『Misty akordeon / 霧のアコーディオン』ができるまで
サーカスや移動遊園地。楽しい空間がそこにはあるけれど、彼らがそこからいなくなってしまった後の寂しさ、それもまた物語の大切な一部です。
おもちゃのアコーディオンを買って、練習もそこそこにレコーディングしました。
にわか仕込みだけどこの空気感はこの時にしか出なかったと思います。フォークトロニカソング。
斉藤和義の『ウエディング・ソング』から着想を得ました。
ちょうどこの曲を作った頃、みのがフィンランドで結婚するという知らせをききました。さらに同時期にilluminative wavesとは別のバンドでいっしょにやっていた大事なバンド仲間かつ中学の同級生の結婚も決まり、ダブルでめでたいなあという気運で『ウエディング・ソング』をギターでぽろぽろと弾いていました。そこからイメージがわき、アコーディオンを弾き、音をフォークトロニカな雰囲気に編集して完成しました。
全然ハッピーな曲調ではないし、二人へ向けた祝いの曲にもなっていないのだけれど、この曲を思い出すときに浮かぶエピソードはこの二人のそれぞれの結婚という出来事なのです。
illuminative wavesとしても、もう一つのバンドでも今は音楽活動を一緒にしていません。私も、みのも、もう一人のバンド仲間の彼も、別々の人生を歩んでいます。音楽活動を一緒にしていた期間が人生でいう祭りの期間だったのだとしたら、この曲が祭りの後のさびしさ的なものが漂っている理由にはなる気がします。
アルバムの中でもしっかりとそーいう機能を果たしてくれています。