<用語解説>「男女共同参画」って?
男女共同参画って日常的には使わない言葉ですよね。英語ではGender Equality、つまりジェンダー平等ですが、ここでは男女共同参画という言葉がいつ頃から使われ始めたのか、ジェンダー平等とは違うのか考えてみたいと思います。
はじめに 清瀬市男女共同参画センター
後で詳細にみるように、男女共同参画という言葉が使われ始めたのは1990年代になってからです。清瀬市男女共同参画センター(アイレック)は、1995年に誕生しましたが(来年は30周年!)「男女共同参画」というネーミングは時代の先端であったわけです。それ以前は「女性センター」が一般的でした。同じ1995年に誕生した東京都のセンターは「ウィメンズプラザ」です。
なお、26市ではその前年1994年に国分寺市立男女平等推進センターと立川市女性総合センター、1995年には府中市男女共同参画センターが誕生しています。
ジェンダー平等とどう違うの?
「社会的性役割など文化によってつくられた性差」これがジェンダーの一般的な定義です。ジェンダー平等とは性差による差別をなくすこと。この意味において、男女平等とジェンダー平等は同じ意味になります。男女共同参画社会基本法の英語訳はBasic Act for Gender Equal Society、つまり男女共同参画社会はジェンダー平等社会のことです。
男女は2つの性を表すが、ジェンダーはより広く様々な性を表すのではないかと主張する人がいます。男女という言葉が、性を二分することを強調するために使われているのか、「性に関わらず誰もが皆」という意味で使われているのか、吟味することが必要だと思います。
男女共同参画という言葉はいつ頃から使われてきたか
男女共同参画社会基本法が成立したのは1999年(平成11年)ですが、1990年代になって男女共同参画という言葉が使われるようになりました。
内閣府男女共同参画局のホームページには男女共同参画基本法制定・施行までの流れが詳細に記されています。国連を中心とした国際的な動向と呼応しながら、国内での行動計画が策定されますが、その過程の中で男女共同参画という言葉の変遷を見ることができます。
上にあげた内閣府のホームページによると、1999年の男女共同参画基本法制定までの過程でジェンダーについては盛んに議論されていましたが、一般に十分理解されていないとして法律の「基本理念」の中には入らなかったそうです。2021年の流行語大賞で、SDGsの17目標の一つであるジェンダー平等がトップ10に選ばれた昨今とは隔世の感があります。