こうやってこどもは、言葉を試しながら獲得してるんだ、と感動した瞬間
英語を教え始めて4年目くらいの出来事だったと思います。
年長さんの男の子、Aくん。
英語をスタートして1年くらいだったかな。
その日は、「"Birthday Party"をする」という回でした。
パーティーのためのケーキを作り、
サンドイッチを作り、
ジュースを作りました。(全部工作です)
パーティーに来たお友達(ぬいぐるみ)を座らせて、
Birthday Songを歌い、
プレゼントを開けて
・・・と、つつがなく、パーティーが終了。
パーティー(ごっこ)が終わったあと、
台所に見立てたテーブルで、
Aくんと一緒にお皿を洗って(いるふり)いたところ、
Aくんが何か言いました。
"Where's %&%$*# ?”
聞き取れなかった私は、
"Huh?"と返しましたが、
Aくんは無視、洗い物続行。
あ、何か大切だったかも・・・と思ったのですが、
私も洗い物に戻りました。
つつがなく、洗い物も終了。
毎回レッスンの最後に「今日楽しかったこと」を
絵にしてもらっていました。
Aくんはクレヨンを出して、なにやら描き始めます。
台所。テーブル。いす。ケーキ。
That's a nice chair. It's big enough for a bear. (いいイスだね。クマサイズだ)
I love the color of your cake! (ケーキの色がいいね!)
なんて話をしながら、
絵のお時間が進みます。
ちょっと描き進んだころ、
私が、ん??なんだろう?
よくわからないものをAくんは描き始めました。
それは、かなり大きな茶色の長方形・・・。
モノリス・・・?!
わたしは、その茶色の長方形を指して、言いました。
"Hmmm…I'm wondering what this is. "
(んーと、これってなにかなあ)
それをきいてAくんは、わたしの顔を見て、
「んーーーー」
と、言いました・・・
なんだろう、考えてるみたい・・・と思って、待っていると、
Aくんはこう言いました。
"Dishhouse."
dish house ???
あ、そうか!
ハッとしました。
「おさらのおうち」
dish+houseという単語を
自分で考えて作ったんだ!
Aくんは、”cupboard” 食器棚、という単語を知らなかったので、
自ら単語を作ったのです!
「おさら=dish・・・」
「おさらが入っているところだから・・・おうち・・・=house」
「だから、dishhouseかな?」
というようなことを年長さんが、
考えたわけです!
年長さんが!
すごくないですか????!!!!
さっき、だから
お皿を洗っていて、
それをしまおうとして、
"Where's a dishouse?"と
私に聞いたんだね!
私は聞き取れなかったけど!
鳥肌が立ったのを覚えています。
面白い!きゃー!すごい!
忘れられない瞬間、たくさんありますが、
この「おさらのおうち」の時ほど、
こどもがことばをどうやって獲得していくのかを知りたい、と
強く感じたことはありません。
こどもの創造力と、
言葉に対する柔軟性のようなものを
この瞬間に感じたのです。
Aくんに感謝です!
読んでくださってありがとうございました!