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設立1周年インタビュー(後編) 〜潤滑油とコンパス〜

2021年10月、医局にっぽんは初めての誕生日を迎えることができました。
後半はとくだ理事にインタビューしたいと思います。
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(1周年おめでとうございます。改めて伺いますが、この1年振り返ってみていかがでしたか?)

 ありがとうございます!
 僕は通年で1箇所にメンタリングを行わせてもらいました。その活動が個人の活動ではなく法人の活動として続けられていることが嬉しいですね。
 何が嬉しいかというと、継続力が上がったなということです。僕はなんでもスタートさせる、0から1に持っていくのは得意なんですけど、それを積み上げていく能力がないんですよね。今回は法人という活動とすることで社会的責務が伴って、自分1人でやっていることではなくなった。それが自分に足りなかった継続力を培ってくれたかなと感じています。更に言えば法人として動くことで僕1人だけじゃなくて、数年後のより大きな活動につながっている可能性とかもっと複数の未来に広がっていけるという道中で動けるのは素敵だなって思います。

(さくらい理事長も話されていましたが、やはり起業するというところにポイントがあったんでしょうか?)

 そうですね、起業して1番勉強になったなと思うのが、やっぱり医者って医業という限られた世界で動いていたんだなということですね。医者するなら医業が当たり前なんですけど、その当たり前の世界で生きていることを再認識しました。会社ってどう設立したいいのかとかお金の動きなどを学ぶことができたのを起業という過程で知らないことを知ることができたのは大きかったと思います。

(1年間のオンラインメンタリングで何か気づきはありましたか?)

 総合診療や教育を始めていくところってみんな困ってるというのを改めて実感しました。そういう意味で、自施設の外からメンターとして総論的な部分を伝えることは一定のニーズがあると強く実感しましたね。
 今回メンタリングで関わった施設ではひとつ伝えるとそれが契機でドライブがかかったみたいにプログラムの中で自走してくれる感じがあって、少しずつ家庭医療学的なアプローチでの教育をする土壌が育っていくのを感じとれました。総合診療や教育の土壌がない施設やプログラムに僕らが関わることで、潤滑油として・方向性を示すコンパスとして機能するというところに自分たちの活動は意味があるなと思います。
 ここだけの話、月1回のオンラインメンタリングで自分がどこまで関われるかなと不安に思ってた節はあったんですけど、1年間の中で内部での教育が花開いた手応えはあります。ここに関しては内部のフィードバックをぜひもらいたいところですね。

 一方で線引きが難しいというのも感じました。
 関われば関わるほど、内部の指導医のように細かくやりたいところも出てくるんですよね。ログチェックとかポートフォリオの添削とか日々の診療の添削とか。省察的実践家として成熟していくための”振り返り”がまだ浸透していないプログラムに外部の自分がどこまで踏み込んで関わるか悩みました。ここら辺はメンターや関わるプログラムの背景など個別性が強いところだと思ってますので、今後法人としても考えていきたいですね。

(最後に、次の1年への思いをお聞かせください)

 まずは理事長とかぶるところもありますけど、プログラムの中だけではどうにも総合診療の教育が不安だなと思っているところにリーチしていきたいのが目標です。今年度の事業の目標としては、この1年で気づいたことや経験をもとにして、いかにリーチしづらいところに届けられるかにしたいですね。ぜひ私たちにお声がけください!、って感じですね!

 次に、ずっと初期メンバーで活動していますが、メンターとして関わってくれるメンバーが増えてくるといいなと思っています。今後関わるプログラムを増やしていくにあたり、メンターとして私たちの考えに賛同して協同してくれる仲間が1−2名くらいいるといいですね。

 最後に、これまでとこれからの経験を元にして、多くのプログラム・専攻医が共通してぶつかる「壁」が何なのか、どこまでがよくある壁でどこまでが個別性の高い壁なのかを探していきたいと思っています。遭遇しやすい壁があれば、解決するためのtipsはこうですよーって提供できるようにしておきたいですね。

(ありがとうございました!)
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オンラインメンタリングが専攻医に教育を届けるだけでなく、その施設やプログラムの教育に関する風土を育てるという貴重な経験を聞くことができました。
日本中の総合診療医がどこでも学べる・成長できるよう、医局にっぽんは活動を続けて参ります!
私たちの活動に興味を持って頂いた方や詳しく話を聞いてみたい方は、ぜひご一報ください!
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