「共通の危機感と現地シンクタンクの翻訳記事」
How Japan Is Upgrading Its Military | Council on Foreign Relations
https://www.cfr.org/in-brief/how-japan-upgrading-its-military
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■ 「共通の危機感と現地シンクタンクの翻訳記事」
文責:参政党 海外翻訳チーム 池田みえこ
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若葉が目に眩しくうつる季節になりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今からちょうど1年前の4月11日に、参政党が立ち上がりましたね。
私ごとで大変恐縮ですが、去年の2月末に海外在住26年間の生活を終えて、完全帰国して参りました。
その理由の一つは、海外から見る日本がいかに素晴らしい国なのかを実感したと同時に、その素晴らしい日本の現状があまりにもひどかったからです。海外からでもネットを通して、運よく参政党の存在を知ることができ、帰国してすぐに参加させて頂いて、今では「まだまだ、日本はいける!」という手ごたえを感じております。それは全国・全世界から集まった素敵な党員メンバーを通して感じさせて頂き、中でも海外情報翻訳チームのメンバーは同じような経験を持つ人たちが「共通の危機感」を共有しているので、大変ありがたい出会いとなりました。中でも今月は、ニューヨーク在住の山下政治さんからの現地レポートをご紹介させて頂きます。
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日本の防衛力強化の課題
2021/04/02 山下 政治
米国のシンクタンクCOUNCIL on FOREIGN RELATIONS(米外交問題評議会)によると、菅義偉総理は、近隣諸国の圧力がますます高まっている中、国防のさらなる強化に取り組んでいる姿勢をレポートしている。
「菅義偉総理は、中国の軍事力増強や北朝鮮のミサイル増強圧力の高まり、ロシア軍の東アジアでの活動の継続を踏まえ、日本の防衛力の抜本的な強化を続投する考えである。」としているが、「COVID-19の大流行から日本を救い出そうと奮闘している菅総理の努力は、防衛予算の増加もさることながら、国内のその他の優先事項との競合を余儀なくされるだろう。」と、菅総理の政策のジレンマを記している。
現在、日本の防衛費に費やす予算は9年連続で増加し続けているものの、GDPに占める割合は1%を超えていない。少なくとも、世界標準の2%まで早急に防衛予算を増加させたいところだ。
菅政権下での日本の防衛力向上は、安倍晋三前政権から受け継がれ、安倍政権のおよそ8年の任期中に、日本はいままでにない安全保障改革を実施した。
「おそらく安倍前首相の最も重要な動きは、日本国内では論議を呼んではいるものの、憲法第九条を再解釈して、事実上軍隊である自衛隊 (SFD) が日本を守るために外国との軍隊と協力できるようにしたことだろう。」と、米外交問題評議会は安倍前首相の安全保障改革を評価している。
自衛隊は長期にわたる防衛費の低迷により、特に航空・海上防衛の整備に遅れをとってしまった。近隣諸国からの圧力に加え、今後は新たに宇宙、サイバー能力が必須となる中、防衛予算の大幅な増大は喫緊の課題であることは菅総理も認識しており、加えて、「日本は軍事技術分野での競争力向上にも取り組んでいる。」
防衛省には防衛装備庁が設置され、これにより、日本の企業、大学、研究所が新たな軍事技術の開発に拍車をかけている。
先端技術に携わる筆者も、先日市ヶ谷の陸上自衛隊駐屯地を訪問し、新たな技術の提案をしたところ、高評価を得て今後の展開に期待しているところである。
ここで米国が果たした日本の国防改革の役割を紹介する。尖閣諸島での中国との軍事衝突の懸念が浮上し当時のオバマ大統領が、「日米安保条約第五条がこれらの離島を対象としていると宣言」し、トランプ、バイデン両大統領も同様の発言をしており、「米国が東シナ海問題を潜在的な火種と見ていることを示唆した」ことである。
また、東シナ海問題に加え、北朝鮮のミサイルからの脅威に対して日米両国が合意した弾道ミサイル防衛改善である。
さらに、自衛隊と米軍は「海上安定作戦や宇宙・サイバー任務においても協働している。」
このような近隣諸国からの脅威と米国との協働を背景に、日本は米国からの武器購入を求められることも事実である。防空設備としては、104機のF-35戦闘機の投資を始めミサイル防空システムなどが挙げられる。
しかし、日本において今後は、独自技術による国産武器の開発が必要であり、これらの日本製武器を日本と同盟関係を結ぶアジア諸国へ整備することで、アジアにおける日本のプレゼンスと、中国の無法による領土拡大を許さない体制を構築することが重要であると考える。
さて、以上のように日本の防衛力強化が必要であることは明らかであり、菅総理もこの改革を続行することは明白なのだが、その課題を米外交問題評議会は提起している。
まずは、日本国内政治の問題である。2021年は衆議院選挙があり、この度のコロナ騒動に対し、「政府のパンデミックへの対応をいかに評価するか、により投票結果に影響を与えることになるだろう。」としている。
確かにこの問題は一理あるが、しかし野党の現在の支持率、また昨今の野党の言論等を見ていると、国民が野党を支持するとは考えにくい。
第二に、今回のコロナ騒動に対する経済的影響により、「防衛省の長期的計画を実施するために必要な予算に影響を及ぼす可能性がある。」
最後に、新たな国家安全保障戦略と弾道ミサイル防衛の見直しである。米国製イージス・アショア・ミサイル防衛システムのキャンセルに伴う敵基地攻撃能力に関する軍事能力の検討。
以上の3つの課題を米外交問題評議会は提起し、これを如何に日本は対処するかにより、日本はさらに進化した防衛力強化を構築することになる、と考える。
出典:COUNCIL on FOREIGN RELATIONS (外交問題評議会)
How Japan is Upgrading its Military 2021/2/24
記者:Sheila A. Smith
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この記事はアメリカのシンクタンクである米外交問題評議会のレポートで、レポートを投稿したジャーナリストが既に題名を記していますので、そのまま「日本の軍事国防力強化」になります。
近隣諸国からの圧力に対して、日本の国防姿勢と菅義偉総理の奮闘ぶりを高く評価しているレポートです。しかしその高評価の裏を読み取るとすれば、それは日本に対して憲法9条の法改正と国防費の増加を求めていると理解できます。また米国は東シナ海を潜在的な火種と認識しており、この地域における紛争により日本の国防力強化を促すことによって、F35戦闘機等のさらなる売り込みを示唆しているようにも思えます。とはいえ、コロナによる経済的影響により、国防予算にも影響があることも理解を示しているレポートとなっております。