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心霊現象とは何なのだろうか

 心霊現象とは、霊魂によって起きていると考えられる出来事のことで、超常現象の中でも、霊魂が介在していると推測される現象をそのように呼ぶ。現時点で一般的な自然科学の知識では説明しきれないとされる現象らのことである。

これは偽物

 これら心霊現象は、霊の作用により何らかの物理的に観測可能な現象を生じるものとされ、ポルターガイスト現象、ラップ現象、霊視、霊聴など現象の種類は多岐に渡る。その他、心霊を研究する立場から研究対象とされている各種の不思議現象を含めて物理化現象とも呼ばれる。

ポルターガイスト

 分かりやすいもので言えば、「霊魂などの目撃談」や、「それらの存在が引き起こしたらしき祟りなどの経験談」といったものである。これらは経験者の主観に基づく経験談がほとんどで、自己暗示や集団催眠、錯覚や幻覚などの勘違いの例も否めない。これら主観に基づいた経験は客観的観測が難しく、考察や検討が難しい。
 しかし、近年スマートフォンの急速な普及により最近では個人レベルで高品質の映像や音声を残すことが簡単にできるようになり、これらの不思議な現象を簡単に観測できることが可能となってきた。それらの中から特に「音にまつわる心霊現象」について考えてみたい。

音とは何か
 「音」は「振動(揺れ)」のことである。振動がいろいろなものを介して伝わることで、耳に届いている。本来は振動を起こすもの(音源)がなければ、音は発生しない。空気(気体)や水(液体)、金属(固体)など振動を伝えるものがなければ、音は聞こえない。つまり何も伝えるものがない「真空」では音は伝わらない。
 振動は、物体の周りにある空気を押し出し、その空気は圧縮されて空気の濃い部分ができる。さらに隣の空気押し出すことで順々に空気の濃い部分と薄い部分(空気の圧力の変化)が発生し、それが波となって伝わって行く圧力の変化の波を「音波」と呼んでいる。不可思議な音にまつわる心霊現象において解かなければいけない謎は、「音源は何か?」である。

ラップ現象について
 ラップ音、ラップ現象などと呼ばれる、心霊が居る時や出る前に鳴るとされる謎の音である。夜遅くにどこからともなく突然鳴り響く 「パキッ」や「パチン」、「ミシッ」という音で表現されることが多い。
 室内で起きるこの音の正体はすでに判明している。「家鳴り(やなり)」と呼ばれるこの現象は木材が湿気を吸ったり放出し伸縮する音で、柱や梁、桁など、木材と木材を組み合わせた「仕口」といわれる接合部分に特に起きやすい音である。
 同じ木造建築であっても、無垢材を多く用いた住宅ではより多く発生すると言われている。夜間に聞こえやすいのは当然で、普段より静かだからだ。室温や湿度も夜間に変化しやすいため、夜に聞こえやすいのは当然だと言える。

収録される、「声のようなもの」について
 過去にはテープやCDなどに声らしきものが収録されていることもあり、話題となった。心霊系youtubeなどを見ていると小さな声で人間の囁き声が入っているシーンなどをよく見かける。これらの声は撮影者の言動や動きに付随している内容でないことの方が多く、独り言のように録音されていることが多い。
 このような「不意に入ってしまう心霊音声」については1920年代からすでに研究されている。これらの音声のことを電子音現象(Electronic voice phenomenon)と呼んでいる。
 EVPの定義は「不明な音源からの人の声が録音テープ、ラジオ局のノイズやその他の電子メディアで聞こえる現象」を差し、ほとんどの場合、EVPはオーディオテープでキャプチャされ、録音時には声は聞こえないが、テープを再生すると声が聞こえる現象らしい。音声を聞くには、増幅とノイズフィルタリングが必要になることもある。
 それらの音声は性別(男性と女性)、年齢(大人と子供)、調子と感情がそれぞれ異なる。彼らは通常、単一の単語、フレーズ、および短い文章で話している。時にただの唸り、うめき声​​、うなり声で収録されることもある。EVPは様々な言語で収録されている。研究はされているが、音源の解明には至っていないがいくつかの示唆は得られている。
 これらの音声は死人の声であることが推測されている。多くの研究者がEVPを探して墓地に行き、墓地の方が収録率が高いせいだという。
 音声の元は別次元からのもので、現在多くの次元が存在することが理論化されていることから、何らかの形で他の次元からの存在がコミュニケーションを取っているという考え方もある。
 他にも、音声は研究者自身の潜在意識から来ているという考え方もあり、 何らかの形で研究者の考えがテープに投影されている可能性があるかもしれないという仮説やこれらの声は天使や悪魔などの可能性があることも主張されている。
 懐疑的な人は、「声」は偽装されているか、音声として解釈されているランダムノイズか、テープ上の実際の声か、ラジオや携帯電話などの声から拾い上げられているものだとも考えられている。EVPについてはずいぶん長い間研究や考察がなされている。1920年代にはエジソンが死者と通信する機会を発明しようとしていた。
 1939年、米国の写真家アッティラ・フォン・スザレーは精神的な声を捉えるために特殊なレコーダーを作成し、1950年代後半には、彼の実験の結果がAmerican Society for Psychical Researchの記事に掲載されている。1940年代後半には、イタリアのマルセロ・バッチが、真空管ラジオで故人の声を拾うことができると主張していた。
 1952年に2人のカトリック司祭がEVPを誤って拾い上げ、グレゴリオ聖歌を磁気音声で録音し、死んだ父親の声が録音されたという。1959年、スウェーデンの映画プロデューサーのフリードリヒ・ユルゲンソンが録音した鳥の歌の中から母親の音声を発見したらしい。1960年代にはラトビアの心理学者Konstantin Raudive博士が数千の死者の声を録音したと言われている。1970年代からはスピリチュアルな研究者GeorgeとJeanette Meekは霊能力者William Ornilと共同で、ラジオオシレーターを使って数百時間のEVPを録音したらしい。
 現状、とりあえず収録はできるが、原因がわからないのは変わっていないらしい。EVPはyoutubeで検索すればいくらでもヒットする。一生懸命研究しているのはわかるが、聞き間違いの領域を出ない。

Voice-to-Skullについて
 すでに1960年代には直接頭蓋骨を振動させることで音声を知覚することは発見されており、近年では骨伝導によるイヤホンなども発売されている。さらにマイクロ波でも聴覚効果を起こせることがわかっている。
 マイクロ波は電子レンジに使われているもので、電子レンジでは水を振動させ加熱するが、人体に当てることで振動によって加熱した頭蓋骨は内部で衝撃波を生む。音声をマイクロ波で照射すると、頭内部の衝撃波が耳の神経を揺さぶり、言葉のような音を聞かせるらしく、これをマイクロ波聴覚効果と呼んでいる。
 または「フレイ効果」でも同じことが起こせる。アメリカ合衆国の神経科学者であるアラン・H・フレイの研究により1961年に発見された。パルス波形あるいは変調マイクロ波を人間の頭部へ指向照射することにより、脳内に直接生成されるクリック音・変調音・単語が誘発され「音声」として認識する。脳神経作用による感覚現象で外耳を介さない頭骨伝道音声(ボイス・トゥ・スカル)技術の原点でもある。
 しかし、この方法ではカメラに音声を収録できず、あくまでヒトに向けて起こすやり方であるはず。なぜカメラマイクを通じて録音が可能なのであろうか。

Youtubeなどの動画投稿において観測できる現象
 様々な動画を見てみて、最も客観的、なおかつ経時的に心霊現象らしきものを記録しているのはyoutubeのyamaQ氏だ。
 事故物件に住んでいるのだが、ポルターガイスト様の現象からドアが閉まっているトイレの中から夜間にノックが鳴り響く現象が観測されている。ノックが鳴っている最中外に出ても外には誰もいない。トイレのドアを叩くというよりはまるでノックである。その後何度も現象は続くので様々なことを行なっている。起こっている現象を投稿別に簡単にまとめてみた。
 ①0:30 閉まっているドアからノック音がなる。電気をつけ、ノックの途中にドアを開けて部屋に入っても誰も居ない。
 ②0:45ノックのリズムや速さはその都度違う。音声を流しているようではない。鳴っている最中に外の窓からトイレ内室内を映しても誰も居ない。室内を映してもノックは鳴り止まない。扉を開けるとノックは止まる。この音、拳で叩くノック音というよりは指を開いて叩くノック音に聞こえる。
 ③23:00ノックの途中でドアに触れるとドアに振動はあるらしい。室内の電気が付いても消えててもノックはやまない。ドアにノックを返しても鳴り止んでいない。
 ④0:30 サーモグラフィカメラによりトイレ室内を記録しているが、何も映っていない。ノックの音はカメラのマイクを通じて録音されているし、本人にも聞こえている。この際はしばらく撮影していたらノック音は止まった。
 ⑤23:20 ドアを開けたままドアストッパーを置いていても鳴り、洗面所のドアを開けたらノックは止まる。
 ⑥20:00 この時のノック音は確実に拳によるノック音に聞こえる。扉を開けたらノックは止まる。
 まあありがちな因果関係から考えてみると、この家で死んだ人が無念さから幽霊となりノックしている、というのが単純な推察であるがこの音がやらせでないのなら何らかのエネルギーが生じドアを叩いていることになるが、ヒトの視覚では認識できないものということになる。

ポルターガイストとホーンディング
 ポルターガイストとは、ある特定の人物の周りで生じる特異現象であり、物品が宙を舞ったり、激しい物音がしたり、電灯の点滅や電話の着信などの機械的・電気的変化が起きたりする現象である。ときには幽霊が目撃されたり、寒気が感じられたりもする。ポルターガイストが幻覚や詐欺ではない場合は、特定の人物による超能力である可能性もあるということだ。
 ホーンティングとは、ある特定の場所において生じる特異現象であり「幽霊が憑依した家」などという形で現われ、散発的に長い時間に渡って現象が起きる。例えば、幽霊の姿や火の玉が見えたり、何者かの存在感があったり、ノック音や足音が聞こえたり、ドアや窓が開閉したり、温度の急激な変化があったりする。
 すでに様々な科学者により研究されており、かなりの成果が上がっている。単純なところでは、小動物や水道管に由来する音や、地殻変動や生物死骸に由来する発光、窓や家具による光の反射、外気の侵入による冷感などである。複雑な原因の1つには定在波がある。低周波空気振動が家の特定の場所に定在波(行き来する波の位相が合致して強め合う状態)を作り、波の節に当たる位置に人が立つと奇妙な音や黒い影が見えるのである。ディアトロフ峠について書かれた「死の山」でも超低周波が原因として考えられていた。実際に、天井のファンが原因で定在波が出来ていたホーンティング事例が特定されている。
 科学者ロルやパーシンジャーは、ホーティングが報告される場所に、電磁波や地磁気の変化が見られることに注目した。そして、ペルティエ効果と呼ばれる地質学上の現象が、ホーンティング現象を体験させている可能性を指摘している。これは、家の下の断層の割れ目に水が溜まっていて、そこに雷などが原因で電気が帯電し、巨大な電池の役割をしている場合に起きる現象である。その巨大電池の上に家が建っていると、電磁気の変化や音の発生、温度の変化が起きる。さらに、個人差はあるが、電気変動によって人間の脳自体が影響を受け、てんかん様の発作が起きたり、幻覚を見るようになったりするらしい。

  私には、ノックの音もささやきも、まるで別次元から現実に干渉しているように見える。一方的に現実を観測でき干渉できる世界線。別次元から娘にメッセージを出すインターステラーのワンシーンようなイメージだ。

インターステラーのワンシーン

 様々な映像を見ている限り、霊と呼ばれるものがある一定のストーリーをルーティンして反復しているように見える。テープを再生するように、ある程度の決まった時間に再生ボタンが押されるような。
 疑問なのは、何が振動を発生させているのか、もしくは音を発生させているのか。なぜ音の元が映像には映り込まないのかである。voice to skullであれば収録されないはずである。
 疑問はいくらでもある。このような類の現象はなぜ発生が常に「夜」なのだろうか。本当は昼間もランダムに起こっているが私たちが認知してないのだろうか。さらに、完全な形で観測もしくは交流することができないのはなぜだろうか。別の世界線と一時的に繋がっているとするならば、なぜその時「だけ」繋がるのか。
 そもそも、「死後の世界」は存在するのか?
 もし死後人は幽霊となるのであれば、これまで個人として他者から認められてきた者たちは全て「幽霊」になっている。その者たちが全て出現できるならもう世の中はこれまでに死んだ「幽霊」まみれになっていることだろう。そう考えるとヒトだけが幽霊になっているというのは随分おかしな理論だ。
 むしろどこかの世界線と一時的に繋がっていた時をたまたま観測できた、と考える方が合理的に感じる。ではどのような条件でアクセスできているかを考える必要がある。一定の条件が揃った時に霊と呼ばれるものが鳩時計のように顔を出しているのだろうか。
 単純に何とも言えないのはこれら心霊の現象は、投稿者(とされるもの)がやらせ、騙しを行なっているかいないかが全くわからないからだ。純粋な心霊現象として起こっているのかどうか判別しにくい。

サム・パルニアの見解
 英国の医師、サム・パルニア(Sam Parnia)は、魂の存在を科学的に実証することを試みた。パルニアは、天井の近くに一つの板を吊り上げ、その板の上に小さな物体を置いた。この物体が何であるかは、パルニアのみが知っている。もし亡くなった人の魂が天井まで漂い浮かび上がることができるならば、魂は物体を見ることができる、という仕組みだ。パルニアは、この方法で100人の患者に実験を行った。そのうち、救急蘇生で生き返った7人が全員、板の上に置いてある物体を正しく認識していたという。これによって、魂は確かに存在し、魂は肉体から離れて漂うことができ、移動することができ、生命のもう一種の存在形式であると結論付けている。

 超常現象については科学的分析がほぼされていない。しかし、不可解な現象は確かに存在すると思われる。それらの現象はおそらく何らかの意思を持ったものと思われる。果たして、
 死後の世界は存在し、ある条件が整うと関与できるのか、
 死後の世界は存在せず、錯覚の類いなのか。

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