まほらんの関係性を語り尽くさないと出られない部屋

こんにちは、えるです。
先日「〇〇しないと出られない部屋」SSシリーズがめでたく完結しました!


我ながら最高の出来です。10年後の自分が泣いて喜ぶ作品を作り出してしまいました。
すでに読んでくださった方、ありがとうございます!
読みたいんだけどまだ読めてないよって方、存在を認知してくれてありがとうございます!いつかお暇で余裕のある時に思い出していただけたらとても嬉しいです。

ということで、ここからは超絶自己満足、SS語りの時間です。
ネタバレしかないので、読みたいけど読めてない方はスキップすることをオススメします。

ではどうぞ。


「魔法のランゲージ」って、全ての時間軸の全ての関係性にエモがあるんですよ。
その中でも、今回のSSシリーズは"9月後半ごろの冬真×○○"をピックアップしてみました。
まほらんは6月から物語が開始するので、だいたい3ヶ月経過した関係性だと思ってください。
ちなみに、私が普段Twitter(自称X)で呟いてる設定や上げてる絵の時間軸も9月後半です。インターネットのどこかにある、最初期まほらん本編で描写したのが9月までだからですね。
恥ずかしいのでリンクは貼りません。見たい人は自力で見つけてください。(見つけなくてよい)

話を戻します。
学生にとっての3ヶ月って大きいですよね。3ヶ月もあれば普段一緒に行動する人は決まるし、テストだって一度は経験しているし、心が変わるのにも十分な時間です。
それはまほらんのみんなにとっても同じことです。
3ヶ月経過し、そしてこれからも時を重ねる彼らの関係性にはハイパーエモいキラキラが詰まっているのです。

それぞれのSSについて語ります。

冬真と京介

この人たち、まだ出会って1ヶ月しか経っていません。
と言いますのも、まほらんは
彩葉と冬真が出会う(6月)→夏休み→京介、由菜が合流(8月)→渡里が合流(9月)
という流れなのです。

1ヶ月経った男子2人、まあ普通に話せるくらいの仲です。仲間意識はあるけれど友達だとは思っていない、ビジネスパートナーと言うのが一番合っているでしょうか。
冬真は京介のことを「頼りにはなるけどこれ以上仲良くなる気がしない(なぜなら変人だから)」と思っているし、京介は冬真のことを「堅物な後輩」としか思っていません。
この2人は(良いか悪いかは置いといて)これからどんどん変わっていきますので、このビジネス仲間関係は今だけ!なんですね。
そういうの、える好きだから。

好きなセリフピックアップ

冬真に不意打ちキス(草)をかましたあとの京介。

「さすがにさ、そろそろ部屋でて勉強したいんだよね。いつまでもこんなところ居たくないっていうか」

「出られるかわからないことをするより、確実に出られる行動をする方が理にかなってるじゃないか。減るもんでもないし」

こいつ、本当に頭が狂ってやがる。(by冬真)
人の気持ちガン無視で、自分の利益を追求する。これこそ南京介の真骨頂なのです。

一応ね、京介もキスがどういう行為かはわかっています。
世間一般的に恋人同士がする行為であること、愛情を伝える行為であること、口と口ですることが多いが頬や手にもすることがあること。それくらいの知識はあります。
あるうえで、どうでもよいのですよね。
ワンチャン頬や手でもいけるかも!を試すより、さっさと口でやればよくない?(だって減らないし)ですよ。効率厨っぷりがよくわかります。
可哀想な冬真……。

「お前、マジで、絶対、泣かす」

冬真はたまにやや口が悪いですが、攻撃的なことを言う性格ではありません。
理不尽なことをされても「なんなんだよ……ハァ……」で済ませる穏便かつ優しい少年です。
その彼が「泣かす」まで言う、それが京介。
こんなことが本編で起こったらもう一生仲良くならなさそうなのでifでしかできません。
心を強く持って生きよう、冬真。
京介……は、そのままでいいよ!

冬真と由菜

この2人も先ほど同様、出会って1ヶ月しか経っていません。
実は冬真と由菜って結構似たもの同士なんです。

  • クールな美形

  • 人と話すのはあまり得意ではない

  • 親元を離れて暮らしている転入生

  • お互いに好意的な感情を持っていない

これらに加えて、一番でかい共通点……

  • お互いの顔が好き

そうなんだね……?
えるは知らなかったよ………………。

と言っても「好き」の度合いは少し違います。
冬真は「由菜の顔の系統が好き」です。自分自身が綺麗な顔だからでしょうか?綺麗な顔が好きなんですね。
由菜は「強いて言うなら顔が好き」です。セリフのまんま、強いて言うなら、で言ってます。

これだけ聞くと冬真の片想いみたいに見えちゃいますが、由菜が人の容姿を褒めるって結構凄いことなんですよね。
由菜は自分の顔が綺麗なことにそこそこ自信があるので基準が高いんです。
顔を除いた上で人のことを「かわいい」とか「かっこいい」と思うことはあるでしょうが、顔オンリーで褒めるのは上澄みだけです。
つまり、冬真はとってもイケメンってことです。

イケメン×美女なのに、どうしてこうもギスギスし合うんですかね。もうちょっとお互いのこと好きになりましょうよ、ねぇ。
無理?
そっか、無理か……。

好きなセリフピックアップ

「勘違い? あたしが? バカなこと言わないで」
「…‥なんで笑ってるんだよ」
「別に」

滅多に笑わない由菜が思わず笑ってしまった一コマ。
冬真の好きなところ、というお題を聞いた時から由菜は「強いていうなら顔」だとは思っていました。でももちろんそんなこと言いたくないので、黙っていました。
そしたら!相手の方が「顔」と言ってくるではありませんか!
さすがに笑っちゃうよね。由菜の鉄壁フェイスも崩れちゃいます。
冬真は(この時点では)そんなこと知る由もないので、変な感情になっています。

こんな気恥ずかしい場所からは早く出たい。もうなんでも良いから早く終わらせたい。どうしていつも俺はこんな目に遭うんだ。なんなんだ。帰りたい。俺と対等に話してくれる人間の元に帰りたい。

ちょっと嬉しいけど、それ以上に居心地が悪くて逃げ出したくなっている冬真くん。
由菜ともいつか対等に話せるようになるといいね。せめて、好きなところが「外見」じゃなくなるといいね。変われるか、君たちは。

冬真と渡里

このふたりはなんと、出会って1ヶ月も経っていません。
一応仲間ではありますが学校が違うので普段は会わないし、用事があって会ったとしても一対一にはなりません。中途半端に仲間意識があるので、初対面の人間よりも話しづらい関係性かもしれません。
話しづらい関係、というと冬真と由菜も口下手同士で喋りが苦手ですね。ただ、あっちは互いに好感度低いのが目に見えているので、遠慮ない話し方ができるというメリットがあります。
対して冬真と渡里は、別に互いのことが嫌いとかではないんです。せっかく仲間になったのだから仲良くしたいと思っているんです。
それなのに……なのに!
二人とも人見知り、だから……!

「小学校って……どう?」
「えっと………………楽しい、です」
「そっか……」
「……」
「……」

なんて会話をしてしまうんです!
会話が下手くそで本当に愛おしいよ。
そんな二人にお似合いな「10分間話続けないと出られない部屋」でした。

好きなセリフピックアップ

「あの、会話って……」
「うん」
「会話って、なんなんですかね……」

(え、突然の哲学……?)
って、このとき冬真は少し戸惑っていました、実は。
でも戸惑ってることを渡里に悟られたら渡里が謝ってきそうだし、ツッコミを入れられる距離感でもないからスルーして「わからない」って言ったんですよね。
ちなみに渡里は(何か話さないと、でも話題がわからない……。会話を10分続けるってなんなんだろう、どうやったら続けられるんだろう、会話って……)→「会話って、なんなんですかね」の思考回路でした。
お互いに相手のことを気遣いすぎ!
素晴らしいけど、それだけじゃ会話は成り立たないんだよね。

「じゃあ話すけど、魔法って奥が深いんだよ。成り立ちとか種類とか、歴史にも関わりがあって──」

境町冬真って、魔法オタクなんですよ。
切り替えたら魔法の話をペラペラ10分話し続けられちゃう人間なんですよね。そういうところもまた、かわいい。
それに対して「面白かった」って言ってくれる渡里はやはり天使。
いつか仲良くなれるよ、大丈夫。だって

「秋の青」では、こんなに話せているんだからね。

冬真と彩葉

言わずともしれた、まほらんのメインコンビです。
この中で唯一3ヶ月の関係値がある二人です。
印象最悪だった6月から、一緒に夜更かし(意訳)したり、放課後毎日散歩(意訳)したり、一緒に料理(強制)したり、実家に訪問(事実)したり、そんなこんなで友達になっていました。
一時期は(周りの策略によって)席が隣だったりもして、普通に仲良しだと思います。
書き始めた時はそんなつもりはなかったんですが、結果的にこの「〇〇しないと出られない部屋」シリーズは、彩葉と冬真の築き上げてきた関係性を語るSSになりましたね。
まあ、文章量を見れば一目瞭然ですね。
私はこいつらが大好きなんです。

この二人のSSでは意図的に会話を増やしました。渡里の次だったのでわかりやすかったかと思います。
おしゃべりな彩葉は置いといて、冬真が無意識に10分話し続けられるなんて相当なんでね。いやあ、良い。

好きなセリフピックアップ

めちゃくちゃ数が多いです。
全てにエモが詰まっているので。
まずは前編!

「やっと起きた。何回声かけたと思う? ハァ〜大変だった」
「いつも誰かに起こされてるくせに……」
「そうだよ、私はいっつも感謝してるから。だから感謝してね」
「はいはい、どうも。……で、ここは」

これこれ〜!これこそ彩葉と冬真の会話だよ〜!
自分のこと棚に上げて相手にツッコミを入れる彩葉、それにツッコむ冬真、開き直って相手にボールを投げ返す彩葉、やれやれな冬真……
親より見た会話です。

「あのペットボトルってさー、飲めると思う?」
「やめといた方がいいと思うけど」
「私もそう思う」

これこれ〜!(二回目)
自分で聞いておきながら、すでに知ってたからアピールする彩葉!こういうところが好きなんだ!ありがとう!
彩葉って明るくて元気で可愛いですけど、性格は別にいい子ではないです。口悪いし、悪口言うし、都合の悪いことから目を背ける一面もあります。

よくもまあそんなに声色に感情を乗せられるもんだな、と彩葉のわかりやすさに感心を覚える。姉もこれくらいわかりやすければ、彩葉と瑞希みたいに……とまではいかずとも、もう少し仲が良かったかもしれないのに。

のちに出てきますが、冬真が思う彩葉の一番好きなところは「自分の思っていることを素直に言うところ」なんですよね。
だからこそ、こう思う。
顔にも声にも感情が出てくるわかりやす人の彩葉だから、冬真はこんなにいろいろ話しているんです。姉と正反対の性格だからね。
ちなみに姉と性格が近いのは未来です。
冬真は未来のことが苦手だし、言い返すのも得意ではありません。なぜなら姉に似ているから。

ここからは後編です!

「……やらなきゃ出られないなら、やるけど。なんですか、嫌なことしないと出られないんですか?知ってるってことですか」

私はこういう彩葉の話し方が好きなんです。
伝われ、この良さ。

「クソとかバカとかすぐに出るのもさ、よくないよな」
「はぁ〜? クソにクソって言って何が悪いんだよクソ! お前だってなぁ!」

冬真は彩葉にしょっちゅう「口が悪い」って指摘してますが、冬真も大概です。クソとかバカとかは言わないので、彩葉の方が口が悪いのは正しいんですけども。
「クソにクソって言って何が悪いんだよクソ!」←口に出して読みたい日本語

「でも、そういう……思ったことを素直に言うところは、良いと思う」
「え、今の褒め言葉?」

指摘しながらも、そこが良いとも思っているんですよね冬真は。
自分にはできないことだから、それが当たり前にできる彩葉はすごいと思っているし、尊敬しているんですね。

冬真と彩葉って割と正反対な人間なんです。

「知りたいだけだよ」
「……ホントに言ってる?」
「嘘じゃない」
「……」

このとき黙り込んだ彩葉、実は冬真の嘘を見抜いていました。
理由は簡単、わかりやすいからです。
でも追及するのはやめました。なぜか。
「嘘じゃない」の声が嘘じゃなかったからです。
何かしらの考えがあって、それは自分に言えないことなんだと理解し、それならまあ話を合わせてやるかと思ったんですよね、彩葉は。
内緒話とか超嫌いな彩葉が一時でも追及をやめたのは、「冬真なら何か考えているだろう」っていう信頼があったからに他ならないのです。
うわ、素晴らしすぎ……?

「どっちでも良くない? ま、話してて楽しいのはさ、いいことじゃん」

ピンポーン!

ここで、鳴るんだよね……。
「話がスムーズなこと」でもなく「話のテンポがいい」ことでもなく「話していて楽しい」ことが好きなんです、よ。
この言い方も彩葉らしくて好きです。

そうか、楽しいのか。
それが俺の、一番好きなところ、なのか。
そうか。

今まで自尊心を折られ続けてきた冬真、このセリフを言われた時の心情は語るのも野暮ですね。
彼らは友達なので。
時には元気をもらったりするのです。

俺は少し屈みながら、掴んだ左手を口元に寄せる。そっと肌に触れた瞬間、あ、彩葉の匂いだ、と思った。

そして問題の!問題の箇所がきます。
執筆していて脳が破壊されました。私何書いてるんだろう……?って一瞬冷静になってしまいました。冷静になるな。
一度スイッチが入ると、冬真はやりきります。やらなきゃいけないんだから、やるんです。自分の感情も相手の感情も気にしてはいられません。
でも不意に鼻についた匂いにだけは反応したんですね…………え?
え〜〜〜〜〜〜〜〜
ちょっと…………そんな冷静に「彩葉の匂いだ」とか思わないでよ!こっちが恥ずかしくなるでしょ!

一応補足すると、冬真は彩葉に限らず誰にでも同じ行為をしたと思います。龍太郎相手なら「龍太郎の匂いだ」って思ってます。相手が誰であってもやりきるのが冬真なのです。

「……はぁ。ほんとさ〜そう言うところだよね〜もうちょっとセイチョーしてほしいよね〜」
「いや、俺の性格と今回の事象は関係ないだろ」
「あります〜言い逃れできませんから〜」
「俺だって頑張ったんだよ」
「あっそ、知らんし」
「お前な……」

これこれ〜!(三回目)
部屋から出るためにしたんだろうなと推測がつくから怒りきれず、でもムカつくから悪態はつく彩葉と、やれやれしてる冬真よ。

この二人の会話って、書いていても楽しいんですよね。
できる限りずっと、こんなふうに話していてほしいな。

終わりに

私の愛が少しでも伝わっていればとても嬉しいです!

この語りって正直蛇足だしあげるかどうか悩んだんですよね。でも、やはり思ったことは書かないと残らないので。本編が出せない間はこうやってたくさん語れたらいいな、なんて思います。
今回はたまたま冬真視点でしたが、また機会があれば別のテーマで別キャラ視点のシリーズを書きたいです。
その前に、2022年から放置している「秋のA」シリーズを今年の秋こそ完結させましょうかね。

それでは。
ここまでお読みいただきありがとうございました〜!
(ようやく部屋から出られる……)

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