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スニッフィングとは

 よく映画などで見かける行為の一つで、粉末の鼻孔吸入を指す。注射(静脈投与)とともにドラッグの使い方と言われて多くの人がイメージするのはこれだろう。

これ

 まず何らかの結晶(もしくは元々粉末)を細かく砕き、粉末状にする。それを一列に並べ、ストローや丸めた紙幣で鼻から吸い込む。急いでいる時は手の甲に乗せてそこから吸引するやり方もあるようだ。

 スニッフィングという行為自体がいかにも違法薬物をやっているという刺激を脳に与えるため、プラセボ効果も相まって相乗効果を引き起こすのだろうか。実はこれらは、口腔粘膜でも同じ効果が得られる。他にも粘膜と呼ばれるところに薬物を刷り込めば生理学的には同じ効果が得られる。耳、眼、性器、肛門(直腸)など。鼻の中には血管が沢山あるため、その血管を通じて脳に到達し効果が得られる。

鼻の中は血管だらけ

 普通の薬は飲み薬が多く、飲み薬は腸管で吸収され、まず肝臓に届く。肝臓は解毒の役割があり、そこで一部解毒されてから全身に運ばれる。飲み薬は効果が発言するまで30分ほどの時間を要するが、安定した薬効を得られる。この解毒による効果を初回通過効果と呼ぶ。

初回通過効果

 スニッフィング(粘膜吸収)は腸管を通さず直接血流に乗って脳に届くため、吸収効率は腸管に劣る(元々何かを吸収するために特化されてないので)が肝臓を通さず初回通過効果を無視できる。そのため効果が早い。さらに注射などと違い痕が残らない。
 ただし、吸収効率を高めるためには可能な限り粉末を細かくした方がよい。細かくして整えるためにクレジットカードや剃刀の刃などを使っているのを映像で見たことがあるが、可能な限りパウダー状にした方がいい気がする。粉末ミルのようなものの方が効果は上がるだろう。

こういうの使った方がいい

 スニッフィングに使用されるドラッグとしては合法化しているものではタバコ(嗅ぎタバコ)がある。

嗅ぎタバコ

 違法薬物としてはコカインが代表的だ。医薬品もスニッフの標的になっており、リタリン(メチルフェニデート)やリリカ(プレガバリン)などが使用されている。リタリンの乱用は一時社会問題にもなり、現在では重度のうつやナルコレプシー、ADHDなどの疾患にしか処方されなくなった。

 ただし、鼻腔に刺激の強いものを入れているため、長期的に乱用すると鼻中隔湾曲症などでひどい鼻づまりになる。

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