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医局にっぽんとソーシャルサポート 〜「健康格差の社会学」を通じて〜

こんにちは、医局にっぽんです。
今回はさくらい理事長からの活動報告を掲載させていただきます。

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みんなの健康ラボ(通称みんラボ)の企画にゲストとしてお呼びいただきました。昨年末に出版され、みんラボの坪谷先生が編著書のお一人になっている「健康格差の社会学」についてお話を伺ってきました!
動画はこちら https://youtu.be/yMsSXa1pyh0

https://minlabo.net/ (みんらぼHP)

https://www.minervashobo.co.jp/book/b595280.html 
(書籍紹介:健康格差の社会学)

同著は、健康格差をテーマに、実際の研究をベースに非正規雇用とメンタルヘルスや、母親のソーシャルキャピタルが子どもに与える影響など、幅広い内容を論じており社会学を学ぶ大学院生がメインターゲットとのことです。

(ソーシャルキャピタルについては、三隅ら(2017)は「社会構造は、それ固有の働きによって人々の一定の行為を促し、それが彼ら自身や他の人々に広く利益をもたらすことがある。この働きに関わる社会構造の資源や仕組み」と定義しています。かなり噛み砕いていうと、ある地域や組織に属する人が、この地域や組織の人を信頼し、困った時には助け合えると感じているかどうか、といった意味合いでまずは捉えていただければと思います。)

今回は、同著の中で坪谷先生が執筆された「職場のソーシャル・キャピタルとメンタルヘルス」を面白く読むための事前講義ということで、「職場と健康」について深掘りした内容をお聞きすることができました。

「職場のソーシャル・キャピタルとメンタルヘルス」の章には「高要求・低制御で孤立的」な労働者の健康リスクが最も高いと記載されています。一般的には医師は「低制御」には入りにくい職種と考えられていると思うのですが、未分化の健康問題が多いプライマリケア外来をこなし、都度判断を求められるプライマリケア医の勤務状況は「高要求・低制御」とも考えられます。

私自身、勤務時間の限られた非正規職員として臨床を行なっていると、なかなか院内の他の先生たちとカンファなどの事例検討の機会はもちろん、立ち話のような「ゆるい」コミュニケーションを取る機会も少なくなりがちで、そのことが相談や紹介のハードルを上げているなと個人的に感じていました。
動画の中でも、職場内での情報共有やコミュニケーションを増やすなどの「職場のソーシャルキャピタルの醸成」は「投資」と考えて行なったほうがいいのではないかというお話もありました。

また、嘱託や非正規であるという「よるべなさ」みたいなものも、(私の場合は、出産契機に住む場所も働く場所も変わったこともあり)精神的に辛かったように思います。
そういった気持ちが、医局にっぽんの立ち上げのきっかけにつながっていたわけですが、同著を読み、坪谷先生とお話しすることで「私はプライマリケア医界隈のソーシャルキャピタル/サポートを増やしたかったんだ!」と言語化することができました。
プライマリケアのリアルな職場は、一人診療所であったりとなかなか充足することは難しい状況があると思います。しかし、オンラインを含めて考えた時には、プライマリケア医にとってのソーシャルサポート/キャピタルを補える可能性があると感じています。
元々、ソーシャルキャピタルには関心を持っていたのですが、地域や患者さんについてではなく、プライマリケア医にとっても重要な考え方ではないかと再認識することができました。
微力ではありますが、医局にっぽんもメンタリングや、他の企画を通じて総合診療、プライマリケアのソーシャルサポートの一部になっていけるといいなと思っております!

動画で関心を持ってくださった方は、ぜひ書籍も読んでみてください!
動画を見るだけでも、色々なフレームワークが提示されてますので、勉強になると思いますよ〜!

参考文献:
三隅一人, 2017, 「社会関係資本ー理論統合の挑戦」ミネルヴァ書房.

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