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写真集を楽しもう!

・前書き


自分は紙媒体の写真なら、なんでも大好きっ子なので、写真集をはじめ色んなファッション誌や広告誌、たまに目についたフリーペーパーなんかも持って行ったりします。
写真を始めてしまうと、あらゆる写真がどういう意図で撮られているか、どんな感じの設定やレタッチで撮られているか気になってきます。(ネットや教本と違ってそんな設定は載ってませんが)
写真を自分で撮ったり、教本で読む経験値が一定つくとそういうところまで読めるようになっていくので、写真媒体は写真集に限らず、そのジャンルや時代の流行の教科書みたいに捉えながら読むのも面白いです。

さて、今回のお題目ですが「写真集」に絞ってお話ししていきます。
「そもそも写真集とはロバート・フランクが〜」とかお堅い話をする気はないです。
割となんでも読むので、岩合光昭さんのネコの写真集とかも大好物ですし、女優さんやタレントさんのポートレート系は、写真が面白そうと思ったらすぐに買ってますし、一方でど真ん中な写真史や現代美術寄りのものも手にしたりしてますが……。

・理由なんてなんでもよくて


まずひとつの楽しさは、『遠くの展示に行かなくても、印刷媒体でそこそこ大きめの写真が楽しめる』ってことです。
展示——それは以前の記事にも触れたとおり、正直地方格差がでかいものになります。ミュージシャンの全国ツアーの日程見たときの「全国ってなんだ、ウチ来ねえ!」案件と似たようなもんかもですね。
そんななか、展示の図録(展示作品を印刷物として本の形で収録したもの、展示された現地のプリントと撮影者の意図が必ずしも一致はしないですが、そこも狙いがある方もいたりして面白い)は手に入りやすいのです。
なんだかんだで大規模な展示とかだとページ数も100以上は超えてきたりします。
アフタヌーンティーを飲みながらそういう媒体で写真を見ることで、「文化ァ……」って気分に浸るもよし、「巨匠とはいえ読み込んでやらあ!」っていう野心的なカメラマン的な視点で読んでみるもよし、なんとなく名前聞いたことあるしとか、「このひと米津玄師のPV撮ってなかったっけ?(奥山由之さんとかですね)」でも理由はなんでもいいです。

SNSで見る写真も面白いし、それはそれで一種の流行であったり、自分の好みにアルゴリズムがチューニングされて来ると、自分の好みとはなんぞやの鏡みたいにもなってきます。
ただ、その外側にある写真の価値の広さってまたあったりして、それはプリントや写真集など印刷の形として読むことで完成したものになるものというのがとても多いです。
「封を開けた時の香りィ……」とか「ページをめくる手触りェ……」「写真の並びかたの素敵さァ……」「なんか知らんけどどうやって印刷したらこうなるんやこれ」みたいな謎の感動まで含めて、写真集を持って読むことは割と五感を刺激してくれます。
もちろん写真集が出るほどのカメラマンが撮るものであったり、映る人物の強さであったり、好みはあれどすごく刺激的なものが多いです。
自分の知らない世界を旅してきたひとの写真なんかを見たりすると、「自分もどこか遠くに行きたい!」みたいになりますよね。
そういうのが色んな視点から得られたり、時には時代が過去のもので、懐古的に感じたり一周回って物語の世界の出来事みたく感じられたりとほんとうに多様です。
その一方で現代写真と呼ばれる現代美術寄りの作品なんかは、常に読み手に写真集一冊を通してなんらかの強固なメッセージを投げかけてきたりもします。
知的好奇心がある方には、そういうものもぜひおすすめです。

とにかく写真集を読むことで、得られるものは大きいです。
写真の技術を上げるために読む、ってのもひとつ理由にはなるんですが、そこはあまり考えなくていいです。そこいらのプロフォトグラファーより下手な作品だってありますしね。
写真集を読むことのいちばんの面白さは自分にとっての「写真」の持つ意味を広げることにあると思うので、ぜひ皆様も写真集を図書館に行くなり、地域にサンプルが読める本屋さん(蔦屋書店とかは意外と読めた気がする)があれば赴いてみるなり、楽しんでいただければ幸いです。

・あとがきに


「初心者におすすめな写真集」というのは特に紹介しません。
なぜなら選ぶ楽しみから写真集を読む楽しさは始まっているからです。

とはいえなにか選ぶキッカケが欲しいなという方には、手前味噌ではありますが以前に書いた写真集ランキング記事を貼付しておきますので、参考にしていただけたら幸いです。

それではレッツエンジョイカメラライフ、なので。

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