【プレイバック・トーハク2024】Hello, HaNiWa! (後編)
後編。12月初旬に訪れた「挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」(以降「はにわ展」)のルポ。
★挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」公式★
3.特別展はにわ@平成館
訪れたのが展覧会の最終週だったので、混むだろうなーとは思っていた。そして実際、混んでいた。ただ、入場に関しては全体的に滞りなく行列が進んでいったため、見た目ほど時間はかからずストレスも溜まらずに済んだ。
展覧会の基本、撮影等会場ルール・マナーのチェック。
会場見取り図。ごくベーシックな展示設計・レイアウト。
会場入口の風景。通常だとここでキービジュアル的なものを持ってくるのがセオリーだと思うが、この展覧会は非常に地味なスタート。
最初のセクションパネル。これで大体どんな展示か、想像がつく。
目玉の一つ。踊る埴輪。実際に踊っているものかどうかは諸説らしい。
埋蔵発掘品ということで、刀剣も展示。古墳時代の刀剣なので宝剣(礼装)・直刀タイプ。
映像展示もあった。ただ足は止めたくなく。
このフォルム、率直に言うと、「お丸」だよなぁ、と思ってしまう。
人や動物といった生き物以外に、静物の埴輪のインパクトが結構あった。「これ頑張って焼くもの?Why HANIWA?」という第一印象なため。
目玉展示ゾーン。5体の武人へ。
5体の現在の所属。1体はアメリカから招聘。日本人大リーガーといった趣か。
これがその5体の展示風景/「メインステージ」。しかしこの展覧会において個人的に関心が高いのは、ここではない。この後。
ユニークな埴輪たち。
ここが、私的にこの展覧会て見たかったもの。イヌ埴輪たち。
首の曲げ具合など、なんとも素朴で良いと感じてしまう。
ここトーハクが所蔵する埴輪で、一番好きなもの。見出し画像にあるとおり、これのクリアファイルも愛用している。
これがこの日の、マイ・ベスト・イヌ埴輪ショット。
会場最終エリアの展示。埴輪たちのランウェイ。
出口での情報。NHKで最近埴輪を扱った番組の紹介。昨年はほんとに埴輪番組が多かった。追いきれなかった。
開幕時、ちょっと話題になってたらしい。
* * *
特別展は以上で終わりだが、ここトーハクには、もともと「常設の埴輪ルーム」がある。正確には平成館の1階にある「考古展示室」。しかもそこの展示は、素晴らしい。今回の特別展と改めて比べたいということもあり、そちらへも忘れずに足を運んだ。確かに、常設展示なので、いつトーハクに来ても見れる(ことが多い。展示替えはある)。しかし、まだ一度もこの土偶・埴輪の充実した「考古展示室」を見たことがないのにも関わらず、特別展(の埴輪)だけ見て帰ってしまった人は、ほんとうに勿体ないと思う。
以下、トーハク公式ブログによる考古展示室の紹介「トーハクくんがいく! 新しくなった考古展示室」。なかなかトーハクに行かれない方は、ぜひご一読を。
この埴輪ルームで、一番好きなオブジェがこれ。
他にも目を惹く埋蔵文化財が目白押し。久しぶりに来たが、やはり面白かった。
この日の「見送り人型埴輪」は、《盛装女子》。この展示は結構頻繁に入れ替わっているイメージ。
館内のポスター。この日見た2つの展覧会、および新年の「初詣開館」告知。
トーハクで埴輪といえば、これも忘れてはならない。公式PRキャラ。
この日の鑑賞を終え、帰路に着く。
余談:また家に増えたハニワグッズ
自分はそこまで熱狂的なハニワ愛好家ではないと思うが、それでも「お~い!はに丸くん」はLOVEであり、何らかの縁で集まったハニワグッズが家の中にちょいちょいある。そして同じ2024年は、「ハニワと土偶の近代」展@東京国立近代美術館(MoMAT)を先に鑑賞しており、そこでもハニワグッズを買った。
今回のトーハクはにわ展で買ったグッズの集合写真(記録写真)が以下。1番好きな「はに丸くん」グッズに関しては、どちらかというとMoMATで売っていたものの方が、好みだった。サコッシュは(サコッシュに限らないが)「欲しいけど高い」なお値段だったが、今回図録を買わず他は絵葉書程度だったので、買っちゃってもいいかなと、財布を緩め手を出した。
参考情報:トーハク所蔵の《埴輪 挂甲の武人》の画像・解説・データ。
2年前2022年末の「国宝展」で対面した。
4.キティ展とはにわ展を1日で巡って
少しだけ、この日の全体的・俯瞰的・比較的観察・考察を書き留める。
キティ展からはにわ展に流れた人は、ほとんどいなかった様に見受けられた。同じトーハクなのに、事象として完全に「分断」していると感じた。
「分断」という視点でもう少し書くと、キティ展の客層の大半は10代後半~30代ぐらいまでの女性グループ。チラホラ見かける男性は完全に女性の連れとして。それに対しはにわ展は、性別や年齢・グループ構成はキティ展に比べ多様で広かった。そして中心層は40歳以上だった印象。男女比は大体5分だったか。同時開催の展覧会なのに、客の属性・分布がここまで極端・対照的なのは興味深かった。
さらに考察すると、早々に売り切れていたセットチケット以外、この2つの展覧会運営においては互いに積極的な連携は画策されていなかったように思う。どちらもそれ単体だけで客が集まり過ぎ、日時によっては両方を同日に回るのは土台無理なので、運営として余計なことはしない、というスタンスだったのかもしれない。
5.帰り道
当日、トーハクおよび上野公園の銀杏の紅葉が見事で、かなり写真を撮った。それを記事の最後に置いておく。
感覚的に、少し昔だったら10月末~11月初ぐらいの光景だった気がする。気候変動(とくに2024年の夏は炎のようで、しかも10月いっぱいまで続いた)で紅葉の時期が狂いずれこんで、12月にこうなったように思うのだが、どうだろう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
以 上