フリーランス総合診療医によるもしものための話し合い②『もしバナゲームをやってみよう!』
前回から随分と間が空いてしまいました(・・;)
さて、2023年が始まって2週間が経ちましたが、皆さん今年の目標はありますか?🐇
私は昨年、社交ダンスに加えて新しく“スキンダイビング(素潜り)”を始めました🧜♀️
スキンダイビングはマスク・シュノーケル・フィンのみの軽機材で、呼吸を止めながら潜るスポーツで、深さや速さを競うものはフリーダイビングとして世界大会なども開催されています。
私はもちろん、レジャー目的なので笑
今年も色々な島に行って、綺麗な海で珊瑚を見ながら潜りたいな〜と思っています✨
また、今年は親友が海外赴任に行くので、
英会話の成果も試しに?!久しぶりの1人海外旅行も挑戦したいと思っています(*゚ー゚*)
1.どんなことを話し合えばよいのか?
さて、前回のブログでは
もし突然の病気や事故に遭ってしまったら、もしくは、もし将来、認知症やガンになったら、自分が人生の最終段階をどのように過ごしたいか?
元気なうちから事前に、親しい人・医療スタッフと“もしものための話し合い”=アドバンス・ケア・プランニングをすることの目的と理由についてお話ししました。
詳しくはこちら▼
では、具体的に、どんな内容を話し合っておけばよいのでしょうか?
皆さんは、『事前指示書』という言葉を聞いたことがありますか。
例えば、病気や怪我で、重症な状態になった時
自分の力で呼吸ができなくなったり、心臓が止まってしまった場合、人工呼吸器をつなげたり、心臓マッサージを行うことを、“蘇生行為”と言います。
さらに、胃管や胃瘻(いろう)を使って人工的に栄養を補充したり、腎臓の代わりに人工透析をして老廃物を出したり、昇圧薬を使って低くなった血圧を上げることなどを、“延命治療”と言います。
蘇生行為は、延命治療の一部分として考えられます。
そして、この話し合いで重要なのは、
こういった延命治療をしても、命が助かる見込みがない・もしくは意識が戻らない場合、それでも人工的に生命を維持することを希望するか?ということです。
一度、繋いだ人工呼吸器は、家族が望んだとしても途中で中断することはできません。
そして意識が戻らないまま、“機械に生かされた状態”になるかもしれません。
自分にもしものことが起きた時、そういった延命治療を希望するか?
また、最期の時を自宅・病院・施設・ホスピスなど何処で過ごしたいか?
家族と一緒に過ごしたいか、1人で静かに過ごしたいか?
臓器提供が可能なら、希望するか?
・・・そういった意思表示を書き記したものを『事前指示書』と言います。
2.“決められない”“決めたくない”も意思表示
少し、難しい話になってしまいました(−_−;)
ここまで読んで、「そんなこと言われたって、その時にならなきゃ分かんないよ!」と思われる方も多いと思います。
また、「自分では決められないから、その時に家族(代理意思決定者)に決めてもらう」と思っていたり、どうしても『死』をイメージするので、「自分が死ぬ時のことなんて今は考えたくない」と思われる方もいると思います。
決められない、決めたくない、というのも意思表示。
無理に話し合う必要はありません。
時が経ち、状況が変われば、話し合うべきタイミングが来るでしょう。
20歳の時と、60歳、80歳の時の考え方は、当然ながら変わってくると思いませんか?
意思は変わりゆくもの。いつでも、何回でも、話し合えばよいのです。
3.もしバナゲームをやってみよう!
とはいえ、いきなり何のきっかけもなく、話し合いをするのは難しいですよね。
そんな時にオススメなのが、『もしバナゲーム』です!
もしバナゲームとは、人生の最終段階で大切にしたいこと・優先したいことが一枚ずつカードになったものです。例えば、「痛みがない」「機械に繋がれていない」「家族と過ごす」「信頼できる主治医がいる」etc
代表的なゲーム形式では、4人1組になって行い、最終的に自分にとって最も大切だと思う5枚を手元に残します。
ゲームが終わった後、メンバーと一緒に『どうして自分はそのカードを選んだのか』をディスカッションすると、“自分の中の価値観”に気付き、“自分と他人の価値観がいかに違うか”に気づくことができます。
私も、自分のプロジェクトとして伊豆大島にて講演会を開催、もしバナゲームを島民の方に実際にやってもらいました!
すると、思いのほか、参加者同士で自分たちの価値観を共有でき、なかなか話が尽きないほどに盛り上がり、私にとっても新鮮でした✨🃏
ちなみに、私も毎年、友人と一緒にこのゲームをやるのですが、
たった一年でも自分の考え方って変わるんだなぁとビックリします。
“もしバナゲーム”を利用すれば、ゲーム感覚でもしものための話し合いができるので、
ご家族や友人とぜひやってみてはいかがでしょうか?
アドバンス・ケア・プランニングは、とても奥が深いもの。
なかなか一般の方、そして医療者にでさえ広まっていないのが現状です。
ブログを読んでくださった方で、個別でご質問などありましたら
お気軽にメッセージください🦋
さて、今日はこのへんで⭐️
Reiko🐋