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ガンコな首こり、拘束背芯を溶かすには
首をマッサージするゆる体操をやりました。
1.5リットルくらいの大きなペットボトルに水を満タンに入れます。
寝かせたペットボトルに、折り畳んだタオルを乗せます。
その上に首の後ろを乗せて寝ます。
そして、首の後ろをマッサージします。
この時、首の動かし方を気をつけます。
頭を左右にゴロンゴロン倒すのではなく、
顔の向きは変えずに、首を左右に小さくくねくねする感じです。
小さな動作です。
頭の角度を少しずつ変えて、首の後ろの当たる位置を変えながら行います。
「モゾモゾ」と言いながら行うのが、ゆる体操のやり方です。
ゆるむのが大事なので、強い刺激を入れるのが目的じゃないです。
首が極度にガチガチの場合はとくに、
ストレッチ、マッサージの刺激は筋線維を傷つけて、ますます固くさせます。
まったく伸びないタイトな筋肉を無理に伸ばして、ストレス与えることになるからです。
以前の私だったら、マッサージすることに気が行って、「当人の脱力が大事」って当たり前を忘れてたかもしれません。
あくまでこれは脱力体操なのです。
私はさらに脱力するコツを考えました。
公式のやりかたとは違います。
首の筋肉で首を動かすと、首は脱力しきれません。
坐骨側ハムストリングス(裏転子。お尻の下~坐骨側ハム辺りに現れる縦長のベルト状の意識)を使います。
私が最近試してるのは、
とにかく何でも坐骨側ハムストリングスでやってみよう、そうするとゆるみやすいから。
ということです。
坐骨側ハムストリングスで、骨盤を動かします。
骨盤の左を上げて、右は下げる。
骨盤の左を下げて、右は上げる。
これを小さく行います。
小さく優しく。
すると、骨盤の動作に釣られて、首も左右にくねくねします。
首は動かされるだけなので、しっかり脱力しときます。
首の後ろをマッサージするだけなら、身体の使い方は変わりません。
坐骨側ハムストリングスを使って、骨盤を動かす、
首は動かされるだけ、
にすると、首を脱力する感覚が身に付きやすくなると思います。
これは筋膜のつながりを利用するというより、ロベットブラザーの兄弟椎のつながりを利用します。
背骨の上のほうは、背骨の下のほうと対応関係にある、という。
ロープやチェーンがしなるように、下のほうを揺らすと、上のほうも揺れます。
立ったときでも、骨盤と首でバランスをとって、
骨盤のポジションを調整することで、首をラクなポジションに保つことはできると思います。
首の左右くねくね運動は立った状態でもできます。
坐骨側ハムストリングスを意識してやってみると面白いです。
言うなら「首プラプラ歩き」です。
左右のかかとを交互に少し浮かせて、その場で歩くような動作で、骨盤を左右に傾けます。
かかとをつけたほうの坐骨側ハムストリングスを入れて、体重をかけます。
坐骨側ハムストリングスと足の骨に体重をかけて、膝裏側ハムストリングス、ふくらはぎに体重がかからないように気をつけます。(難しいポイント)
このときに手をブラブラと振ってしまうと、腕の重みで首が揺らされてるだけになります。
純粋に骨盤で首を揺らすには、手は何もしません。
これをやってみて思うのは「少なからず首を固めてバランスとってるところはある」ってことです。
首をゆるめたら、坐骨側ハムストリングスが使いにくくなったんですよ。
うっかり膝裏に力が入りやすくなったり。
首を固める(直立させる)こと前提のバランスで今までいたからかと。
赤ちゃんは最初、首がフラフラしてすわってません。
赤ちゃんの首がすわる、そのときに形成される緊張の意識が「拘束背芯」だと、ゆる体操の高岡英夫さんは言います。
お座りができて以降に形成されるのは「拘束腰芯」です。
そうやって本来は自由に動けるはずの背骨の2ヶ所、首のつけねと腰を固めて、背骨を直立させたのが人間だという話です。
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ですので、首がフラフラしないように首や首のつけねを固めるというのは、赤ちゃんの頃から少なからず身に付いたクセです。
それをあえてフラフラさせて、骨盤の高度なバランスで立とうとする試みなわけです。
拘束背芯は、井本邦昭さんの提唱する「上胸部三角点」と似たものだと思って良いです。
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上胸部三角点とは「身体のどこがサビついても、やがて問題はここに波及して、不調の原因となる」というもの。
本来、ひとは全身のバランスで姿勢を作って頭を支えてます。
おそらく、身体全体のバランスが崩れて、頭の重みを支えきれなくなったとき、
拘束背芯をガチガチに固めて代償しようとするのです。