江口寿史イラストレーション展 東京彼女
★展覧会データ★
主催・会場:東京ミッドタウン日比谷(6F BASE Q HALL)
企画・制作:東京新聞/KOTOBUKI STUDIO
会期:3月14日(火)~4月23日(日) 11:00~19:00(入場は18:30まで)
★コメント★
恐らくは生まれて初めて、展覧会を初日に行った。
江口寿史の猛烈なファンというわけではなく、他件で出掛けたついでに。なので、初日だったのは、たまたま。ただ、「彼女展」が日本各地を巡回しているのはnoteに上がっているレビュー記事で知っていたので、「そっか、東京に来たんだ」という感じで見に行った。
この展覧会は夜19時までやっており、お陰でうまいこと業務後に鑑賞できた。大体17時で閉まる美術館と違い、商用施設の展覧会だとこのように遅い時間まで開場してくれるものなのかも。ふと思った。
ほかに、今回見に行こうと思った理由として、会場が東京ミッドタウン日比谷だったということもある。近年新装してピカピカなエリアだが、展覧会をやるところという認識はなかった。ので、「ここってどんな会場なんだろ?」という好奇心がかなりあった。
今回はタイトルに「東京彼女」とある通り、東京/日比谷開催にちなんだ独自のアレンジがされていた模様。しかし駆け足気味で観たので、鑑賞時はその点にまでは気が回らなかった。実際、都心/都会/東京の背景のイラストが多めだったのかも。しかし今回展示されたイラストを「美人画」と見立てるなら、作品の主役はあくまで描かれた「美人」なので、背景が第一印象ではないというのは正しいはず。
この展覧会は、撮影OKだった。太っ腹だな~と。
代わりに?展覧会の定番アイテム、作品リストは配られていなかった。そういう展覧会もあるんだなと。リストがないと、気に入った作品の写真を撮るとき、作品本体とは別にキャプションも撮って記録せねばならず、ちょっと面倒なんですよね。
展覧会のキャッチコピーによると、テーマは「美人画」とのこと。
今まで美人画と言うと浮世絵か、もう少し広げても(近代西洋画に対する)日本画の一ジャンルを指すものと思っていた。しかしこうして一箇所に集められた江口寿史の作品を「美人画です」と言われると、「たしかに」。
今回の展示は大半が商用イラストなので、服(特にジーンズ)やヘッドフォン・イヤフォン、メガネなど宣伝対象の商品がごく自然にフィーチャーされてて、「美人画の正しい用途」って確かにこういうものだな~と勝手に感心。ワイヤレスイヤフォンの作品群など、まるで美容院のカット(髪型)モデルのようで、面白い。
そして一旦そういう視点を持ってしまうと、描かれた女性は純粋に「モデル」であり、個別の人物名は全く付ける必要のない、むしろ付けるとおかしなことになるちょっと悲しい?存在のように思えてくる(作品名はある、しかし人物名はない、的な)。このあたりが「彼女展」たる由縁か。
ほかに個人的に興味深かったのは、照明。
素人目からもえらく気合入ってるなーと。
よく考えると、やってることはテレビなどで女優に行われているライティングと同じ。しかしそれを人間ではなく、イラストのモデル(モデルのイラスト?)に。しかもその数優に100点を超え、くまなく。ここに作家だけでなく、主催者の美学/矜持を私は感じとった。
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今ちょうどWBCが盛り上がっているので、
タイムリーな一枚。
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全体として、期待以上に楽しかった。しかし同時に、あまりに長時間大量の「美人画」を浴びて、あるいは「美人」に見つめられすぎて、要は「美人過多」で、最後はクラクラになってしまった。
以 上
誠にありがとうございます。またこんなトピックで書きますね。