
        通巻第6679号 
休刊のお知らせ●小誌は明日(25日)から27日まで休刊となります
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~アリババの地下水脈で何か異変が起きているのではないか
  孫正義も、創業者の馬雲も、そして郭台銘も保有株式を売却していた
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 アリババの馬雲とソフトバンクの孫正義と鴻海の郭台銘の三人組が「つるんでいる」のは世界周知の事実である。三人組は2017年に米国ウィスコンシン州に鴻海の新工場を建てるという起工式に揃って出席したが、なんとこの鍬入れ式にトランプ大統領が駆けつけた。
 三人組の親密度、その強烈なビジネスコネクションがあまねく知られる。

 アリババの本社は浙江省杭州にある。新工業区の玄関口に大きなビル。バスからも全景が見渡せる。
 世界最大の物販、売上高は52兆円、日本の国家予算の半分というマンモス。創設が1999年だから僅か21年で、これほどの巨人となって、系列に電子取引、電子支払い、検察、ソフト開発にクラウドと、凄まじい繁殖力を示してきた。

 急成長を予測して、ソフトバンクの孫正義が大胆に株式を取得、アリババはその後、米国に上場を果たし、香港にも上場。壮烈な勢いを示して世界を圧倒し続けた。

 2019年9月に創業者の馬雲が突如引退を表明した。
 異変が始まった。孫正義は保有株の殆どの売却を始めた。ソフトバンクの有利子負債は13兆円とも言われ、回転資金、手元資金を必要としたからだ。

 直近のニュースは、創業者の馬雲自身が保有した株式の80億ドル強を売却していた。
 ついで鴻海精密工業(ホンハイ)の郭台銘もアリババ株を全株(1100億円)売却していたことが有価証券報告書によって判明した。
 三人は明らかに連絡を取り合い、連んでいる。新しい錬金術の行使である。

 一方でアリババ傘下の金融会社「アント集団」を香港と上海市場に上場し、史上空前の300億ドルを集めた。
 アリババがNY上場時、史上空前とされ、250億ドルを集めた。

 このアリババ傘下のアント集団、じつは江沢民の孫の江志成が率いる。江志成はハーバード大学に学び、米国のゴールドマンサックスで修行を積んで帰国し、香港に「博裕」という謎のファンドを設立した。
同ファンドは税米資産だけでも40億ドルとされ、パナマ文著やパラダイス文書にも、関連企業の錬金術についての指摘がある。

 このように見てくると地下水脈で何か異変が起きているのではないか

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 中国経済は窮地に追い込まれ、バブル崩壊は時間の問題だが、それは中国共産党の崩壊にいたる契機となるかも知れない。
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<もくじ>
プロローグ  大戦直前の日本化する中国、真珠湾型暴発を待つ米国
第一章 物の封鎖 輸出規制の深層
台湾は「一国二制度」を拒絶、「自動車」という戦略物資
モータリゼーションに「中華圏」をつくる
財政出動の天文学的なツケは? 米国が「新同盟」を形成
第二章 技術の封鎖 ハイテク技術を禁輸せよ
軍事転用可能技術を管理 日本のスパイ対策は 中国内の大学もリスト入りした
「アンチ華為」か「プロ華為」か? 半導体は製造不可能
親中・文在寅の末路。ステージは「次世代半導体」へと移った
ドイツさえも離反している。英国政府の寝返り、香港は殺された
第三章 ドル資産の封鎖 資産凍結と戦略物資入手の遮断
世界第二位の「経済大国」の空虚な内実、中国企業をもてはやす日経
国家サラ金「AIIB」のその後。強硬路線を止められない習近平
築かれた不良債権の山。「デジタル人民元構想」にすがる
第四章 国際社会へのアクセス封鎖 日本企業に制裁が発動する日
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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月23日(金曜日)
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        通巻第6678号   
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  三島由紀夫没後五十年、「憂国忌」が近付きました

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 <<三島由紀夫関連読書特集>>
井上隆史『暴流の人 三島由紀夫』(平凡社) 
佐藤秀明『三島由紀夫 ──悲劇への欲動』(岩波新書) 
□◎▽◇み◎○△□や○△□◇ざ◎○△□き△□☆☆   

  ☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆ 
  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~男は何故、壮烈な死によってだけ美と関わるのであろうか?
  三島由紀夫の精神と、残された作品群の深奥に迫る前意味論的分析

   ♪
佐藤秀明『三島由紀夫 ──悲劇への欲動』(岩波新書)
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 あれから五十年が閲したとは思えないほど、須?(しゅゆ)の時間だった。昨日の出来事のように、フト生前の三島、森田両氏と会話している。夢の中で。
 おしりも書店に行くと三島本が並びだした。
それもかなりの数である。「定番」の人々の回想録という周期はおわって、三島事件から後に生まれた世代が、それぞれのアングルから三島由紀夫の世界に挑んでいる。たまたま日本経済新聞にも「三島五十年」のシリーズが特集され、宮本亜門、宮台真司、吉田大八、熊野純彦など新世代が、それなりの三島を語っていて、視野狭窄、ピント外れ、マニアック、哲学的ブンガク論だったり、しかし、それぞれに光る一行がある。
 第一周期は三島と直接付き合った人たちの交友録的評伝の列だった。林房雄、石原慎太郎、佐伯彰一、奥野健男、坊城俊民、三谷信、渋沢龍彦、?岡孝夫らが続き、第二周期は客観的な評伝へと移る。猪瀬直樹、村松剛、スコット・ストークス、ジョン・ネイサン、松本健一、そして編集担当だった川島勝、小島千加子。異色は堂本正樹、野坂昭如、福島次郎、岩下尚史氏らの作品だった。加えて文学的見地からは田中美代子、松本徹ら夥しい人が三島を語ったのだ。
 最近では三島と直接付き合った自衛隊OBが退役後の感想をのべたものに加わって、杉山隆男、浜崎洋介氏らの出色の三島論もでてきた。
ともかく半世紀も経つと、あの驚天動地の三島事件をかくも冷静に見直し、くわえて三島文学に対して、一般的な、通俗な評伝を越えた、ある種冷徹な評価ができるのか、と本書を読み終えて、全体を貫く客観性にまず感心した。
 著者の佐藤秀明氏は「前意味論的」と分析方法を断っているが、本書は相対的には意味論である。
 さすがに三島文学館館長を兼任する著者は、四谷の生家を探し当て、死後の評論のなかからも、珠玉を選ぶ一方で、間違いもただしていく。たとえば、秋山駿は「死後も成長し続ける作家」と三島を評した名言を残したが、これはドストエフスキーの言葉がオリジナルだという。
 三島が少年時代から憧れ続けたのは「悲劇的なもの」だった。
 初期の作品群を一覧しても、美しき夭折への、名状しがたい憧憬に満ちている。衝動的な渇仰が『花ざかりの森』にも『軽皇子と衣織姫』にも、底辺に流れ、漂う。「前意味論的な欲動」と著者は言う。処女作と遺作には静謐が共通する。
 昭和四十三年の『太陽と鉄』の最終章には、「身を挺している」「悲劇的なもの」という語彙に加えて「栄光と死」を望んでいると書かれている。
 村松剛は「決意を彼が公にした最初の文章だった」と『三島由紀夫の世界』で見抜いた。
 しかし『悲劇的なもの』と『身を挺している』という言葉は『仮面の告白』で出てくるのだ。
 佐藤は「職業作家として出発した記念碑的な作品に書いた言葉を二十年後に死の予感を告白する文章に織り込んだのは意図してのことであろう」と分析していて研究者としての慧眼が冴える。
 また『憂国』はまさに悲劇的イロニーに充ち満ちた短編だが、「作品の意匠は全く異なるが、『潮騒』の幸福感に通じている」とする。なるほど、そういわれてみればそうかもしれない。
 気になった箇所は三島が机上の空論的に皇居突入計画を立てたという、これは生前も耳にした風説で、当時評者(宮崎)の耳にも聞こえてきたが、佐藤氏はこの顛末を文献的に振り返り、関係者の著作も紐解いている。真相は薮の中、計画を打ち明けられた自衛隊は冗談だろうと、その場では同調するフリをしたのだろうと評者は想像する。
 げんに富士学校へひとりで入隊時に対応した幹部は、三島のクーデター計画を聴いて「私らは役人ですから」と冷ややかに言い放ち、以後、明確に距離を置いた。
 現在の自衛隊にクーデターを望むこと自体が妄想である。それは体験入隊を通じて、三島はいやというほどに体得していた。
 まして楯の会を始末に負えぬ存在と考えていた財界の桜田武や自民党は、冷笑したフシが濃厚。そこで三島は法螺吹きの田中清玄にも自衛隊への斡旋を頼んだとか、虚実こもごもだが、三島が「愛国者」となのる軍人OBや自衛隊幹部、財界の有力者に課した「リトマス試験紙」だったのではないのか、というのが評者の見立てである。というのも、この皇居突入計画を聴いて以後、距離を置き始めた人が多かったからだ。
 ついで三島が吹聴していたのは治安出動を契機とするクーデター計画で、仄聞していた限り、だれも本気とはとっておらず、文豪ミシマの独特のアフォリズム、いや何かの芝居なのかと誤認した。
 じつは評者、このあたりの経緯を村松剛氏や編集者、そして楯の会の会員ながらも三島とは距離を置いた学生達から聴いており、その本気度と計画の杜撰さとの整合性を不安に思ったものだった。
 そのあとに森田必勝が学生長になって本格的に計画立案に加わり実現性のたかい、綿密な行動計画へ移っていくのである。
 佐藤氏はこう言う。
 「(戯曲『わが友ヒトラー』にでてくる)レームと突撃隊は、明らかに三島と楯の会を表している。楯の会など政治の権謀術数から見れば、子供騙しの集団でしかないことを作者(三島)は知っている。しかし同時に三島は、レームの単純な盲信が『神々の特質』であることも知り、この戯曲であっさりと粛正される『三度の飯よりも兵隊ごっこが好き』なレームを、戯画化したうえで憧れている」(182p)。
 冷徹な、あまりに冷徹なほどの客観性で本書は一貫している。
            

  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~半世紀を経ても三島の磁力はなぜかくも強烈なのか?
  暴流(ぼる)が意味する内面の暴力性と精神を蝕むニヒリズム

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井上隆史『暴流の人 三島由紀夫』(平凡社)
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 連続して三島関係の本格的研究の集大成が並ぶ。
 今度は井上隆史氏。ミシマ国際シンポジウムの主催者、組織者としても知られるが、三島研究一本に打ち込んてきた。三島文学館の第一資料を読みこなし、佐藤秀明氏とともに新発見を続ける。
 本書は、その研究成果の集大成といえる所為か、ともかく分厚いのだ。
 五十年という時間が流れても、これほど精密に、奥行きがあって、しかも没後の時間的な余裕のなかで初めて公開されたメモ、生原稿から創作ノート、初稿と初版本の相違点などを研究しているのだから、凄い磁力を三島がいまも持ち続けているという証左でもある。
しかも事件のときに井上氏は七歳だったから、原体験がないだけに、当時の空気、熱情から離れて、あたかも精神科医のカルテのように第三者としての分析が可能になるわけだ。
 題名の暴流(ぼる)は古典から選択した。
 「深浦正文の『輪廻転生の正体』を三島は書庫に持っていたが、これこそが「三島が『豊饒の海』の構想を考えるうえで決定的な役割を果たした」(366p)
 当該本は阿頼耶識を論じた中で「恒転如暴流」と仏教用語に触れているのだ。
 井上氏はこれが「決定的」だったとして、本の題名に選んだ。
 少年時代の詩を詠むと、そこには「抑えがたい暴力衝動が現われ出ている」とする井上教授は、三島が中等科四年のときに「花山院」の小説化をはやくも試みているとする。この作品はのちに安倍晴明という陰陽師を主人公に花山天皇との別れを描く短編に結実していて評者の好きな作品のひとつだ(新潮文庫『ラディゲの死』所載の『花山院』)。
 さて、時代は飛んで「からっ風野郎」に主演した翌月に「サロメ」を三島自身の演出で上演すると、これが「強い刺激となって、切腹というテーマを何らかの形で表現したいという思いを三島は募らせていた」(326p)。
 それが「榊山保」の筆名で書いた「愛の処刑」というポルノまがいの小説に繋がるとされる。
 評者(宮崎)の持論でもあるが、「作家は処女作に戻る」ものであり、三島は十四歳のときに詠んだ「詩を書く小年」に、そしてあの頃の古典に題材する習作時代の心に回帰してゆくのだ。
 井上氏は浜松中納言日記をヒントにした『豊饒の海』について大津皇子に注目する。
 ここで評者、膝を打った。
 『群像』の昭和四十五年六月、「懐風藻と古今和歌集」について論じていた三島は、「父天武天皇が崩御した後、叛図を抱いた疑いで捕らえられ二十四歳で自害した大津皇子の漢詩」に触れつつ、蓮田善明の評論になる「此の詩人は今日死ぬことが自分の文化であると知っているかの如くである」という有名な一節を結ぶ。
 大津皇子は天武天皇の長男(異説あり)でありながらも、母親や天武天皇皇后(のちの持統天皇)ではなく、その姉だった。しかるに持統天皇が草薙皇子に肩入れし、大津皇子を疎んじれば、悲運は決まっていた。
 そのうえで井上氏は続ける。
 「三島の死も森田の死も、大津皇子の死と同じ意味を持つであろう。それは速須佐之男命、倭建命から為朝、そして二二六事件の青年将校へと続く系譜に、三島、森田が連なる」
 それを示唆する三島の文章箇所を以下のくだりと井上氏は指摘する。
 「ひとたび叛心を抱いた者の胸を吹き抜ける風のものさびしさは、千三百年後の今日の我々の胸にも直ちに通うのだ。この凄涼たる風がひとたび胸中に起った以上、人は最終的実行を以ってしか、つひにこれを癒す術を知らぬ」(「日本文学小史」)。
 そして『天人五衰』の有名な最終場面は月修寺の美しくも端正な庭の寂寞だった。
 芭蕉は立石寺を訪れて、「岸をめぐり岩を這うて、仏閣を拝し、佳景寂寞としてこころ澄み往くのみ覚ゆ」と『おくのほそ道』に記して、「静かさや岩にしみ入る蝉の声」と詠んだ。
 『豊饒の海』のラストは
 「数珠を手繰るような蝉の声がここを領している。そのほかには何一つ音とてなく、寂寞を極めている」。
 全544ページの浩瀚はここで終わる。力作で読了に二日を要した。
       

(休刊のお知らせ)講演並びに取材旅行のため25日から28日まで休刊となります 

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    「三島由紀夫没後五十年。追悼の夕べ『憂国忌』」のご案内     
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第五十回「憂国忌」の開催要項は次の通りです

とき  令和二年十一月二十五日 午後二時開演(1300開場)
ところ 星陵会館大ホール(東京都千代田区永田町2)
プログラム
第一部 1400-1500
鎮魂式 乃木神社宮司と神官。●斎主=竹本忠雄
第二部 1520-1545
記念講演「楯の会と蘭陵王、そして森田必勝」中村彰彦(直木賞作家)
第三部 1545-1645 『五十年目の真実』
追悼挨拶(順不同敬称略) 富岡幸一郎、執行草舟、村松英子、松本徹ほか。
(メッセージ  森田治、ヘンリー・ストークスほか)
1650 「海ゆかば」合唱。閉会。
(代表発起人)入江隆則、桶谷秀明、竹本忠雄、富岡幸一郎、中村彰彦、西尾幹二
細江英公、松本徹、村松英子
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●プログラムは予告なく変更されることがあります
●マスク着用をお願いすることになります
◎密集を避けるため入場者数の制限があり、モニター室でのテレビ鑑賞も設営。


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(読者の声1)とびっきりの講演会のお知らせです。

演題 「日本の政治を鑑みる」
講師 前法務大臣・衆議院議員 山下貴司 先生
日時 令和2年11月18日(水)PM6:00~
定員 先着80名(要予約)
会場 神奈川県民サポートセンター3F 304号会議室(JR横浜駅西口徒歩3分ヨドバシカメラ裏手)
問い合わせ先 045-263-0055
※コロナ対策の為マスク着用厳守

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(読者の声2)米中の対立が続いていますが、1940年の中国をアメリカの観点から見た地図があります。ミルウォーキー・ニューズセンチネルという新聞の4月28日付、Japan and Russia Will Divided Chinaという見出し。
https://www.davidrumsey.com/luna/servlet/detail/RUMSEY~8~1~306138~90076530?qvq=w4s%3A%2Fwhere%2FJapan%3Blc%3ARUMSEY~8~1&mi=22&trs=119

 日本では経済統制が厳しくなる状況で日曜版カラーページというアメリカの豊かさは大したもの。日本とロシアが中国を分割しつつある状況で満洲国はパペットステイト、モンゴルは共産ロシアによる事実上のソビエト地域としている。北支と揚子江(YANGTZE)下流域は傀儡政権というのは概ね事実、スターリンとミカドによる分取り合戦のように描いているのも昭和15年のアメリカの見方としてよくわかる。
 地図の英語表記は樺太・旅順・大連・仁川など日本語読みのまま。北平と名を変えた北京は PEIPING、西安(SIAN)の東で黄河が屈曲するあたりから西は共産ゲリラの拠点となっていて、李香蘭回想録に出てくる鄭州での慰問公演が前線での緊張感あふれるものだったことを思い出します。

 この地図のいいところは注釈の囲みで時系列がよくわかること。1937年7月7日の盧溝橋(Marco Polo Bridge)から同年11月8日の上海上陸、12月12日パネー号沈没、
12月13日南京占領、1938年10月25日漢口(HANKOW)占領と戦線が伸び、1939年10月には長沙(CHANGSHA)にて日本軍敗北とある。戦線が伸び切って膠着状態になったので
しょう。沿岸部は厦門(AMOY)、汕頭(SWATOW)、広東(CANTON)、南寧(NANNING)、海南島を占領。日本海軍による大陸封鎖をベトナム沖~海南島~台湾海峡~黄海~旅順まで十数隻の日本の軍艦が取り囲む図柄はとてもわかりやすい。香港は砲台と軍艦さらに機雷原まで描かれ英米との摩擦の激しさがわかります。インドシナではハイフォン~ハノイ~雲南ルート、ビルマはラングーン~マンダレー~雲南の援蒋ルートが太い赤矢印で示され大理府(TALIFU)にはアメリカの工場で中国向け軍用機を生産とある。英米とは戦争一歩手前ともいえる状況。

 この地図の優れている点はもう一つ、大陸各地の資源状況が記載されているところ。食糧なら米・麦・大豆、コーヒー・カカオ・茶・タバコ・胡椒・砂糖など。石油は北樺太くらいで鉄と石炭は各地で出る。銅・錫・亜鉛・マンガンは各地で出るのにタングステンは雲南あたりで世界の供給の4分の3とある。ドイツが軍事顧問団を送ったのはタングステンが目当てといわれました。現在でもタングステンの生産量のおよそ8割が中国。
 現在の中国の病的とも思える反日教育や第一列島線から第二・第三列島線まで太平洋に進出したい中国海軍、レアアースでの資源外交など、すべて大陸の山奥に閉じ込められていた共産党の100年におよぶ劣等感の裏返しと考えるとよくわかるように思えます。
  (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)この地図は貴重ですね。プリントして保管したいと思いました。御指摘に感謝。
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(休刊のお知らせ)講演並びに取材旅行のため25日から28日まで休刊となります


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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)10月23日(金曜日)
        通巻第6678号   <前日発行>
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 航空機業界にコロナ悪魔がやってきた
 国内大手48社で旅客は86・3%減、海外が98・3減少という惨状
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 現在、世界各地へ向かう国際線は、一割程度が回復しているが、たとえば一日30便以上あったソウル行きは二便ていど。米国も主要都市へ再開しているが、共同運航便が優先されていて、乗客は殆どいないため赤字で飛ばしている。

 再開された国際路線は中国各地(大連、瀋陽、青島、北京、上海、成都、広州など)、韓国、台湾、ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシア、ミャンマー、豪、ドバイ、NZ、南米でもメキシコシティ便が再開している。欧州便はブラッセルなど。
 欧州では第三次感染が拡大しており、国際線が正常に戻るのは2024年と言われる。
 再開便が飛んでいても、客が集まらない最大のネックは到着後二週間隔離されるため、それならテレビ会議で済ませようというのが全世界的な趨勢である。

 日本は欧米に次ぐ国際線王国だった。JAL、ANA、そして幾多のLCC。
 全日空は、コロナ直後に9000億円の融資枠を確保、JALも同様な対応を取ったが、なにしろ国際線の旅客は98%減だ。 
 ANAは10月21日には5000億円の損失を発表、この悪魔的な決戦数字はリーマンショック直後の573億円の9倍弱!
 ANAは国際線75路線、およそ5000便を800便に減らしたうえ、成田から羽田へ集中的に移行している。回復には数年を要するだろうと予測される。
 JALも第三四半期の赤字も1000億円近い。

 米国もデルタ航空は83%の旅客減に遭遇し、5600億円の赤字、アメリカン航空は5800億円。四苦八苦の様子が見て取れる。欧州勢も深刻な赤字で、アリタリアは国有化された。

 もっとも悲惨なのは国内便のない香港である。
 キャセイパシフィック航空は系列キャセイドラゴンを含めて8500人のレイオフを発表し、香港経済をゆすがしている。ドラゴン航空は閉鎖する。

 日本ではインバウンドが消滅したため、国内観光地ならびに旅行代理店、レストラン、運輸会社振興のため「GO TOキャンペーン」を開始して、一息つけたかにも見えるが国内旅行の現状はといえば、国内大手48社の速報で、旅客は86・3%減、海外が98・3減少という惨状である。

 二階幹事長は日本の観光業界のドンでもある。観光産業の回復に失敗したら責任をとる覚悟があるのか。
□▽◇み◎○△□や○△□◇ざ◎○△□き△□☆☆   

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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2149回】  
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港31)

      ▽
 司馬?以上に衝撃的だったのが、第一日文校長のT先生との出会いである。いや「激震」は別れの後にやって来たと言うべきだろう。
 T先生は湖南省長沙の生まれ。日本の陸士で徹底して鍛えられただけに、日本語は完璧で日本に対する造詣は生半可ではなかった。
日本軍影響下の長沙で市長だったと言うから、日本軍に篤く信頼されていたに違いない。柔和な物腰ながら凛とした佇まいは「元大日本帝国軍人の矜持」を漂わせていた。

 大好物の煙草をくゆらせ、これまた大好物のビールで喉を潤しながら、時に陸士時代の親友である「垠クン」の思い出が続く。「垠クン」とは李氏朝鮮の最期の血統で、伊藤博文に抱かれて日本にやってきたと言われる李王垠殿下である。
興に乗ると自慢の喉で京劇の一節を唱ってくれた。十八番は『空城計』で「我正在城楼、観山景、耳聴得城外、乱紛々・・・」と譚派の調子で。政治向きの話はあまり好まなかったが、紹介してくれる人々には国民党系が多かったように記憶する。

 香港留学を切り上げた後も、香港に出掛けた折にはビールで一刻を過ごした。もちろん「●子不在家(ノドの調子が悪い)」などと言いながらも、時には京劇の一節が飛び出した。

 ここまでは平凡に過ぎる思い出である。だが、先生が亡くなった後に偶然に知ることとなった先生の「もう1つの顔」は、平凡ではなかった。
ある日、買ったままで積んでおいた『中国獄中二十五年 奇跡の日本人』(斎藤充功 学研M文庫 平成14年)をパラパラと読み始めたところ、あるページで目が点に。そこにT先生に関する衝撃の記述を認めたからだ。

中国共産党が建党された1921年に浅草・千束に生まれた平井栄三郎は18歳で上海に渡り、やがて日本軍の先兵として宣撫工作に携わり、後に中国人の袁昌亜として潜行生活を送る。日本が破れた1945年の12月初めに袁昌亜は漢奸として逮捕され、その日から「九千日に及ぶ数奇な中国獄中生活」を余儀なくされる。それというのも、国民党政権も共産党政権になってからも、中国側は一貫して平井を「漢奸の袁昌亜」と見做していたからだ。

 過酷な獄中生活で平井が世話になったのが「かっぷくのいい六十歳くらいの紳士」で、「運転手と秘書と三人で入獄してきた」。それが唐炳初で「東京高等工業の
電気科(現・東京工大)を卒業しており、日本語がうまく」、「孫文とも交流があり、当時湖南省政府の顧問のようなしていて有名人であった」。「共産党のシンパ」で、「監獄に入ってきたのは息子を逃亡させた罪だった。息子は長沙市長の要職にあり、共産党の情報工作員でもあった。終戦時、国民党にその素性がばれ手配されたことをいちはやく知り、香港に逃亡してしまったため、父親が身代わりになった」というのである。

 T先生と同じ姓で、しかも「息子は長沙市長」。だとするなら、私が香港で日常的に接していたT先生は「共産党の情報工作員でもあった」と考えても不思議ではないだろう。

 かつて唐炳初の屋敷で働いていた「料理人は実は人民解放軍が紅軍として旗揚げした江西省井岡山で毛沢東や朱徳と連絡をとっていた共産党の幹部」であり、国民党特務機関による逮捕を逃れることが出来たのも、唐炳初が機転を働かせたからだ。
共産党政権成立後、唐は指定された上海の第三野戦軍司令部に出向く。「あなたは私の命の恩人です」と出迎えた司令官は唐の屋敷で料理人をしていた男で、後に初代上海市長、国務院副総理を務め、「十代元帥」の1人とされる陳毅だった。

 温厚篤実な紳士であったT先生の、共産党との因縁浅からざる「もう1つの顔」を偶然にも知ったわけだが、偶然は重なるもの。当時、体調不良だったことから友人に紹介され訪ねた漢方の平井先生が、「奇跡の日本人」その人だった・・・とは。
人生は不思議だ。

     
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(読者の声1)前号に記載された憂国忌冊子の写真版は、大変貴重な冊子であり、新たに画像UPをしましたので、下記URLをご参照ください。更新されております。   http://img.gg/8l5U09q      (三島由紀夫研究会)


    
  ●宮崎正弘の新刊● http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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●10月24日発売(1760円)
宮崎正弘『中国解体2021──日本人のための脱チャイナ入門』(徳間書店)
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「特典」付きの予約募集を開始しました。予約番号をお控え下さい。
https://www.amazon.co.jp/dp/4198651728/
(キンドル版も同時発売です!)

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『中国解体2021』(プロローグを抜粋)
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 中国経済は窮地に追い込まれ、バブル崩壊は時間の問題だが、それは中国共産党の崩壊にいたる契機となるかも知れない。
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<本書もくじ>
プロローグ  大戦直前の日本化する中国、真珠湾型暴発を待つ米国
第一章 物の封鎖 輸出規制の深層
台湾は「一国二制度」を拒絶、「自動車」という戦略物資
モータリゼーションに「中華圏」をつくる
財政出動の天文学的なツケは? 米国が「新同盟」を形成
第二章 技術の封鎖 ハイテク技術を禁輸せよ
軍事転用可能技術を管理 日本のスパイ対策は 中国内の大学もリスト入りした
「アンチ華為」か「プロ華為」か? 半導体は製造不可能
親中・文在寅の末路。ステージは「次世代半導体」へと移った
ドイツさえも離反している。英国政府の寝返り、香港は殺された
第三章 ドル資産の封鎖 資産凍結と戦略物資入手の遮断
世界第二位の「経済大国」の空虚な内実、中国企業をもてはやす日経
国家サラ金「AIIB」のその後。強硬路線を止められない習近平
築かれた不良債権の山。「デジタル人民元構想」にすがる
第四章 国際社会へのアクセス封鎖 日本企業に制裁が発動する日
浸透工作のために乱舞するチャイナマネー、スパイ機関「孔子学院」
現代に蘇ったナチス国家、米連邦議会はアンチ・チャイナ一色
エピローグ   日本人への緊急提言──今すぐチャイナから脱出せよ!

 アマゾンで予約の読者には特典があります(特典の内容は近日中に告知します)
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「特典」付きの予約募集を開始しました。予約番号をお控え下さい。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月22日(木曜日)
        通巻第6677号   
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(読書特集)
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宮本雅史『国難の商人──白石正一郎の明治維新』(産経新聞出版)
執行草舟『脱人間論』(講談社) 

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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~人間が神を創造したのではない。神が人間を造ったのだ
  ヒューマニズム、民主主義、科学文明の毒に汚染された日本は滅亡一歩手前

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執行草舟『脱人間論』(講談社)
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 久しぶりに感銘を受けて震撼した。
 思想家・執行草舟の新作は、戦後タブー視されてきたテーマに正面から挑んだ。「知の冒険」などという陳腐な表現ではなく、これは武士道の哲学に少年時代から遭遇して思索を深めてきた著者が、70年の人生をかけた思索の結晶である。決然として闘ってきた人生の痕跡、その全エネルギーを注入した思考の書である。
 署名の「脱人間」とは「新しい旅立ち」のことだと著者は言う。
 「いま世を覆っている人間中心のヒューマニズムは、すでに行き過ぎて腐臭を放っている」。
 なぜなら人間が神を創造したのではなく、神が人間を造ったことを否定したからだ。
 ニーチェは「神は死んだ」と言ったが、そうではなく、「人間が神を殺したのだ」(27p)。
 「いまの腐り果てた文明を捨てなければならない」(中略)「現代人は既に、人間として疲弊していまっている」からである。
 執行氏があげる三大毒素とは民主主義、ヒューマニズム、そして科学文明である。
 これらはウイルスであり、現代日本人はこれらの「ウイルスに遺伝子と脳の特定部位が侵されて」しまった。それゆえ題名にあるように『脱人間』の手術が必要だと言い切る。
 ヒューマニズムは西洋の近代化が生んだ真のリヴァイアサンであり、物質至上主義は「魂の進化」ということを忘れてしまった。魂は永遠であり、肉体は現世における単なる容れ物でしかない。
 「魂のために肉体を捨てることは、いまの世の中に受け入れられるものではない。そこには、現代的な綺麗事や優しさと抵触する本来的な厳しさがあるからに他ならない」(93p)

 著者の信念が次のように開示される。
 「私は武士道だけが好きだったので、この現実に突進する野蛮性を幸運にも持つことが出来た。非常に助かったのは、武士道が別に立派な思想ではないという点だった。どちらかと言ったら偏りが激しく野蛮だと言われ、人から褒められることは全くなかった。それが良かった」(ここにいう氏の武士道とは三島由紀夫が座右とした山本常朝のそれである)。
 またこうも言われる。
 「いまの人は本当に去勢状態になっている。だからいまの学校における『イジメ撲滅』もすべて子供の去勢化を目指している。子供の感情を、合理的に作り上げられると思いこんでいる。これでは子供の心が崩壊してしまう」(125p)。
 こうした社会趨勢を煽っているのが悪質なメディアである。
 アルベール・カミュは「何か不可能なものが欲しい」と戯曲『カリギュラ』に書いた。
 「不可能に挑戦するのが人間存在の本質であり、本来の人間に備わる特徴を表していた」(139p)。
 なぜ古代の人間はあれほどに動的で挑戦的だったのか?
 それは「原初の人々は、人間を神の分霊と言っていた。神の分霊として、宇宙の霊魂は地球に降り注いでいた。そして、その分霊の一部が、後に人間の魂となり、地球上に棲息していた類人猿にはいることによって、肉体を持つ人類が生まれた。だから、まず魂となったものの原型は、全体的な存在である神の分霊だと言える。その分霊がまた分離して一人ひとりの人間に入ることによって、個々の人間が生まれた」(142p)。著者はスサノオも「神の分霊だ」としている(389p)。
 現代人の特徴的な認識は狂気を理解できないし、姓と暴力を否定するのが『正しい』と認識しているのだが、「戦争を完全否定することによって、愛と正義を完全に見失ってしまった。そしてグローバリズムの金銭絶対思想に飲み込まれたしまった」(210p)。
 「日本文明を支えていた家族意識を、ヒューマニズムと人権によって根こそぎ失ったのである。日本人は、自己の生きる術(すべ)を失った。いまの家庭は、日本人の家庭観とは全く相容れないものとなった。今の家庭は家庭ではない。それが分からなければいまの日本の社会問題は解決しない」(311p)。
すなわちGDPがどうのこうの、所得をあげてデフレをやめ、こどもを増やす政策を云々などという議論は意味がないと執行氏は訴えているのである。
 肉体は滅びても魂は永遠であり、分霊としての人間が適切でなくなれば魂はほかの容れ物を探す。
 かくして「ヒューマニズムの悪徳を拭わなければ、我々はAIロボットに人間の地位を奪われるだろう。そしてそのときが来れば、現人間はAIロボットの家畜を化しているに違いない」(396p)。
 読了後、評者はスサノオの荒ぶる魂を、ヤマトタケルの絶叫と静かなる詩を、そして三島由紀夫の雄叫びを聴いたような気がした。
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~奇兵隊の発足から高杉晋作を熱烈に猛烈に支援した無名の実業家
  長州の船問屋が全財産を投げうって明治維新の舞台裏を支えた

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宮本雅史『国難の商人──白石正一郎の明治維新』(産経新聞出版)
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 明治維新が是であったとして、その華々しき偉業達成の影で、名もなく、しかし舞台裏で多くの志士たちを物心両面で支えた人々がいる。
 著者の宮本氏は、入念な取材とフットワークを活かし、枯葉に埋もれた歴史の闇を照射した。末裔や関係者への取材が、漏れていた真実発掘に役立った。
 高杉晋作を奇兵隊発足の時から物心ともに支援し、ついには家業が破産しても、なにひとつ愚痴も言わず、高利貸しに負われながらも、晩年は維新に散った多くの志士たちの慰霊に専念し、新政府の顕官たちとは距離を置いた。
 そういう愛国者、しかも実業家がいたのである。
 その名を白石正一郎、長州の船問屋の主だったが、国風の学問に目覚め、西?も大久保も伊藤博文も平野国臣も、白石邸に寝泊まりした。
残された白石の日記からおよそ四百人ほどの、歴史に名を残す人々が下関の白石邸に宿泊したことが分かっている。母親も国学の同士であり、宿泊客の世話に協力した。弟の蓮作は奇兵隊隊士として戦死した。
 とくに正一郎をして国事奔走に駆り立てたのは西?隆盛との出会いだった。
 この船宿には表門と海側の門があり、志士たちは裏側から出入りした。まさに志士のたまり場であり、情報の拠点、そして激論の場だった。
 しかも宴会の費用はすべて白石が負担した。家業が傾き借金の山が築かれるのも当然だった。
 問題は気魄である。大和ごころ、その魂が駆り立てるのだ。
 評者(宮崎)は本書を人一倍の興味を抱いて一気呵成に読んだ。というのも、七年ほど前に『正論』に白石正一郎のことを書いたことがあり、現地を取材しているので、一層、興味深く、高杉の東行庵や病没地点、桜山神社にも出向いた。もちろん萩城下の高杉邸跡や松下村塾、野山獄も見学したが、志士たちの激憤の現場、白石邸跡は下関市の波止場近くにあって、現在は中国電力のビルが建っている。前門に石碑がある。
 宮本雅史氏はじつに足まめに歩き、文献を渉猟し、自分の足で調べて、淡々とした文章に綴った。乾いた文体の、その行間から溢れる愛国を感得するのである。
 「正一郎は明治新政府が樹立されるのを見届けると、志士の身分を捨て、名誉栄達を求めず、赤間宮の宮司として、幕末国士として奔走した志士たちの御霊を弔う道をえらんだ」。
 白石がもし功利的であるなら新政府の顕官とのコネを活かして「政商」として中央進出も可能だったはずだが、かれは長州から腰を上げることはなかった。
 白石の一生を振り還り、その凛々しくも清楚な姿勢と比較すれば、現在の日本の財界人のあまりの情けなさに憤慨するのである。
 せめて松下幸之助、出光佐三、土光敏夫ら戦後の愛国者の爪の垢でも煎じて飲んだら如何と言いたくなるような財界人ばかりとなった。本書の題名の所以だろう。
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(読者の声1)貴誌前号投書に関連して、フランスの日本製品の輸入規制ですが、輸入の申請をポアチエに移したのは、私は、彼らなりのユーモア(イスラムの侵攻をツール・ポアチエの線で止めた古い歴史を日本製品の流入ストップにかけたもの)だと思います。
なぜなら、手続きがパリからポアチエに移ったところで、車で数時間走っていけばよいのですからです。
それより申請書類を、いつも一番下に回すというのは、はっきりした意地悪です。もちろん口頭の脅しです。
また部品を輸入して現地で組み立てる、いわゆるKD(ノックダウン)輸出と現地調達率の規制は、世界中主に途上国でやっていたことで、これは輸入を減らすというより、現地側の技術習得と組み立てや、現地での部品調達という付加価値の移転を狙ったものです。
今でも主にイギリスで4輪車の組み立てをやっていましたが、ブレグジットに伴い(それだけの理由ではありませんが)、日本メーカーもイギリスから逃げ出そうとしています。関税上のメリットが無くなりそうだからと、もっと根本的にはヨーロッパでは、日本車はアメリカほど売れないからです。     (関野通夫)

(宮崎正弘のコメント)いまでこそ、欧州各地でも日本車を見かけますが、小生が初めてパリへ行った1972年には日本車は滅多に見かけなかったですね。本多のバイクはみましたが。。。

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(読者の声2)チャンネル桜で憂国忌が取り上げられております。出演は三輪和雄、富岡幸一郎、佐波優子の各氏で、弊会の編んだ単行本『憂国忌の50年』(啓文社書房)も紹介されています。
https://www.youtube.com/watch?v=5m7lLfFpVwQ
 なお、憂国忌冊子のうち、とくに一周忌のカタログは数十ページの豪華版でした。古本ネットワークでも高価な値段が付いているそうです。
 デジタル版を公開します。画像データは下記サイトにアクセスしてダウンロードしてください。
http://img.gg/899ZhFO
今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。 (三島由紀夫研究会)
   
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(読者の声3)、『週刊朝日』10月30日号で、元NHKアナウンサー下重暁子氏が「大阪都ができたら」と題して1頁のエッセイを書いています。
 下重氏は府立大手前高から早稲田大学教育学部卒、NHK入局といいますから、相当の知的能力を備えているはずですが、内容はひどい。支離滅裂と言うほかないものです。
 「大阪都が出来れば、二つの文化の拠点ができるので、面白いかもしれない」などというのは名称にとらわれすぎでしょう。今回の住民投票は「大阪市廃止・特別区設置」についての賛否を問うものであって、「大阪都」などという名称については問題点ではないはずです。仮に、(後に)大阪都という名称となったとして、関西文化の中枢である「大阪市」を「解体」することが、文化拠点創出とどのように論理がつながると言うのか、小生には、まったく理解できません。
 「(府庁の)建物が都庁になるのは、なんか楽しい」などと、のたまって、「堅くるしいことは言わんと、おもしろいことはやったらええねん」と結論している点については、呆れるだけです。知能レベルを疑います。
この種の議論では、必ずわけ知り顔に「やってみたらよい」「一度やらしてみればよい」などという種族がいるのですが、大きなコストをかけながら、基礎自治体を解体してしまったら、これを復元することはほとんど不可能なはず。軽く考えておられる問題ではないでしょう。
 『週刊ダイヤモンド』10月24日号では、「永田町ライブ」で取り上げられています。後藤謙次氏は、「住民投票の結果が、日本の政治の行方を大きく左右するのは間違いない」と結んでいますが、結局は、(だらしない)自民(そして、菅首相の無見識)、(無節操な)公明、(狡猾な)維新の間の利害関係、裏取引によって決まっていくのであろうことに、元大阪市民としては痛憤を感じます。
   (椿本祐弘)


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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月21日(水曜日)
        通巻第6676号   
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~中国、外貨準備からドル比重を減らしているが
  人民元基軸への移行がほとんど不可能だと認識できている
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 中国の外貨保有高の主力は米国債券である。
 2017年3月のピーク時点で1兆3000億ドルだった。2020年8月末の米国財務省発表によれば1兆0700億ドルに減少していた。

「中国は米国に報復するのなら、この米国債券を売却すれば良い」とする観測が流れていますが、これは無理です。なぜなら担保として、同額以上を中国は國際金融筋から借り入れておりますので。

 国際金融筋は、北京の中央銀行ならびにシンクタンク、銀行関係者の発言や分析、レポート等を分析し、「戦後のドル基軸体制、つまりブレトンウッズ体制に挑戦し、ドル基軸から人民元相乗り体制への野心を抱き、徐々にドル比重を減らしてきた」としてきた。

 国際間の決済は貿易、サービス、投資、送金にドルを必要とするが、これに代替できるのはユーロ、スイスフラン、英国ポンド、そして日本円である。直近のドルの比率は59%、ユーロは欧州域内の決済が多いが25%前後あり、日本円も3%台である。

 しかし人民元は1・5%程度でラオス、カンボジア、ベトナム、タイ、ミャンマーなどでしか人民元は通用しない。
 デジタル人民を国内で実験し流通を試みているものの、人民元が、IMFのバスケット通貨でありながら国際的にはハードカレンシーには認められていない。
 ドル保有の漸減は、中国が人民元決済の領域ならびに通用空間を拡大し、いずれドル交換停止という潜在的なシナリオに備えていることは確実である。
 

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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@  【知道中国 2148回】      
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港30)

   ▽
 香港では著名人から無告の民まで多くの人との出会いがあったが、そのうちの1人が「反共文人」で知られた司馬?だった。誰の紹介だったか。アポなしの直撃だったのか。今となっては定かではないが、尖沙咀の自宅兼事務所の佇まいが衝撃的で、印象に強く残る。

 外国人観光客相手のインチキ土産物屋街の6~7階建ての老朽雑居ビルの屋上に建てられたプレハブ式。室内は書籍と印刷物で雜然としていた。屋上の空地に隙間なく置かれた野菜を育てている木箱や鷄小屋を指し、「自力更生だ!」と胸を張る。気力充実・意気軒高。

 彼は近代中国の思想的幕開けでもある五・四運動が起きた1919年に、江蘇省泰州に生まれた。地味豊かな農村でも、生活は悲惨だった。貧しく不器用な父親は軍閥に引っ張られた挙句、混乱に巻き込まれ無実の罪で銃殺された。母親は13歳の彼を残して「窮死」する。
 貧しい彼を助け、彼の向学心を支えてくれた応援者は、じつは共産党関係者だったのだ。かくして運命の糸に操られるようにして共産党活動に加わり、盧溝橋事件勃発後の1937年末には「革命の聖地」へ向かっていた。

 延安では、国民党や日本軍治下の秘密工作要員を養成する敵区工作幹部訓練班で学んだ。毛沢東による1、2週間に1回の政治報告はユーモアに溢れ、笑いを誘ったらしい。

 「中国革命が勝利したら、どんな国家を建設しなければならないか。同志諸君、1人1人に洋風の瀟洒な家とステキな車を進呈しよう。みんなに海外旅行を約束しよう」。「兄弟(おれ)もまだ外国に行ってないから、その時になったら一緒に出掛け、見聞を広めたいもんだ」──聴く者を愉快にさせるような毛沢東の発言には、「党の指導者の口からでたことだが、とても信用できそうにない。だが、確かにこう聞いて、誰もが愉快な気分になる」と感想を漏らす。稀代のアジテーターである毛沢東の片鱗が窺える。

 もう1人の指導者である王明はソ連共産党史を講義した。颯爽と現れ、理路整然と畳みかけるような話し振りには説得力があり、全員が聞き惚れた。だがも講義は1回だけで後は他人任せ。当時はレッキとした王明派で、常に周囲に「我が党の天才的指導者・王明同志万歳」と声を挙げることを求めた康生は、西洋商社の買弁風のキザな服装を好んだ。
 革の長靴を履き、西洋種の猟犬を引き連れ、颯爽と馬に跨り狩猟に勤しみ、4人以上の護衛に守られ威風堂々と四囲を睥睨していたとか。王明も康生も、とかくモスクワ帰りのエリート臭プンプンだから、誰からも好かれそうにない。
やがて康生は毛沢東派に転じ、党内で特務活動を牛耳り毛沢東恐怖独裁体制確立に大いに貢献するが、それは後の事だ。

 陳雲、康生、李富春、王稼祥、張聞天など幹部から党組織、秘密工作、群衆運動、中国革命と武装闘争、階級闘争と民族闘争などの講義を受けた後、敵の国民党支配地区に送り込まれ秘密闘争に投入される。
死線を越え数々の成果を挙げるが、同志への拷問が日常化し、昨日までの同志を反革命・反党分子として処刑する。
だが翌日には、処刑を指令した幹部が同じ罪名で抹殺される。かくて「こんな組織生活に、正直言ってうんざりしはじめていた。・・・マルクス主義に対する素朴な信仰は心の中で脆くも壊れ果てた」そうだ。

 組織への猜疑心と恐怖心は抑え難く、1949年5月の共産党軍入城を機に上海を脱出する。香港ではペンを武器に共産党を告発し続ける一方、豊富な経験に裏打ちされた共産党史研究を続けていた。時折訪ねると、「大陸の仲間からの情報」を基にした鋭い情勢分析を聞かせてくれた。
もちろん日本で学んでいた中国共産党イメージは完膚なきまでに崩れ去っていた。いまから振り返れば、偶然がもたらしてくれた「最上の教育」だったと確信する。
 
1983年に香港を離れた後、延安時代の苦労を共にし、改革・開放初期の中国で異彩を放った女性ジャーナリストの弋揚とニューヨークで結婚。2019年には百歳を迎えた。香港の現状に対する思いを、気骨の「反共文人」としての彼に問い質してみたい・・・が。

     
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(読者の声1)20日の各メディアではメキシコの元国防相が「麻薬」の件で米国で逮捕されたと報じ、トランプ大統領は当初メキシコ国境に壁を建設すると言って反トランプのマスコミから人道に反すると散々非難されたが、大統領選挙も近い今となってはトランプの言ったことは正しいと選挙民の支持を得るには好材料であろうと。
しかし私はこれから2週間の間に起きかねない事態として、トランプ大統領に対する麻薬組織の「報復リスク」とバイデン候補の「コロナ陽性リスク」があると思っていますが如何でしょうか?
後者の場合はトランプが陽性になったときより、選挙に与える影響は大きいと予想します。
(SSA生)


(宮崎正弘のコメント)闇の司祭ならぬ米国のシンジケートですが、勝ち馬にのるのが大勢でしょう。ラスベガスのカジノ王たちはマカオの事実上の崩壊で、献金どころではないようですが。。。
 熱狂的支持者を集めるトランプ集会が連続していますが、その激越な演説に「左翼の不敗メディア」とか「バイデン一家は犯罪者一家」というどぎつい表現が連発されています。         (「不敗」?・・・「腐敗」では? 🐧💦  )
 日本なら顰蹙を買いますが、アメリカ人はこのようなパンチの効いた語彙を好む。  (顰蹙・・・ひんしゅく 🐧💦)
 小生がいつも注目している「ODD MAKER」のトランプvsバイデン掛け率ですが、八月下旬にバイデンが10ポイントの差をつけてリードしていました。直近のレートはイーブンです。
 つまりODDでトランプの逆転が起きると(その可能性は三日以内とみています)トランプの再選は確実になります。

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(読者の声2)前号読者欄の関野通夫氏の、「日本製自動車の輸入をシェア2%以下に。。」ですが、小生は氏が帰国された頃?1980年に渡仏し、1983年まで現地に居住しました。
当時、日本のハイテク製品が集中豪雨的に欧州へ輸出されており、ウォークマン、VCR、CD、ハイファイ音響製品、そしてクルマ等で、黄禍論すら湧いておりました。パリのモンパルナス駅の正面の夜景は、SONY, PANASONIC, PIONEER, JVC, AKAIなどのネオンが溢れ、壮観でした。
通関業務をツールポワチエへ移動して入超を抑えるという、嫌がらせは仏政府特有の陰険なやり方で、効果はどうだったか?
少なくとも、広報のインパクトはあったと思います。クルマの輸入を2%以下に抑えるというのは、当時産業調査をやっていたので、ハタと気がついたのは、日本からのFOB価格がクルマ1台百万円とすると、確か6万台までが輸入のリミットだったようです。逆に、ビデオ機器1台がFOB6万円とすると、百万個までが輸入リミットで、それ以上はポワチエへの発動なのかな?と想定しました。
つまり仏政府にとっては6,000億円の外貨流出が限界線なのだろうと見ておりました。間違いかもしれませんが、、そこで日本のメーカーは部品にバラして通関して現地で組み立てる所もあったやに聞きました。すると日本側とフランス側で統計が合わないのでした。可笑しいな、規制をしても外貨が流出しているなと。
 (MKM生)

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(読者の声3)大統領選挙に立候補している民主党のバイデン氏だが、息子のハンター氏のパソコンからウクライナ・中国との不正関与が暴露された、と世界を騒がせている。
 バイデン氏は、前回の大統領選挙には、長男のボー・バイデンが2015.5.30に脳腫瘍で46歳で亡くなった。
 その年の10月、翌年の大統領選挙には立候補しないと言った。期待する息子を失った落胆では、自他共に、ヒラリーに勝てないと悟ったのだろう。
日本でも、長宗我部元親は、期待していた長男の信親を戦で失った。その後は荒れた。人は親を失うより、期待していた愛息を失う方の衝撃が大きいようである。
 このようにナイーブなバイデン氏は、認知症も疑われ、果たして、海千山千のトランプに勝てるのだろうか。及川幸久氏のユーチューブでは、15日から、マスコミにも支持者にも姿を現さないと言う。
 トランプのコロナ感染といい、今回のアメリカの大統領選挙は、サプライズ続きである。
トランプ氏は、少なくとも、2,3ヶ月前にはパソコンを知っていたのだろう。だからしつこく、政策を論ずるより、バイデン氏の個人攻撃に徹していたのではないだろうか。   (斎藤周吾)   (8月から知ってたそうですね…  🐧💦)


(宮崎正弘のコメント)トランプ、あと一息で逆転できる情勢になって来ましたね。明日のテレビ討論会が決定打になると思います。「万一、トランプが負けても、2024年に再度挑戦するだろう」と予言しているのはスティーブ・バノンです。彼のような選挙のプロでも苦戦を感じているわけです。
    
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宮崎正弘『中国解体2021──日本人のための脱チャイナ入門』(徳間書店)
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『中国解体2021』(プロローグを抜粋)
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 中国経済は窮地に追い込まれ、バブル崩壊は時間の問題だが、それは中国共産党の崩壊にいたる契機となるかも知れない。
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<本書もくじ>
プロローグ  大戦直前の日本化する中国、真珠湾型暴発を待つ米国
第一章 物の封鎖 輸出規制の深層
台湾は「一国二制度」を拒絶、「自動車」という戦略物資
モータリゼーションに「中華圏」をつくる
財政出動の天文学的なツケは? 米国が「新同盟」を形成
第二章 技術の封鎖 ハイテク技術を禁輸せよ
軍事転用可能技術を管理 日本のスパイ対策は 中国内の大学もリスト入りした
「アンチ華為」か「プロ華為」か? 半導体は製造不可能
親中・文在寅の末路。ステージは「次世代半導体」へと移った
ドイツさえも離反している。英国政府の寝返り、香港は殺された
第三章 ドル資産の封鎖 資産凍結と戦略物資入手の遮断
世界第二位の「経済大国」の空虚な内実、中国企業をもてはやす日経
国家サラ金「AIIB」のその後。強硬路線を止められない習近平
築かれた不良債権の山。「デジタル人民元構想」にすがる
第四章 国際社会へのアクセス封鎖 日本企業に制裁が発動する日
浸透工作のために乱舞するチャイナマネー、スパイ機関「孔子学院」
現代に蘇ったナチス国家、米連邦議会はアンチ・チャイナ一色
エピローグ   日本人への緊急提言──今すぐチャイナから脱出せよ!
 アマゾンで予約の読者には特典があります(特典の内容は近日中に告知します)
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『WHAT NEXT(コロナ以後大予測)』(ハート出版)

『「コロナ以後」中国は世界最終戦争を仕掛けて自滅する』(徳間書店)

『新型肺炎、経済崩壊、軍事クーデターで、さよなら習近平』(ビジネス社)

『CHINAZI(チャイナチ) 崩れゆく独裁国家・中国』(徳間書店)

『地図にない国を行く』(海竜社)
『日本が危ない!  一帯一路の罠』(ハート出版)

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<< 宮崎正弘の歴史評論シリーズ >>
『一万年の平和、日本の代償』(育鵬社)

『神武天皇以前 (縄文中期に天皇制の原型が誕生した)』(育鵬社)

『明智光秀 五百年の孤独』(徳間書店)


『吉田松陰が復活する』(並木書房円)
『西郷隆盛 ──日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社)
『取り戻せ 日本の正気』(並木書房)
      
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宮崎正弘 v 渡邊惣樹 『戦後支配の正体 1945-2020』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 石 平  『ならず者国家・習近平中国の自滅が始まった!』(ワック)
宮崎正弘 v 西部 邁 『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫)  
宮崎正弘 v 渡邊哲也 『コロナ大恐慌中国を世界が排除する』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 田村秀男 『中国発の金融恐慌に備えよ!』(徳間書店)) 
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ、中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 高山正之 『世界を震撼させた歴史の国 日本』(徳間書店) 
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宮崎正弘 v 藤井厳喜 『米日露協調で、韓国消滅!中国没落!』(海竜社)
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