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レンズレビュー 銘匠光学 TTArtisan AF 56mm f/1.8 ED APS-C

はじめに


青天の霹靂だった。

𝕏の投稿を確認していたところ、一件のDMが届い
た。


「弊社から発売している今イチオシのレンズのレビューをしてくださいませんか?純正に劣らない描写とAF機能、抜群のコスパを発揮してくれるかなり自信のあるレンズです!」


DMをくださったのは焦点工房様。K&F Conceptや中一光学等のマウントアダプターやレンズなどを輸入販売している企業である。

早い話、販売しているTTArtisanのレンズを提供するので、そのレビューをしていただきたいとのことだった。


いつか企業案件としてレンズのレビューをしてみたいという夢は昔からあったが、今回思わぬ形で唐突に叶うことになってしまった。
棚から牡丹餅。勿怪の幸いである。

僕自身は全くレビュー記事など書いたことがない。良い記事が書けるかも分からない。しかしながら、そんな僕にレンズの提供までしてご依頼いただけたという事実が嬉しくて、その期待にお応えすべく今必死にこの記事を執筆しているのである。


これからレビュー記事を進めていくにあたって、先ず最初に申し上げておきたい。

僕はカメラの細かいスペックや構造等には興味が薄く浅学であるため、ここではチャート図等を用いた高度な解説や専門的な考察は行わない。より深い情報が知りたいという方は、他のカメラマンの方のレビュー記事を参考にされたい。

また普段オールドレンズ使いが基本でAFレンズを一本のみしか所有していないため、AFの精度や使い心地等の感覚が、読者の皆様と乖離している可能性が高い点にもご留意いただきたい。

本稿では、最新レンズ事情に全く以て疎い僕が使ってみた感想に、いくつか作例を添えて取り上げていこうと思う。

端から稚拙な文で恐縮だが、最後まで目を通していただけると嬉しい。





外観レビュー


黒の専用箱にはレンズ名と外観がプリントされている


銘匠光学 TTArtisan AF 56mm f/1.8 ED 

レンズが届いたのはDMのやり取りから僅か2日後。本当に仕事が早い。僕も個人事業主であるので、仕事の早い取引先はやり取りしてて気持ちが良いし信頼が置ける。

期待に拍車をかけながら箱を開けていく。

レンズとフードが別枠で入っている



鏡筒と付属フードは共に金属製で、滑らかな質感が心地良く高級感が感じられる。それであって重量は約235gと軽く、非常に扱いやすい。

35mm換算で84mm相当、最大絞りF1.8の大口径中望遠レンズである。


以下、個人的に興味深かった点を上げていく。

リアキャップに付くUSB端子
裏には電子接点


最初に目についたのが、USB端子付きのリアキャップ。どうやらPCと接続することでファームウェアアップデートができるようだ(但しMacは非対応)。

最近のレンズはみんなこうなっているのだろうか。普段数十年物のオールドレンズしか使わない自分にとって至極興味深かった。

この形状のフードは初見


レンズを覆うかのような形状のフード。ケラれないか少々心配ではあるが、これも流行っているスタイルなのだろうか。オールドレンズばかり追っていると、最近のレンズ事情に疎くなってしまうのでいけない。


そして一番気になった点、それは絞りリングが無いことである。


基本的にオールドレンズはレンズ側の絞りリングを回してF値を調整するが、本レンズにはそれがない故、ボディ側の設定をいじってやらなくてはならない。僕と同じ撮影スタイルの方は、ボディのダイヤルでF値を変えられるように設定を確認しておこう。

質感も相まって相性は抜群

本レンズは富士フイルムX・ソニーE・ニコンZマウントでの販売となっている。僕の相棒は富士のX-H1なのでXマウントを注文した。

金属製の鏡筒とボディの相性が素晴らしく、撮影前から既に高揚が止まらない。




さて、そろそろ次の章で作例を上げていこうと思う。

本来であればもっと細かいスペックや仕様を記載すべきところではあるが、このレンズの詳しい情報を書こうとするとただの公式サイトからの切り貼りになってしまうので、むしろ読者の方々に直接公式サイトを覗いていただくためにもこちら(焦点工房オンラインストア)を参照されたい。


作例(撮って出し)


僕は通常RAW現像でレタッチした写真作品しか公開していないが、このレンズがどんな描写をするのか分かりやすくするため、この章では撮って出しの写真を掲載していく。

以下の写真は色温度5200K、フィルムシミュレーションはPROVIA/標準に設定して撮影している。


※スナップ撮影はあまり得意ではないので、あまり上等な作例が上げられない点についてはどうかご容赦いただきたい。

1/640 F5.6 ISO250 
1/160 F5.6 ISO250
1/1000 F4.5 ISO250


撮影していて思わず笑みが溢れる。非常に解像度が高く、発色も良く繊細で素晴らしい描写である。

STM(ステッピングモーター)とリードスクリュータイプの駆動方式によるAFは反応も良し、静音性も言うこと無し。少なくとも日常使いの範囲内においてはストレスフリーで実に使い心地が良い。

1/400 F1.8 ISO250
1/500 F1.8 ISO320
1/400 F1.8 ISO320

開放での撮影。ボケ味も自然で滑らか、煩さが無い。それでいてピント面はしっかりと解像しており性能に不足は無い。

正直な話、期待以上だった。どうせボケ方が汚かったり、四隅がケラれたり流れたりするのだろうと高を括っていたが、そんな不安を見事に拭い去る描写を見せてくれた。

最短撮影距離は50cm。花をメインに撮る方にとってはもう少し寄れたら良いなと感じる場面はありそうだが、そもそもマクロレンズではないためそこまでのスペックを求めるのも酷であろう。

また花の撮影の際はMFに設定し、リングを回してピント合わせを行った。回転は軽く回しやすいが、回転域が大きいため細かな調整がしやすく、これまた使い勝手が良いと感じた。



背後の玉ボケは円とまではいかないものの、歪さは許容範囲内である。林の中でもっと大量に玉ボケを入れればまた評価は変わりそうであるので、確認でき次第お伝えしようと思う。

1/160 F2.8 ISO250
1/40 F8 ISO250

逆光下ではさすがにややフレアやゴーストが見られるが、値段を考えれば十分であると思える。

絞り羽は9枚。綺麗な九角形のゴーストが現れるのが面白い。




……と、ここまで書いてきてこのレンズの値段について言及していなかったことに気付いた。


実はこのレンズ、

新品で買っても3万円でお釣りが来る。


3万円未満で買えるレンズであることを頭に置いて、もう一度作例を確認してみてほしい。この値段でこの写り、これぞ企業努力の賜物であろう。僕はすっかり参ってしまった。


作例(作品)


ここからは本レンズで撮影し、RAW現像で仕上げた作品を上げていく。

いずれも合成・削除・追加等の変更は行っていない。


いかがだろうか。

開放では滑らかで艶かしいボケ、絞れば堅実でハッとするほど鮮明な描写。今回は昼間から夕方にかけての撮影であったが、これ一本さえ持ち出せば作品作りにあまり困ることがないほどの高い実力と性能を実感できた。


まだ夜の撮影やポートレートは試していないが、近いうちに試して𝕏にでも投稿しようと思うので、見かけたら是非チェックしてほしい。




総じて


撮影を終えて心から思う。

なんて素晴らしいレンズなのだろう、と。

焦点工房様がDMで「かなり自信のあるレンズです!」と太鼓判を押していた根拠を、今回実際に撮影してみて肌で感じることができた。

基本オールドレンズだけしか持ち出さない僕ではあるが、今後は作品作りやご依頼の際にも積極的にこのレンズを使っていきたいと思えるほど良いレンズであった。

初めてにして勝手気儘に書いてきた今回のレビューであるが、読んでくださった方が本レンズに興味を持ってくだされば何よりの幸いである。




本レンズの焦点工房公式ページ(焦点工房オンラインストア)

Amazon販売ページ

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@ShotenKobo 

宵乃入𝕏アカウント:
@ilipics



末筆ながら、今回のレンズレビューにあたってご依頼とご協力をいただいた焦点工房様に厚く御礼申し上げると共に、ますますのご発展を祈念しております。

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