東京→大阪キャノンボール24時間5分29秒完走〜準備編〜


こんにちは。おぞと申します。この度東京→大阪キャノンボールに挑戦してきたので備忘のため準備・実走について書き留めておきます。
最初に書いておきますが、舐めプではないし真剣に臨んでいます。参考になるかは判断しかねます。

挑戦に当たって先人の方々のブログやTwitter投稿を大いに参考にさせて頂きましたので、この場で感謝を申し上げます。

東京大阪キャノンボールとは

ばる様のWebサイト”東京⇔大阪キャノンボール研究”による定義は下記の通りです。

「国道1号線(R1)の端から端までを、単独で24時間以内に自転車で走り抜ける」

https://cannonball24.com/about-tokyo-osaka-cannonball/

絶対のルールは交通法規の遵守。暗黙のルールとしてサポート無しの単独走行・東京日本橋〜大阪梅田新道間の24時間以内走破・必ずしも国道1号を通る必要はない辺りがあるようです。ルールではありませんが、X(Twitter)等において「◯日の△時にTOキャノボに挑戦します」のように宣言し、Google Maps等を用いてリアルタイムの自己位置を共有することが多いです。見ていて楽しいのでやりましょう。

さて、この度私は2024/10/13 AM5:00に東京日本橋を出発し、10/14 AM5:05に大阪梅田新道へ到着しました。タイムは24時間5分29秒と5分オーバーなのでキャノンボール達成とはならず、キャノンボール完走となりました。

自転車歴

高校生の頃はクロスバイクに乗っており主に通学で使用していました。部活は文化系で特に運動をしておらず、稀に自転車で遠出することがありました。覚えている限りでは3年で4回、1回目は六甲山逆瀬川ルート。2回目は1泊2日のアワイチ250km走行、友人に殆どやってもらいましたが貯水池の横で簡易キャンプをしたのは良い思い出です。3回目はどういう訳か雪降る冬の六甲山へ、4回目は卒業旅行として1泊2日琵琶湖一周約300kmの旅でした。

大学進学を機に東京へ移動して初めてのロードバイクを購入しました。自転車サークルに所属しましたが活動内容は非常に緩く日帰りなら大体50kmの走行で観光を楽しむという感じです。物足りなかったので行き帰りを自走したり個人で峠を上ったりしました。

自転車は小回りが効くので便利な旅の移動手段として見ており、速く走りたいだとかグレードの高い機材を揃えたいだとかは考えたことがありませんでした。学校から少し走ればサイクリングロードもありますが同じ箇所を何度も走るのはあまり気分が乗らないので全く行きませんでした。殆どのお金を旅費に回して機材は最低限の消耗品を買う程度でした。スピードを求めないため特に困らなかったのでそのまま来てしまいましたが。
まあ、このような考えもキャノボに挑戦して少し変わりました笑

ライド経験

9月はほぼ毎年北海道で長期ツーリング、8月と12月〜2月は毎年基本オフとしていました。これらの月を除くと平均して月に1回乗る程度だったと思います。今年は学生最後の年なので例年よりモチベーションがあり走行頻度が高めとなっています。
最高走行距離は今年のGWに走った長野の松本〜大阪梅田間400km約3,000mUP24時間、最高獲得標高はこの前国道425号を走った際の250km5,647mUP20時間50分でした。到底キャノボを達成できるスピードではありません。

私はこんな感じのサイクリストでした↓
・Max400km24時間
・年間3000km
・スピードを意識しておらずStrava計測のネット速度は19〜22km/hぐらい(上りが大きく絡むと19km/hを割る)
・トレーニングのために走った事が一度も無い
・上りに非常に弱くよく足を付くが押し歩いてでも完走する
・乗鞍ヒルクライム91分、富士ヒルは出た事ないけれど多分90分ぐらい
・ナイトライドは経験豊富で24時間ワークアウトには慣れている
・補給食はカロリーさえあれば良いだろうぐらいにしか考えていなかった
・機材にこだわりが無く消耗品以外はショップで買ったまま
・旅行中の徒歩による機動力が落ちるのでビンディング未経験(友人のを借りるのも悪い気がするので本当にゼロ)
・高速徒歩(not競歩)に強く、105kmグロス7km/h、富士山一周125kmを18時間半で歩ける。普段の歩行速度は7.9km/hぐらい。(因みにキャノボより消費カロリーが多いです。ウルトラウォークは良いぞ。)
平坦ロードバイクもロングウォークも足を使う持久系なので上手く相互作用しているのでしょうか。
・筋肉痛になってもペダルを回していると消える
・補給をサボりがちでハンガーノック常習犯(何なら電車の中でハンガーノック経験あり)

伊賀程度の夜道なら正直屁でもない。

当然このような姿勢でキャノボを達成出来るはずがないので、先人の方々が書いて下さったブログ等を参考に様々勉強させて頂きました。

計画編

パワーで全てを解決出来るほど強くはありません。私が取れるのは風を選び、道を選ぶ弱者の戦略。個人的にはキャノボに挑戦するだけで凄い事だと思うのですが、先日の3連休に逆風の中OT方向で挑戦された方々や箱根峠ルートを選ばれる方々は特に凄いなと思います。

ルート計画

前提として私は東京大阪間の半分近くを走行した事がありません。私が使用したR246〜浜名湖南〜伊賀越えルートは516.1kmですが、実走した事があるのは日本橋〜御殿場104.5km・四日市〜木津川95km・清滝峠麓〜梅田新道24kmのみ。全体の43%。

1. まずはざっくり
達成可能性があるとすれば最も簡単なルートだろうと考えたので獲得標高と最高標高の小さいR246御殿場経由、伊賀経由の一択でした。姫街道はアップダウンが多いと聞きますが自分の脚質と岩屋キャノンボウルをこの目で見たいという想いを鑑みて浜名湖南を選択。

2. 細かく
主に参考にさせて頂いたのはばる様の東京⇔大阪キャノンボール研究です。メインルートに対してどのショートカットを適用するか距離は勿論、右折の回数の観点など自分なりに考え選択しました。他の挑戦者とおそらく違うであろうルートは名古屋におけるR1からR23への乗り方。見る人が見れば分かると思うので説明は割愛。

👍は歩道橋区間

3. キューシート
GPS地図付きサイコンを所持していないので普段は停止した時にズボンポケットに入れたスマホでルートを確認して走行しています。スマホホルダーはリスクが大きすぎるので論外。ルートを引く際意識しているのは「極力、空気を読めば走れる道にする事」。キャノボ用に引いた自分なりの完璧なルートを拡大して交差点を一つ一つ見て、空気を読むのが難しそうな場所にピンを打っていきます。「ここは直進しているだけに見えるけれど実はほぼ同じ方向に別の県道が分岐しておりどっちに行けば良いか空気が読めない......!(例として由比駅付近など)」、「本線を行くのか側道を行くのか空気が読めない」みたいな感じ。516kmもあれば少しでも空気を読みにくい箇所が自分の場合少なくとも120はありましたが、これを全部覚えれば意識がはっきりしている限り理論上道迷いが発生するはずがありません。実際私がルートミスを起こしたのは静清バイパス(予習の通りに走ったら自動車専用で引き返したためミスだとは考えていない)と大阪市内の関目5交差点(気持ちが切れていたため)のみでした。

キューシート作成までの手順ですが以下の通りです。
RWSで細かい所まで完璧にルートを引く(ここを完璧に行わないと後の作業が部分的にやり直しになる)
→RWSの機能でGPXとキューシート(CSV形式)をエクスポート
→交差点名、何km地点か、動作(右折か左折か進路変更か階段か)、目印等をRWS製キューシートに書き足し修正しながらシートを作成。
→GoogleマイマップにGPXをインポートしてリストアップした空気の読みにくい箇所にピンを打ち、キューシートに記載した内容をピンの説明欄に付帯させる。マイマップからGPXのみ一時削除してKMLで書き出す。GPXはKMZに変換する。
→スマホ版Organic Maps(後述)にKMLとKMZをインポートする。

マイ・キューシートの一部

元々OT方向で考えていたのでキューシートもOT向きだし、これは作りかけです。TO方向を作るのに丸一日掛かりました。
完成物@Organic Maps

Organic Mapsのすすめ

地図アプリと言えばGoogle Mapsを使われる方が多いのではないでしょうか。確かに飲食店や観光地の検索には向いていますが、キャノボとなるとそういった情報は事前に調べて知っておくものです。となるとGoogle Mapsは動作遅いし余計なピンが多すぎて視認性が良くない。そこで無駄を省いたシンプルな(オフライン化可能な)地図アプリOrganic Mapsです。以前ならmaps.meというアプリを勧めていましたが改悪してしまったのでもう無理。低消費電力や高速動作、余計な情報がない、地図のダウンロード可(私は日本を全てダウンロードしておりデータサイズは2GB)、など良い点は様々ありますが、最も評価しているのはインポートしたルートやピンが常に表示される事。マイマップのデータをGoogle Mapsで表示すると拡大率等により表示されない事が多々あるので使い物になりません。

話をキャノボ準備に戻します。ここまでで完璧なルートとキューシートが作成出来たので、空気の読みにくい119箇所をストリートビューと睨めっこしながら記憶します。空気の読みにくさにも違いがあるので必ずしも全て覚える必要はありません。ピンとピンの間は空気を読んで真っ直ぐ走れば良いだけなのでストリートビューによる予習はしていません。

補給計画1〜カーボローディング〜

どうも消費カロリーは12,000kcal程度で、カーボローディングをする前提で補給として6,000〜7,000kcalを挑戦中に摂取すれば良いとのこと。数値が分かっているならいつ何を(何kcalを)摂取するか決めてしまえば良い。

5桁という尋常ではない消費カロリーですが近い事はした経験があります。この前走ったR425では獲得標高多めのため8,230kcal/21時間、富士山一周に至っては11,200kcal/18時間。後者は高速歩行のため時間当たりで見ると明らかにキャノボより消費カロリーが多く、この時の補給を再現することにしました。

出走2日前にカーボローディング開始
食べたものは↓

やよい軒の朝定食を利用すると400円ぐらいで米が無限に食べられるのでケチりたい人にはおすすめ。でも少ないおかずでご飯を食べるのにはコツがいるし、50km走るよりずっと辛い。
米2.1kgで前日夜までに7,217kcalを摂取しました。

補給計画2〜走行中〜

6,000〜7,000kcalの補給をどう解決するか。基本戦略としては休憩を極限まで切り詰めて時短を狙うため、重さと相談しつつ可能な限り東京から積んで行く。ウォークもライドも、休憩というのは0km/h加算なので減らしたいというモチベーションがある。

ということで携行食↓ドーン!

今、気持ち悪くなってきた

ブラックサンダー→軽くて安くて高カロリー
ようかん→重いが飽き防止のため
アミノバイタル赤4青2→先人に倣った
チョコバー2→結局食べなかった
エネもち→未知数、美味そうに見えたが......
4,438kcal 1,160g

チョコに含まれるテオブロミン即ちブラックサンダーの致死量は私の場合125本〜ぐらいだったので36本程度なら大丈夫だと判断しました(数値は絶対に信用しないで下さい)。25本は食べたことあるけれど36本は未知数だった。アミノバイタル、エネもちは初めて購入しました。

これで残り3,000kcal。
コンビニ補給でブラックサンダー12本買い足して残り2,244kcal、ウイダー購入5本で残り1,344kcalを何とかすれば良い。ここまで来ればあんぱんでも何でも良いし、何なら0でも走れるかもしれない。

以上を下記のペースで摂取します。

毎時00分30分にブラックサンダー
50, 100, 150, 200km地点でようかん
100km毎にアミノバイタル赤とエネもち
200km毎にアミノバイタル青
200kmでウイダー, 300kmでウイダー, 400kmでウイダー3本
20km毎にポカリを飲んで100km毎にポカリ追加1〜1.4L

コンビニでやる事
・トイレ
・ごみ捨て
・次の100kmで食べる物の移し替え
・買い物(キャッシュレス・ボトル移し替えは最低限)

計画では205km六合、307km豊川、418km関で休憩。100km御殿場はスルー予定でしたが念のため、150, 250, 350, 450km地点にコンビニを見繕っていたような気がします。

時間計画

どのぐらいのペースで走って何時にどこを通過するかというお話ですが、これに関しては自分の走力が分からないのでやって見なければ分からない所がある。パワーを気にして走った事ないし。序盤の善波峠時点で計画からビハインド食らうようなら、その程度の実力で達成は無謀でしょう。

先述の通り全区間の半分以上を走った事が無いのでどの区間が稼げるかは知らない。なのでこの計画は割と適当。

装備

自転車


・CORRATEC DOLOMITI 105 (2019年購入)
フレームとホイールはショップで買ったまま。
スプロケ、チェーンリング、チェーン、ワイヤーは最近メンテで交換した。タイヤは丁度先週出先で前後輪交換。
・サドルカバー
6年間これで乗っているので今回だけ急に外したらトラブルの元になりかねない。
・フラットペダル
フラペ歴6年です。
・サドルバッグ
中にチューブ1、六角レンチ、タイヤレバー、羊羹4、VOLT400、リアライト予備
・空気入れ
前のポカリの向こうに隠れている。
・トップチューブバッグ
今回のチャレンジに当たって導入、挑戦前日に届きました。トップチューブが傷付くらしいのでビニールテープを巻いておいた。中にブラックサンダー18、モバイルバッテリー、ケーブル、エネもち1、アミノバイタル赤2青1

・VOLT200
いつまでこれ使ってんだ......。
・リアライト
・サイコン

累積距離と速度しか見ていません。

・防水リュック
旅行でいつも使ってるやつ。蛍光色だから目立つ。
中身はワークマンで買った上着、ズボン、重い輪行袋とエンド金具、補給食、財布。

・服

乗鞍の写真ですがこれとほぼ同じです。

・上半身
モンベルで買ったインナーの上に蛍光半袖
指抜きグローブ
・下半身
レーパン
左足のみ膝に加圧サポーターを24時間着用←経験上左膝が痛くなるため
右足のみレッグカバーを24時間着用

・薬
ロキソニン2錠(使わず)
エスタロンモカ4錠

・人間
身長179cm体重62kg体脂肪率5%(測定限界)〜8%

★意識した事
リュックに積みすぎると上半身が痛くなるのでモバイルバッテリーや羊羹のように重い物は自転車本体に積むようにしました。

★その他

キューシートの一部を貼ってみたけれど位置的に自転車を降りねば見られないので一度も見ませんでした。
ステムに時間計画を貼り付け。字が小さくて信号停止でないと読めないけれどやって良かったです。

三角おにぎり反射板ぐらい付けようと言われるかもしれませんが、友人によると私の服とリュックはかなり目立つので同じような効果があると考えております。


次回、実走編(引用失礼します)

2024/10/16 14:00執筆終了

続き

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