M42ダスターについて

M42ダスター、その名はまるで家庭用の掃除機のようですが、実際にはアメリカ合衆国が開発した自走式対空砲で、その歴史は朝鮮戦争の戦訓から始まります。1952年に開発され、1954年から配備されたこの車両は、その後ベトナム戦争で地上掃射に活躍し、南ベトナム解放民族戦線にはB-52戦略爆撃機の絨毯爆撃と並んで恐れられていました。

しかし、その名前の由来は一体何なのでしょうか?「ダスター」とは英語で「掃除人」や「(掃除用の)はたき、雑巾」という意味です。まるで戦場のゴミ(敵)を掃除するかのように、その強力な40mm連装対空機関砲で空を制圧したのでしょう。また、その姿はまるで戦場のハウスキーピングスタッフのようにも見えますね。装甲車体にはたきを持っているわけではありませんが、その強力な火力で敵を一掃したのですから、名前の由来は納得がいきます。

日本では、陸上自衛隊が1960年から22両を購入し、第7師団第7特科連隊第5大隊に配備されました。そして、87式自走高射機関砲が登場するまで、長らく日本の空を守る重要な役割を果たしていました。1994年まで使用され、その後は展示品として多くの場所で見ることができます。

M42ダスターは、その名の通り、戦場の「掃除人」としての役割を果たし、多くの国々で使用されました。そして今、その歴史を振り返ると、その名前が与えるユーモラスなイメージとは裏腹に、その実力は決して笑いごとではなかったことがわかります。戦場の掃除機、M42ダスターに敬意を表して、その名を今に伝えましょう。

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