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【ダイハツ】不正行為の調査報告書を読んでみた

調査報告書と報告書概要版があるが、報告書の特に第7章が面白い。

※ここでは、不正行為について言及したり、報告書を要約したり、「失敗の本質」から考察したりすることはしない。(面倒くさい。)
https://www.diamond.co.jp/book/9784478370131.html

7章では、不正行為の発生原因について以下のように述べられている。
 1. 過度にタイトで硬直的な開発スケジュールによる極度のプレッシャー
 2. 現場任せで管理職が関与しない態勢
 3. ブラックボックス化した職場環境(チェック体制の不備等)
 4. 法規の不十分な理解
 5. 現場の担当者のコンプライアンス意識の希薄化、認証試験の軽視

もう少しブレイクダウンします。
「根本にあるのはギリギリの開発日程。海外開発PJが増え、まだまだ未熟な現地開発者をフォローしながらなんとか力業で乗り切った日程が実績となり、無茶苦茶な日程が標準となる。縦割りで、問題が起これば責任部署がつるし上げられる風土。」
「できないと声を上げるとなぜできないのか、できるようにするにはどうするのかと逆に仕事量が増える為に、声を上げないことや、諦め感などが出ている。」
「管理職は表向きは「何でも相談してくれ」というものの、実際に相談すると、「で?」と言われるだけで相談する意味が無く、問題点を報告しても「なんでそんな失敗したの」「どうるんだ」「間に合うのか」と詰問するだけで、親身になって建設的な意見を出してくれるわけではない。」
「「失敗してもいいからチャレンジしよ」でスタートしても、失敗したら怒られる」

いやもうこれめっちゃわかる。心理的安全性がない職場。
”声上げるだけムダ”、”上司に言っても一緒に考えてくれないし責められるだけ”、”先輩らも(不正行為)やってるしいいや”
現場の聞こえない声が聞こえてくる。

組織風土って一朝一夕で改善できるもんじゃない。一人一人が発する言葉一つ一つが、風土を作り上げているのだ。

個人的には、他社との差別化を再考する必要があると感じている。
現状は、低コストで良質な軽自動車を提供するために「1ミリ1グラム1円1秒に拘る」というスローガンを掲げて実践する短期開発を「ダイハツらしさ」と捉え、他社との差別化要因とする経営方針である。(第8章 再発防止策の提言より)

短期開発がダイハツらしさなのか?ダイハツの車を買う人は、短期間で新しい車が発売されているから買うのか?そうではないと思う。

経営陣は原点に立ち戻って脳みそから血が出るほど考えて、再発防止策を練ってほしい。

応援しています。


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